男性にも花束を。
■離職率3%未満。
・最近のニュース(2024年2月21日付)、「ホーチミン市労働・傷病兵・社会局調査、テト(旧正月)明け後労働者(特に縫製、革靴、電子部品、金融・保険分野)の離職率3%未満」。
・企業側は労働者の定着を図る取り組みを続け、労働者側は工場での長期的に安定した仕事を望んでいるため、離職率が減少している。
■人々は「安定」を求める。
・昔ベトナムで長く暮らす日本人、ベトナム人からも「ベトナム人はテト明け会社に戻って来ずそのまま退職するケースが多い」そんな話を良く聞いた。「一年間一生懸命働いて稼いだお金で故郷へのお土産を買い、帰省し、両親や家族と一緒に暮らす幸せを選び、今後の仕事はテト明けに考えれば良い」、ベトナム人はそのような捉え方をする傾向にあると私は察している。
・しかし近年、労働者側は安定した仕事を求めテト明け後の採用需要は例年ほど高くなっていない。また「新型コロナの流行後、フリーランスや季節労働者が精神的に不安定になり、医療や保険も受けられない事に気づき、長期的に安定した正規社員になることを求めるようなってきた」と専門家は述べる。
■奥さんに釘を刺される。
・ベトナムの多くの企業側もテト後に従業員が戻って来ないと企業の死活問題。その対策に試行錯誤しある企業は「福利厚生を手厚くし、給与や賞与の改定を常に行い、社員寮を完備し、テトの帰省時にはバス手配、定年退職後の生活の足しになるよう従業員用の年金基金も積み立てる」、従業員が気持ち良く働けるよう努めている。
・余談、ベトナムで日本の子会社をマネジメントする日本人の方が以前話していた事を思い出す。「ベトナムには『女性の日』がありますね。その大切な日に私の会社では女性へそして男性従業員に対しても花束やちょっとした女性用の小物をプレゼントしています」との事。
・女性の日に何故男性にそのような品物を贈るのか理由を尋ねた、すると彼は「終業後、男性従業員は奥さん、もしくは恋人にその品物をプレゼントできる」との事、なるほど。「そして男性従業員から花束や小物を受取った奥さんはきっと彼にこう言うだろう『あなた、こんな素晴らしい会社を辞めたらダメだからね』」と釘を刺す。そこまで仮説立てした上でのプレゼントという事なのだ。
・私は彼のマネジメント能力に脱帽し何よりも人を想う気持ちに大変心を打たれた。それ以来、私が何かの機会に人へプレゼントする時はそんなエピソードを思い出しながら贈り物を選定している。