1人が好きな、25歳のわたしが、どうしても結婚したかった理由。
1人でいるのが楽、誰かに深入りするのが怖い。
でも、いつか結婚したいという矛盾。
私は、どうしたいのか。
アラサーの私が、悩みぬいた末の、結論の話。
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1人の時間が好きなのに
ひとり暮らしが向いていない、
ポンコツ感。
18歳から、東京でひとり暮らし。
1人で生きることに慣れたけれど、たまに面倒くさいと、思う瞬間がある。
ひとりだと、当たり前だけれど、なんでも自分で行わなくてはならない。
引っ越し先の、電気、ガス、郵便の開始手続き。
宅配便の受け取りや、再配達。
風邪をひいたときの、自分の看病。「だれか…私にポカリと、風邪薬と、冷えピタと、おかゆやうどんを届けてくれー」なんて、よく思ったものだ。
大きな家具を動かせなかったり、照明を設置しようとするも、背が届かず「うぇーん、ひとりじゃ無理だー」なんて、何度思ったことだろう。
そして、女のひとり暮らしは、わりと危険がつきもので。警戒心は強い方なのだが、当時は他人を無下にできなかったのもあり、わりと怖い思いもしたことがある。
業者・営業っぽい人に、玄関のチャイムを鳴らされたときの、恐怖との戦い。誤ってドアを開けてしまい、ドアに足を挟まれて、閉まらないようにされたことも。
女ひとり暮らしだとバレないように、帰りの夜道に神経を使ったが、追跡されて、知らない人に、抱きしめられたこともある。
「いやいや、ダメでしょ。それ犯罪でしょ」とあっさり伝えると「ですよね!すみません!酔っていて!タイプで」と、訳の分からない言い訳をされ、世も末だなと思った。
そんなこんなだったけれど、よく無事に生きてこれたなと、自分の人生を振り返るも、
やっぱり「ひとりが向いていない」という、現実にぶち当たる。
自分を守って、自分で戦って。
一人で暮らすって、自由なイメージだけれど、ある意味、不自由だったりもする。
鎧と仮面をかぶって仕事をし
プライベートでは盾を持って、他人に接する。
1人でいるのが楽、誰かに深入りするのが怖い。
料理も家事もできるし、1人で生きていけそう!と言われるものの
1人だと、なんか生きづらい。
たぶん、メンタルがポンコツなのだ。
ひとりが好きなのに、
さみしがり屋という矛盾。
1人映画、1人ラーメン、1人京都、1人ライブ、1人バーなど、たいていのことは1人で行動できてしまう。なんなら、お酒も強いので、1人でクラブだって行けてしまう。
慎重な性格のくせに、フットワークが軽く、思い切りがいいという、矛盾を抱えて生きてきた。
よく考えた上で、すぐに行動に移せるという、竹を割ったような性格。
何考えているのか、わからないと言われるのは、他人には行動が読めないのも、原因なのかもしれない。
事実、自分でも「今後どんなことを思いつくか」なんて、見当もつかないものだ。
なんで急に引っ越したの?と友人に聞かれれば
「昇進したいから、自分の気持ちをあげるために、高級住宅街に住んでみた」だとか
親友が名古屋の会社勤務になり、東京にいる私は、休日前に突然深夜バスにのったことがある。
「今、名古屋いるんだけど、もし会えたら会いたいな。モーニングと名古屋料理を食べにきただけだから、会えなかったらまた別の機会で会おう!」
なんて、親友を驚かせてしまったこともあった。
親友の住んでいる場所って、どんなとこなのかな?と興味本位で、名古屋にピューっと行ってしまったのだ。
私の突拍子もない行動を笑ってくれる親友は、数少ない、かけがえのない友人である。
そう、ひとりで行動できるのにも関わらず、親友に勝手に会いに行ってしまうくらい、ひとりが寂しいのである。
ひとりでなんでも出来るのに。
でも、なんだか独りは寂しい。
特に、ひとりの食事が、なによりも嫌いだった。
明らかに末っ子体質にも関わらず、
他人に頼るのが苦手。
先ほども言った通り、慎重な性格なのだ。
他人に心を許すのに時間がかかるし、心を開いている人は、未だ数えるぐらいしか世の中にはいない。
警戒心の強さから、騙されたことはないし、宗教が関わっていそうな人は仲良くなる前に離れるし、一夜限りのような関係も身に覚えはない。(酒好き酒強めなので、酔った勢いという事故もなかった)
慎重で警戒心の強い私は、なかなか他人に心を開けない。
しかし、子どもの頃は、姉や兄に面倒を見てもらい、両親に大事に育てられた、超末っ子体質。
心を許した人に、頼って生きるのが、精神的に安定する。
しかし、友人にさえ、頼るのは苦手だ。
だれかと付き合っても、なかなか自分をさらけ出せないし、安易に甘えられなかった。
彼氏ができても、いつ裏切られるかも分からない!なんて、警戒心ばかりが、膨れ上がっていく。
何でもさらけ出せるくらい、馬が合う人が現れたら。
いつか、自然に頼って甘えられるかもしれない。
そんな人が見つかったときは、結婚するときだろうなとも思っていた。
ひとりで生きられるけれど、
ひとり暮らしが向いていない。
私が結婚したかった理由は、これに尽きる。
誰かに幸せにしてほしいわけでもないし、誰かの財布を頼りにして生きたいわけでもない。
ひとりで生きることが、向いていないのだ。
何かあったときは頼りたいし、頼られたい。
食事は「おいしいね、しあわせだね」と、分かち合いたい。
落ち込んでも「ひとりじゃないから大丈夫。私には帰る場所がある」という、変わらない安心がほしい。
心を開けない私が、さらけ出せる人を見つけたら、頼ることができるようになって、生きやすくなる。
もし実家で生きていたら、未だに結婚はしていないかもしれない。
ひとり暮らしをしなければ、気づけなかった事実は多いのだ。
両親・実家の大事さ、お金の大事さ、1人で生きる面倒さは、ひとり暮らしをしなければ気づけなかった。
そして、
ひとり暮らしをしていると、仕事やプライベートで切羽詰まる瞬間がある。
自分で考え、行動し、どうするかの選択を自分ですることになる。
東京で、精神と体調を壊して休職せざるを得なくなったとき「どうやって生きていこう…」という、究極の不安に襲われたのも、今では良き経験。
もし実家暮らしだったら、無職になっても「家があるから」「親がいるから」と、知らぬ間に頼って安心してしまうものだ。
安心の少ない、ひとり暮らしをしたからこそ、誰かと一緒に生きられたらな、なんて思えたのかもしれない。
そして
1人で生きることに、飽きたのかもしれない。
わたしが結婚した理由は、
1人は好きだけれど、一人暮らしが向いていない自分に、一人暮らしで気づけたから。
そして、そんな自分と、対等でいられる相手をみつけたから、結婚したという結果論。
夫は、ひとり暮らし経験者で、家事も仕事もできる人、学生時代に精神疾患を乗り越えた経験から、大きな器を持っていて、他人に寄り添える、出来た人なのだ。
幸せにしてほしいのではなく、2人で幸せに生きていきたい。
支え合って、頼り合えて、笑い合える2人でいられたら、それだけでいい。
ひとり暮らしを経験して、ひとりが向いていないことに気づけてよかった。
結婚してよかったと、心の底から思っている。
私が結婚したかった理由は、
1人が好きだけれど、独りで生きることが向いていなかったから。
あなたの結婚したい理由は、なんですか。
理由が分かれば、自分の人生の隣は、どんな相手がいいか、自分で選べるようになるかもしれない。
最後の婚活のはじめかた アラサーすず*