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「時間のムダ」と思ったデートから、見つけることができた真実。

24歳の誕生日前日の深夜、彼氏と別れた。
24歳の寝不足の誕生日、管理職に昇進した。

仕事はうまくいっているのに、プライベートがうまくいかないとき。映画「プラダを着た悪魔」を観て、何度も心が救われた。

「仕事ができるようになると、プライベートが崩壊するよ。昇進の時期だ。」
プラダを着た悪魔 ナイジェルの名言より

まさに、崩壊(別れ)と、昇進が一緒に起こった。
あの24歳の前後。

自分を殺してまで仕事をして、得られたのは「体と精神の限界を知れたこと」と「本当の自分の気持ちと、ほんのちょっと向き合う時間」

寝る暇もないほど忙しい中、自分はどう生きたいのかを考えたとき、自分らしくいられるパートナーがほしいと、心の底から思った。

管理職で半年ほど経った頃、仕事に振り回されていた私は、毎日のように3時間ほどの睡眠だった。

生きた心地のしないまま、やっと迎えた休日といえば
「なんにもしたくない、疲れすぎて何にもできない」と、洗濯機を回しながら昼寝をする。

溜まった家事をして夕方になり、1日が終わりそうな瞬間に、このままでいいのだろうか?と、不安に襲われ、また仕事の日々が始まる。

このままでは、仕事人間になって、婚期が遠のいていく絵が浮かんだ。もはや、バリキャリになってやろうか。いや、私はそれを望んでいない。

休日前の夜。
このままじゃヤバイ。1人で死にたくない。プライベートも充実させたい。今の生活では不安。

とりあえず、面倒でも出会わないと...!

と、仕事のしすぎで生死を彷徨う私は、マッチングアプリに登録し、仕事終わりの時間と、休日に婚活を始めた。

仕事を理由に「出会いがない」と言ってしまえば、簡単かもしれない。何しろ、3〜5時間睡眠が日常。疲れ果てて、メイクも落とせず、倒れるように寝ることもあるほどだ。

それでも、未来の自分のために、今できることをしないと....!と、半ば躍起になっていた。

【 できない理由を並べる時間は、私にはいらない 】

アプリなら、隙間時間にできるだろう!と。

貴重な休日に、デートを入れたものの、すぐに上手くいくとは限らない。
「時間のムダだったな」「俺通信LINE、やめてくれないかな」「カフェデートなのに割り勘って」なんてこともある。(当時は尖りきっていた)

あぁ、また仕事の日々。
仕事終わりの21時半、新宿でデートの予定。
待ち合わせ場所で「誰?」と思うほどの、写真詐欺男にイラっとし、わざと閉店間際のお店に滑り込み、すぐに解散した。

仕事終わりの貴重な時間なのに...!
痩せてた若い時の写真なんぞ載せやがって!写真詐欺って、マジで最悪!と、腹が立った。(「わ!写真のまま!超タイプ!」と詐欺男に言われて、テメェは詐欺のくせに!とさらにイラついた覚えがある)

誰かに会って、話したい。どうでもいい話を聞いてほしい。(相手に迷惑)

そんな深夜

カフェデートで、割り勘だった彼を思い出した。

彼と会っている時、自分がナチュラルでいられたので、彼に話を聞いてほしい!と思った。(迷惑)

■ LINE

「遅くにごめんなさい。今から会えたりしませんか?笑」(深夜23時ごろ、迷惑すぎる)

「急だな笑。会えるけど。渋谷で深夜までやってるカフェがあるから、そこで良ければ」


恋人はできた?とか
初デートの時、カフェで割り勘だったから、私の中では、もう会わないって思ってた!あはは。とか
初デートのヤバイ奴エピソードなんかを、お互いに話したり
話が楽しすぎて時間を忘れるとは、このこと。
お互い終電がなくなってしまった。

大人になって、気楽になんでも話せる人は、めずらしい。婚活してるのに、友達になれるのでは?なんてこともよぎる。

「突然連絡したのに、会ってくれてありがとう。しかも深夜に。すみません笑。明日仕事へいき?」

「ほんとだよ笑。まぁ、楽しかったからいいけど。仕事はフレックスだから全然平気!」

お互い別のタクシーに乗り、深夜の東京の街を見ながら思う。なんか、また会いたいな。

話す度に、尊敬する部分ばかりで、会うのが楽しみになり、いつのまにか、自分の日常に必要不可欠な存在になった。



半同棲から、同棲へ。

お互い仕事人間で、会える時間が少ないため、自然と半同棲になった。

仕事を辞めると決めた日、彼から「一緒に住む?」と言われ、彼が住みたいと言った物件を、内見しにいくことに。

仕事を辞めた理由は、体も精神も崩壊したからだった。仕事中、声が出なくなり、動悸と胃痛がする毎日。

ある日の朝、彼の家で倒れた。

それでも「仕事に行かなきゃ!仕事!」と言う私に

「上司に連絡して、休もう」と諭され、泣きながら仕事を休んだ。

倒れて、休んで、気づいた。限界かもと。

辞めますと言って数ヶ月後、やっと辞めることができた日、職場まで彼が車で迎えに来てくれた。
「お疲れ様、一緒に帰ろう」

結婚すると思っていた。

彼は昇進したり、コンテストで賞を獲り、渋谷で展示をしたり、引き抜きの話が沢山来ていた。
私は休養した後、コンテスト受賞をきっかけに、夢だった仕事を始めつつ、新しい会社に再就職。

人生の濃い時間を、共に過ごした。

婚約指輪も見に行った。

それでも、なかなか両親に会おうとしない彼。
結婚するつもりでいるよ、とは何度も言われた。


そんな、なあなあな中、私は脳内で
彼との結婚をリアルに考えていく。


金銭感覚は全く違うし、彼に合わせて生活している自分。
彼が起きる前に、コーヒーをいれて。
彼にバレないように、安い肉を料理して、値段がバレないように、パックを袋に入れて捨てる。(高い肉がいいと不満を言われてしまうため)

もし、子供ができたら?という話のときに
「俺は稼ぐ、でも共働きがいい」と何度か言われ、育児に不参加っぽい、彼のスタンスに不安になる。(共働きで、ワンオペ育児は避けたい)

結婚をリアルに考えて、話し合う度に
たくさんの気づきがあった。


気づく度に、合わない価値観の差を少しでも埋めたいものの、話し合っても埋められそうになかった。

話している途中で、彼はベッドに行ってしまい、毎回寝てしまうため、話し合いができない人だった。

些細なことでも、共有して、お互い理解した上で、一緒にいる関係が理想で。

彼と一緒に生きていけないかも...という不安が、ちょっとずつ増えていく。

人として好きなのに、尊敬もしているのに、仲もいいのに、なぜか話し合えない相性。
2人で生きた時に、未来の自分が幸せなのか、分からなくなった。

彼と別れて1年後。

似たような価値観で、超タイプの彼に出会った。
1時間ほどかかる、私の家に会いに通ってくれて
数ヶ月で、一緒に住もうと言ってくれて同棲。
半年もせず両親に会ってくれて、付き合って3年弱。

ひざまづいて、小さな箱を開けてくれた。

共に生きるのが心地よい夫。
なんでも話し合えて、お互いをリスペクトできて、男女としての意識も消えず、結婚してもうすぐ3年。

仕事で忙しくても、結婚を考えていた人と別れたあとも、考えることや、出会うことをやめなかった私を、今では褒めてあげたい。よく倒れても、自力で起き上がったなぁ!と。

自分の人生を、前に進めるのは、なかなかエネルギーが必要で。大変なことが多い。それはきっと、みんな同じかな。

出来ない理由を並べて何もしないのは、簡単かもしれない。
それでも、自分は出来ると信じて、挑戦して、新しく見える世界の方が、私の人生にはプラスなことが多かった。
(失敗も、学び!という考え方でな)

何かを変えたいときは、出来る理由を探していこう。今日も、これからも。


最後の婚活のはじめかた アラサーすず*

「だれかに役立ちますように」と時間をかけて書いています。 あなたのサポートは、めぐりめぐって誰かのために...♪ ぐるぐる、まわる。