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Findy主催 プロダクトマネージャーLT Night イベントレポート/施策の効果はKPI設計で決まる!

こんにちは!セーフィーでプロダクトマネージャーを務めている佐藤です。
2025年1月28日、Findy主催プロダクトマネージャーLT Nightにて、「施策の効果はKPI設計で決まる!ゴールから逆算する行動デザイン」をテーマにライトニングトークを行いました。
本記事ではその内容を紹介し、私たちセーフィー株式会社のプロダクトマネジメントの考え方をお伝えします。


▼プロフィール
2021年にベンチャー企業に新卒で入社し、弁護士向けソフトウェアの開発に携わる。 エンジニア、プロジェクトマネージャーを経て2023年にプロダクトオーナーとして就任。プロダクトの価値最大化を責任範囲とし、プロダクト戦略の立案、顧客課題の探索やスクラムの導入推進、リサーチの導入、開発組織と顧客の架け橋となり本質的な価値提供を目指す。2024年に株式会社セーフィーへ入社し、クラウドカメラを利用されるエンドユーザー向けソフトウェア「Safie Viewer(セーフィー ビューアー)」のプロダクトマネージャーを担当。

Safie Viewer・・・カメラで録画した映像や自動検知したデータを遠隔で閲覧することができるツール


ターゲット

今回のLTは、次のような課題感を抱えているプロダクトマネージャーへ向けてお話をさせていただきました。

  • 施策の方向性に迷いがある方
    「誰に、どんな行動をしてほしいか」を具体的に考えられず、施策が漠然としている。

  • KPI設計に課題を感じている方
    ゴール設定が曖昧で、チーム全体の意思決定がブレてしまう。

  • 施策の効果測定に自信がない方
    実行した施策の結果をデータで測定・検証し、改善につなげる仕組みを構築できていない。

これらの課題を抱えるプロダクトマネージャーに向けて、「具体的なKPI設計とその活用法」を軸に、プロダクトを成功に導くアプローチをお伝えします。


具体的な施策事例:問い合わせ削減プロジェクト

KPI設計と活用法についてセーフィーのプロダクトチームとカスタマーサポートチーム(以下:CS)が共同で取り組んだ「問い合わせ削減プロジェクト」を例にご紹介します。

プロジェクト背景

弊社のサービスをご利用のユーザー様から、「アプリの操作方法が分からない」「カメラのセットアップができない」といった問い合わせがサービスのグロースと共に日々増加しており、CSの対応コストも比例して上昇しているという課題がありました。またコスト問題だけでなくユーザー様への返信をお待たせしてしまうというUX上の課題もありました。これらの課題に対応するため、プロジェクトを立ち上げ、課題解消に向けて行ったことをお話します。

1.KPIツリーの作成
達成したいことから逆算し、KPIを策定します。
今回は「カメラ1台あたりの問い合わせサポートコストを減らすこと」を達成したかったので、カメラ1台あたりの問い合わせサポートコストの構成要素を洗い出しました。
また、意思決定者がプロジェクトの外側にある要素はスコープ外としました。

2.ユーザーの行動フロー図を作る
ユーザーが問題解決を試みるプロセスをフロー図に落とし込み、どの段階で躓きやすいのかを把握しました。

ユーザーの行動を変えたいのなら、まずは現状のユーザーの行動を可視化するのが第一歩です。

ユーザーの行動フロー図の一部

3.さらに細かなKPIを決める
可視化したユーザー行動から、ユーザーにどのようなアクションを起こしてもらえばKPIが達成できるのかKPI仮説を立てました。

そして、それぞれのKPI仮説に対する施策を実施します。

4.KPIを測定する
施策の結果をモニタリングし仮説が正しいのか、実施した施策が効果があったのかを可視化・計測します。

計測はスプレッドシートに数値を記載していきますが、数値だけ並んでいるとパッとわかりづらく、メンバーの再編などで陳腐化しやすいため、簡易的なダッシュボードを作成しました。

また、KPIの計測にあたって躓いたポイントがありました。

「カメラの映像が映らない」という問い合わせに対し、ルーターを再起動したら直ったのか、カメラが故障してしまっていたのかがメールのやりとりを目視で確認しないとわかりませんでした。

前者はユーザーが自己解決できるので、削減したい問い合わせです。一方後者はユーザーが自己解決できないので、削減できない問い合わせになります。
これが混在していることによって、うまく効果測定や集計ができませんでした。

そこで、弊社で導入しているAWS Bedrockの、Bedrock Claude ChatのAPIを活用しました。目視で問い合わせに伴うメールを確認する場合は、問い合わせ1件あたり1分ほどかかっており、月に数千件の問い合わせデータを数値化することが現実的ではありませんでした。
しかし、LLMを活用することで毎月30分ほどで全件の分析ができるようになりました。

精度は100%ではありませんが、精度向上のために検証やプロンプト調整も行っています。

5.KPIツリーのアップデート
施策の効果を測定し、目標としていたKPI仮説に影響があったかを確認します。さらに、目標としていたKPI仮説も仮説にすぎないので、さらに上位のKPIに影響があったかを確認します。

たくさんの施策を実施していると、KPI仮説が仮説であるということを忘れてしまいがちですが、KPIツリーもアップデートしていくことが大切です。

学び

このプロジェクトを通じて、以下の重要性を改めて認識しました。

  • KPIツリーを策定し、スコープを握ることで意思決定がスムーズにできたこと

  • ユーザーの行動フローを可視化することで仮説が立てやすくなること

  • LLM等を活用できるようになったことで効果測定の可能性が広がっているため、効果測定の手段はKPI設計後に考えること

  • 仮説検証で得られた学びをKPIツリーに反映すること


伝えたいこと

セッションで最も伝えたかったのは

「プロダクトは人の行動を変える。実現したい世界から、人の行動を逆算しよう。」

ということです。

会社には会社のビジョンがあります。プロダクトにはプロダクトビジョンがあります。目指したい世界観があり、今の世界を変えたいからこそ、私たちはプロダクトをつくっています。

そして、世界をつくっているのは世界中にいる「人」です。つまり、世界を変えるには人の認識や行動を変えないといけません。

プロダクトは私たちに代わって、世界中の人に触れ、人々の認識、常識、行動を変えることができます。だからこそ、目指したい世界から人の行動を逆算し、プロダクトで世界を変えましょう!


施策の効果はKPI設計で決まる!

今回ご紹介させていただいたLTのスライドは公開していますので、ぜひご覧ください。

おわりに -  映像から未来をつくる - 

セーフィーでは、クラウド録画サービスを通じて、日本中、世界中のカメラの映像をクラウド化し、自分のため、社会のために誰もが活用できる映像プラットフォームを提供しています。
「プロダクトを通じて人の行動を変える」というミッションに共感いただけた方、ぜひ一度私たちとお話してみませんか?

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