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ジークアクスをあえてネタバレを踏みまくってから観に行ってみた感想
今回はキレ気味で、ちょい辛口です。
作品に対する評価は辛口ではないと思いますが。
1.長い前置き
ちょっと長い前置きを入れます。
感想だけ読みたいと言う人は飛ばしてください。
当然ネタバレを含みますが、ここで感想として述べたいのは「ネタバレ」そのものについてが中心です。ネタバレを踏んでいようがいまいが、作品の価値や面白さは動かない、むしろネタバレを恐れて楽しみ方が窮屈になり、自由な読み方が阻害されていることの方が問題だよね、という趣旨です。
そもそも、何をもって「ネタバレ」とするんでしょうか?内容に触れたら「ネタバレ」ですか?だとしたら、予告編やキービジュアルや、タイトルですらネタバレになりますよね?程度の問題ですか?じゃあ、何が許されて、何が許されないんでしょう?人によって違いますよね、そんなの。予告編はOKという人もいるし、予告編ですら見たくないって人もいますよね?あなたが良かれと思ってリポストした公式の予告編の宣伝ポスト、誰かのネタバレになっていたかもしれませんよ。
何を「ネタバレ」とするかは人によって異なります。結局のところ、何が「ネタバレ」になるかは、「分からない」と言うしかありません。それは、「何も言うな」ってことです。でも、言いたいですよね?感想。でもそれ、ネタバレになるかもしれないんですよ。ダメダメ、何も言ってはいけない。何もするな。その作品が話題にならなくて、興行収入下がろうが関係ない、何も、言うな、何も、するな!
ね?そんなの無理なんですよ、はじめっから。
何か感想を述べるためには少なからず内容に触れる必要があります。それが作品の価値をスポイルしているかどうかに関わらず、内容に触れること=悪=ネタバレとする風潮にはずっと文句を言いたいと思ってました。少しでも内容に触れようものなら「ネタバレだ!」と騒ぐ、それが集団ヒステリーのように現象化してきていると思います。
感想を述べることだって、作品を読むこと、楽しむことの一部です。なぜそれが一部の声のでかい人たちのために楽しみ方を制限されないといけないのか。そんなに「初見」の体験、感想が重要でしょうか?一回性の高い即興劇でもない限り、初見でないと価値が損なわれるような作品は欠陥があると言わざるを得ません。2回、3回と見ても意味が無いということになりますからね。2回、3回と見ても面白い、感動できる、それこそがその作品の真の価値じゃないんですかね?
でもでもでも、公式様がネタバレは禁止って言ってるし~、じゃねーんだよ!思考停止で、ちょっとでも内容に触れたらネタバレだってうるせぇのが多いから、仕方なく公式が配慮の「お願い」をしてるんでしょうが。公式に余計な手間かけさせないでほしいですね、全く。ガノタは民度高いな!じゃないんですよ。公式まで配慮を要請するような状況の方が異常とは思わないんでしょうか?
しかも、でけぇ会社のでけぇタイトルだからできるんですよこれ。無名の制作会社の無名の監督が作ったオリジナルアニメで同じことできますかって話。人気制作会社だからできる殿様商売ってわけです。普通なら自由に感想を言って考察や議論を交わす方がどう考えても有益ですし、健全です。
配信者みたいに「初見の反応」そのものに商品価値があるなら話は別ですが、我々有象無象の一般人が後生大事に「初見の反応」なんてものを温存する必要は無いんですよ。それとも、影響力のでかい人がコミュニティの中で敷いてるネタバレ禁止のローカルルールを、世間一般でも適用されるものと思いこんじゃったのかな?だとしたら、ずいぶん飼いならされていますね。
念のため断っておきますが、僕はネタバレを許容しろと言っているのではありません。僕だって善良な読み手ですから、ネタバレには最低限配慮していますし、ルールを守らなかったり、悪意をもってネタバレされたりしたらムカつきます。だからネタバレしていいと言うつもりはありません。僕は、ネタバレに配慮する(される)ことが当たり前だと思い込んでいるやつらが気に入らないんです。
あなたがネタバレ無しに初見で作品を鑑賞できたのは、みんなが「善意」の「協力」で配慮してくれたからであって、配慮して当然では決してない。何だったら自分の楽しみを犠牲にしてまで「協力」してくれた人だっているだろう。そういう状況を民度が高いとか言って美談にして悦に入ってるのも気に入らない。誰かの楽しみにために別の誰かがコストを支払っているかもしれないんですよ?感謝しろとは言わない、だが当然と思うな。
2.ネタバレ有りで観た感想
ということで、ジークアクスの公開にあたり、公式がネタバレ自粛を要請する事態になり、X上では、まんまと「ネタバレを踏む前に観ろ!」「初見で観るべき!」というような感想があふれかえりましたね。そこで、逆張り天邪鬼の僕は「は?知るかよ、おれの楽しみ方に指図するな!!」と思ったわけです。僕は僕の観たいように観るということです。ネタバレすることの自粛は求められていますが、こっちが自分からネタバレ踏む分には問題ないですよね?その選択権まで奪われる謂れはありません。
正直ジークアクス、興味があるかないかで言えばあったのですが、無理にスケジュールにねじこむまででもないな、って感じでした。しかし、あまりに「ネタバレ踏む前に観ろ!」ってうるさいので、あえてネタバレを踏んでから観たらどうなるだろうか?ネタバレで価値が損なわれる程度の作品なのか?という興味がフツフツと湧いてきて、休日出勤後の月曜日にも関わらず帰り道に映画館に駆け込んで、鑑賞してきました。ネタバレにビクビクして縮こまった人たちをよそ目に無敵状態で上映を待つのはなかなか気分がいいですよ。おや、特典のトレカまでネタバレに配慮ですか。大したものですね。僕には関係ないし、上映前に開けちゃおっかな~?まあ、さすがに開けませんでしたけどね。
というわけで、鑑賞終了。
まず結論から言うと、ものすごく面白かったし、楽しめました。
長らく地上波放送アニメを追いかけるということをしていなかったんですが、ジークアクスに関しては絶対追いかけながら観ようかなと思いました。
特に前半0話ですね。ここは本当にワクワクしました。
事前に情報を入れていたんですが、ワクワク感でほとんど飛んでいましたね。ザクのメカデザかっこよ!え、ガンダムのデザインめっちゃ攻めてる!かっこいい!(そういえばシャアがガンダム乗るんだっけ)うわアクションもかっこいいな~、戦闘シーンたのし~って感じです。やっぱり情報として知っているのと実際に見るのとでは全然違いますね。普通に新鮮な気持ちで楽しめました。
後半1話2話に関しては、まだまだ導入で評価する以前の状況かなと思います。それでも0話を含めて、さまざまな伏線が散りばめられていますので、これをどう回収していくのか、かなり気になる構成で、巧みな導入だと思います。ただ、バナージくんのユニコーン初搭乗シーンなんかと比べるとややインパクトに欠けるかなという印象です。初戦闘シーンもアクションはヌルヌルよく動くし、ワクワクするんですが、派手さに欠ける感じです。
ただ後半はだいぶおしっこに行きたくなっていたので、少し散漫になって分析が甘いかもしれません。
1話2話は本編なので、これから盛り上がってくるんだろうということで、許容できますが、映画でやるならもう1話分くらいでっかい山場をねじこんでもよかったんじゃないかなと思います。そうなっていたら僕の膀胱が危険な状態になっていたかもしれませんが。
はっきり言って、この映画は0話一点突破だと思います。一点突破できるだけのスタッフとクオリティがあるからこそできるパワープレイですね。
1話2話はおまけ程度だと思います。本編チラ見せって感じでしょう。
だからこそ、公式はネタバレ自粛の要請を出したのだと思います。できる体力もありますからね。結果的に、話題性のある部分をあえてマスクして、感想を述べたい、考察や議論をしたい視聴者に生き地獄を与え、そうして、その地獄絵図自体で別の話題性を生むといった戦略としても成立しました。マスクしている中身自体も当然話題性があるので、ネタバレ解禁されれば、また盛り上がって2度おいしいですね。正直、みんなもうネタバレとか気にせず、好きに感想言いたいでしょ?えげつないことするよね。
あ、ちなみにネタバレ踏んでいても全然楽しめますよ。無駄な努力を半ば強要されて気の毒でしたね。え?新鮮な驚き?それに一体何の価値が?作品の価値と関係あるんでしょうか。新鮮な驚きが欲しいならお化け屋敷にでも行ったらいいんじゃないですか?
3.事前準備でもうキレてた話
ところで、ネタバレを踏んだ状態でジークアクスを観るために、事前に「ジークアクス ネタバレ」でググって出てきた記事をいくつか適当に閲覧して鑑賞に備えました。この時点で既にちょっとキレそうでした。もちろんネタバレ記事にではありません。僕が見たネタバレ記事はきちんと注意喚起もしているし、丁寧にゾーニングもして、十分に配慮が行き届いていましたから、既に観た人か、僕のように勇んでネタバレを踏みに来る人でなければ踏むことはないでしょう。
しかし、匂い立つなあ、えづくじゃあないか…
なーにが「何を言ってもネタバレになるから何も言えないけど、これだけは言える、ガンダム好きなら一刻も早く劇場で観ろ!」じゃ!!思いっきりネタバレしてんじゃねーか!!
え?内容については触れてない?いいえ、「ガンダム好きなら」の部分が宇宙世紀、とりわけ一年戦争あたりを舞台にしている、ということの示唆になります。勘のいい「ガンダム好き」なら、そのことに思い至らないはずがないでしょう。その可能性が頭の中に思い浮かんでしまった時点で「新鮮な驚き」とやらが損なわれるとは思わないんでしょうかねぇぇぇ!?何か自分は配慮できるお行儀のいいガノタですよアピールしちゃって、語るに落ちてるんですよ。
さて、こういう人たちは僕みたいに「あえてネタバレ踏んでから観よう」みたいな人が身近にいたらどうするんでしょうかね?説得を試みますかね?正直「勝手にしろ」って感じじゃないですか?それが本音だと思うんですよね。他人のことなんか考えてないでしょう。「初見で観るべき」だの「新鮮な驚き」だのと、おためごかしもいい所です。それが本当に作品の価値だと思うなら止めてみせよ。まあ、それでも僕は勝手にすると思いますけどね。
「私は好きにした、君らも好きにしろ」