介護予防は高齢になってから?
働き世代からのフレイル予防
フレイルとは英語で「フレイリティ(虚弱)」を表した造語です。
聞きなじみのない方も多いかもしれませんが、「メタボ」に続く言葉として少しずつ浸透してきています。
フレイルを日本語に訳すと「虚弱」。
その名の通り、年を取って身体や心が弱って要介護状態になる一歩手前のことを言います。
たいていの人はフレイル予防は高齢者になってから行うものと考えがちですが、実際にはそうではありません。
高齢になってから生活習慣を変えることは難しく、また加齢に伴う認知機能の低下や新しい事へ順応する力も衰えてきます。
高齢になっても元気に過ごすためには、特に働き世代からの生活習慣が重要となるのです。
では、具体的にどのような事をすればフレイルが予防できるのでしょうか。
フレイル予防には主に3つの方法があります。
フレイル予防の方法
1.運動
フレイル予防のひとつ目は「運動」です。
メタボチェックでは汗のかくような運動を1日30分、週3回以上などと言われていますが、実際にそこまで定期的な運動習慣のある人は少ないと思います。
ダイエットでも同じで「続かなければ意味がない」ので、時間も回数も少なくても良いので自分が続けられる程度の運動を継続して行うようにしましょう。
例えば、駅ではエスカレーターではなくて階段を使うとか、携帯アプリなどを使って1日5000歩を目標に歩くとかでもOKです。
有酸素運動も効果はありますが、筋トレはさらに効果が実感できると思います。
ジムでやるような本格的なものは必要ありません。気づいたときにスクワット10回してみる程度でも、続けることができればそれで良いのです。
2.食事
次は食事です。フレイル予防に効果的な食事は年代によって異なりますが、どの世代でも共通して言えることは「バランス良く」です。
何かの食材を偏って食べる事はおすすめできません。必要な栄養素をバランスよく取り、またそれを続けることによって病気の予防や高齢になっても健康な体を維持することにつながります。
フレイルから要介護状態になるリスクが高いもののひとつが「骨折」です。
骨折の原因は転倒が多いですが、高齢になると骨が弱くなる「骨粗鬆症」が問題となります。
特に女性は男性に比べて骨量が少なく、閉経後には急激に減少して骨粗鬆症となる人が非常に多くいます。
骨粗鬆症の予防は運動と日光浴、カルシウムを含むビタミンやミネラルをしっかりと摂取することです。
また無理なダイエットは骨粗鬆症になるリスクも高くなりますので、極端な食事制限はやめましょう。
また、働き世代ではメタボ(メタボリックシンドローム)も気になるところですので、カロリーや脂質の取り過ぎには注意が必要です。
必ず毎年健康診断を受けて、自身の健康状態を知っておきましょう。
反対に高齢期では痩せないことがポイントになります。
体重減少は体力低下にもつながります。しっかりとカロリーとタンパク質を摂り、急激な体重減少(半年で2-3㎏以上の減少)を防ぎましょう。
3.社会参加
3つ目は社会参加です。高齢になると社会とのつながりが少なくなり、家族以外の人と交流する機会も減っていきます。
実はこの「社会とのつながりがなくなること」こそが「フレイルの入り口」と言われており、フレイル予防の重要なポイントと言われています。
働き世代の方は日々、会社や子供の学校など様々な社会参加の機会があると思いますが、当然高齢になれば退職して会社とのつながりはなくなります。
そうなったときに、家族以外の人と定期的に交流する機会はあるでしょうか。
仕事一筋の男性は退職後に自宅にこもりがちになっている場合が多く見受けられます。
外出しないことで体力が落ち、活動しないために食欲がなくなり、人と交流しない…これはまさしくフレイルを進行させる3大要因となります。
例えば、「趣味仲間を作る」「町内会やボランティア活動する」などは高齢になってからも続けられますので、退職後にも人との交流が続けられる環境を作りましょう。
介護予防は若いうちから
高齢になっても元気に過ごすためには、働き世代からの生活習慣が大切になってきます。
仕事や育児が忙しいと自分のことが疎かになりがちですが、機会があればこの予防方法を思い出して、ぜひ取り組んでみてください。
一番大事なことは「続けること」です。
習慣化できれば、高齢になっても継続できますので、元気な時からフレイル予防しませんか。
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