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御徒町エレジー

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俺が働く街、御徒町。冴えないリーマンの唯一の楽しみ。それはランチタイム。独断と偏見に満ちた昼メシレポート。
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2024年9月の記事一覧

御徒町エレジー第6話【幸せな発見「粋な一生」】

御徒町エレジー第6話【幸せな発見「粋な一生」】

午後14:00。

マイランチタイム。

御徒町の迷路のような裏路地を今日も彷徨い歩く。

今日はいつもの店じゃない所へ行ってみたい。

少し遠くまで歩く事にした。

早速、古びた蕎麦屋を発見。

だが、近づいてみると、本当にただ古びて廃業してる店であった。

ガソリンスタンド、法務局…

メシ屋は見つからない。

仕方ない、引き返すか…

そう思った瞬間。

見慣れたノボリが見えた。

【ラーメ

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御徒町エレジー第5話【ラーメン屋のコッテリ炒飯】

御徒町エレジー第5話【ラーメン屋のコッテリ炒飯】

炒飯(チャーハン)
炊き上がった白飯を具材と共に油で炒めたもの。

和の具材と合わせた薄味のものは焼飯というのが俺の認識だ。

今日俺が食いたいのは。

しっとりとした、味の濃いヤツ。

何なら化学調味料タップリでラードで炒めた、胸焼けするほどジットリした炒飯が食いたい。

そんな欲求を抱えて今日も電話番を終えた午後13:30。

さて、行くか。

今日はあそこだ。

炒飯単品だと少し寂しい。

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御徒町エレジー第4話「時々無性に食べたくなる町中華」

御徒町エレジー第4話「時々無性に食べたくなる町中華」

午後1:30

ようやくピークのランチタイムから第一陣のスタッフが昼休憩を終えて戻って来る。

ヤツらが昼メシを食ってる間、俺は取引先の電話を優先的に取らなければならない。

いわゆる電話番ってやつだ。

電話が鳴るのを待つ間、PCをカタカタ動かしながら考える。

「今日の昼メシは何にしよう」

結局、職場のエレベーターを降りて職場のビルを出るまで何も思い浮かばない。

そんな時は一択だ。

「今

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御徒町エレジー第3話【路地裏の下町とんかつ】

御徒町エレジー第3話【路地裏の下町とんかつ】

ちょうど一年前のこと。

ここ御徒町のオフィスビルへ着任した当初の事だ。

誰でも経験するであろう。

ランチ店探し。

一時間という限られた時間の中でサッと行けて、尚且つ美味い店。

御徒町の迷路のような路地裏を彷徨っていた時にこの店はあった。

店の名は「とんかつ大和」

まるで昭和の時代にタイムスリップしたような外観。

中の様子が外からよく見えないが今さら躊躇する年齢でもない。

迷わず店

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御徒町エレジー第2話【究極のタンメン】

御徒町エレジー第2話【究極のタンメン】

タンメン。

塩や醤油味のアッサリとしたスープに炒めた野菜をのせたラーメンのことだ。

赤いタレが添えてある岐阜タンメンや有名な蒙古タンメンなど様々なバリエーションがある事でも知られている。

そして、ここ御徒町に人生で最高の一杯があった。

なんと職場のビルから徒歩一分圏内にその名店は存在していた。

大通りの隙間に位置するこの小さな店舗は、注目していなければ間違いなく素通りしてしまうだろう。

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御徒町エレジー第1話【いつも買えない吉池の弁当屋】

御徒町エレジー第1話【いつも買えない吉池の弁当屋】

御徒町(おかちまち)というエリアを貴方はご存知だろうか?

東京都台東区のJR上野駅の隣に位置する駅である。

改札を抜けるとすぐに有名なアメヤ横丁(通称アメ横)の入口があり、駅前には宝石店が軒を連ねるジュエリータウンとしても有名だ。

駅周辺には、居酒屋を中心とした飲食店も多く、色とりどりのネオンが輝き、仕事終わりの呑兵衛たちの楽しそうな笑い声が聞こえる。

今回なぜこの土地をフューチャーしよう

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