濱口桂一郎著『ジョブ型雇用社会とは何か―正社員体制の矛盾と転機』岩波新書
『ジョブ型雇用社会とは何か』刊行日
濱口桂一郎著『ジョブ型雇用社会とは何か―正社員体制の矛盾と転機』(岩波新書)は岩波書店サイトによると2021年9月17日(金)刊行予定。ただし紀伊國屋書店サイトによると9月21日(火)発売予定とのこと。
『ジョブ型雇用社会とは何か』目次
『ジョブ型雇用社会とは何か―正社員体制の矛盾と転機』の内容・目次は岩波書店サイトに次のように記載。
この本の内容
前著『新しい労働社会』から12年。同書が提示した「ジョブ型」という概念は広く使われるに至ったが、今や似ても似つかぬジョブ型論がはびこっている。ジョブ型とは何であるかを基礎の基礎から解説した上で、ジョブ型とメンバーシップ型の対比を用いて日本の労働問題の各論を考察。隠された真実を明らかにして、この分析枠組の切れ味を示す。
目次
はじめに
序 章 間違いだらけのジョブ型論
1 氾濫するおかしなジョブ型論
2 ジョブ型の毀誉褒貶
3 メンバーシップ型の矛盾
第1章 ジョブ型とメンバーシップ型の基礎の基礎
1 ジョブ型契約とメンバーシップ型契約
2 入口と出口とその間
3 賃金制度と「能力」
4 対照的な労使関係
5 非正規労働者と中小企業労働者
6 法律と判例の複雑な関係
第2章 入口と出口
一 入口――就職と採用
1 採用の自由と採用差別禁止
2 試用期間の意味
3 学歴詐称の意味
4 入口の年齢差別禁止法
5 周縁地帯の中途採用
二 入口以前の世界
1 教育と職業の密接な無関係
2 日本型雇用の収縮に取り残される教育
3 アカデミズムの幻想と職業訓練の世界
4 学び直しというけれど
5 学習のフォーマルとインフォーマル
三 定年と高齢者雇用の矛盾
1 定年退職は引退に非ず
2 根っこにある中高年問題
3 矛盾に矛盾を重ねる高齢者雇用対策
四 解雇をめぐる誤解
1 ジョブ型社会で最も正当な整理解雇
2 誤解だらけの「能力」不足解雇
3 現実社会の解雇の姿
4 移る権利・移らない権利
第3章 賃金――ヒトの値段、ジョブの値段
一 生活給を「能力」で説明した年功賃金の矛盾
1 職務評価による固定価格がジョブ型賃金
2 生活給から「能力」主義への曲がりくねった道
3 下がらない「能力」の矛盾とご都合主義の成果主義
二 日本版同一労働同一賃金という虚構
1 非正規労働者の均等・均衡処遇政策
2 同一労働同一賃金という看板を掲げた政策過程の裏側
三 家族手当と児童手当の間
1 家族手当の展開
2 児童手当の曲がりくねった細道
3 矛盾に満ちた家族手当
第4章 労働時間――残業代と心身の健康のはざま
一 残業代とエグゼンプションの迷宮
1 労働時間とは残業代と見つけたり
2 適用除外制度をめぐるねじれた経緯
3 月給制と時給制の一体化
4 管理職は職種か処遇か
二 本当のワーク・ライフ・バランス
1 夫と妻のワークライフ分業
2 迷走するワーク・ライフ・バランス
3 転勤という踏み絵
三 過労死防止のパラドックス
1 残業規制の源流は過労死裁判
2 健康とプライバシーのはざま
四 メンタルヘルスの迷宮
1 メンタルヘルスのパターナリズムとプライバシー
2 メンバーシップ型はパワハラの培養土
第5章 メンバーシップの周縁地帯
一 女性活躍というけれど
1 女子は若いのに限る――花嫁候補のOLモデル
2 ジョブの平等、コースの平等
3 ジョブなき社会の女性活躍
二 障害者という別枠
1 メンバーシップ型になじまない障害者雇用
2 発達障害と躁鬱気質のパラドックス
三 ローエンド外国人――サイドドアからフロントドアへ
1 サイドドア型外国人労働者導入政策
2 サイドドアからフロントドアへ
四 ハイエンド外国人の虚実
1 ジョブ型「技人国」在留資格とメンバーシップ型正社員の矛盾
2 専門職はどこまで高度か
第6章 社員組合のパラドックス
一 企業別組合――労働組合だけど従業員代表
1 ジョブ型社会の労働組合と従業員代表
2 事業一家の覇者交替
3 戦後日本社会の設計図
4 労働争議の蔓延と絶滅
二 従業員代表制は転機になるか?
1 企業別組合から排除された人々
2 一九四九年改正の隠れた意図
3 企業別組合と従業員代表制の複雑な関係
参考書
『ジョブ型雇用社会とは何か』著者経歴
『ジョブ型雇用社会とは何か』の著者・濱口桂一郎の略歴について岩波書店サイトに次のように紹介されている。
著者略歴
濱口桂一郎(はまぐち けいいちろう)
1958年大阪府生まれ。1983年東京大学法学部卒業。同年労働省に入省。東京大学客員教授、政策研究大学院大学教授を経て、2017年4月より、労働政策研究・研修機構労働政策研究所長。
専門―労働法、社会政策
著作―『新しい労働社会――雇用システムの再構築へ』(岩波新書、2009年)、『日本の雇用終了――労働局あっせん事例から』(労働政策研究・研修機構、2012年)、『若者と労働――「入社」の仕組みから解きほぐす』(中公新書ラクレ、2013年)、『日本の雇用と中高年』(ちくま新書、2014年)、『働く女子の運命』(文春新書、2015年)、『働き方改革の世界史』(共著、ちくま新書、2020年)等多数。
なお、濱口桂一郎氏の経歴については労働政策研究・犬種機構サイトに詳細に記載されている。
濱口桂一郎・研究員プロフィール(労働政策研究・犬種機構サイト)
『ジョブ型雇用社会とは何か』ブログ記事
著者・濱口桂一郎氏の個人的なブログ「hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)」で『ジョブ型雇用社会とは何か―正社員体制の矛盾と転機』
「『ジョブ型雇用社会とは何か』予告」
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/07/post-2a250e.html
「今から予想される批判の諸類型」
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-9a95b2.html
「『ジョブ型雇用社会とは何か』書影」
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-984419.html
「『ジョブ型雇用社会とは何か』」
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-17822a.html
「『ジョブ型雇用社会とは何か』は来週刊行されます」
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/09/post-4bc111.html