五人のわたし
仕事場の塾へ行けばフジ先生
物語を書くならフジミドリ
私生活はフジくん
三人のわたしがいるのだ
この三人を背後から
観護るわたしは名がない
三人の役割を演じる間は
何もかも吹っ切ってしまう
成り切る気概が大切だ
役割を終えた眠る前と
目覚めて生存を確認する刹那
誰でもないわたしへ戻る
けれどもしかし
そんな四人を
じっと見つめる存在が──
☆☆☆
こんにちは!
フジミドリです♡
【癒や詩絵物語】シーズン2
私は道術家です。日々の暮らしから、気づきと理解を得て自由自在になってきました。
詩と物語が浮かびます。旧知の朔川揺さんは柴犬の絵を描いてくれました。
ご覧になって、癒される方がお一人でもいらっしゃるなら嬉しいご縁です。
では早速──
☆☆☆
仕事で煩わしい案件や悩ましい雑事がありまして、家へ帰り気分を変えようと試みても、苛立ちはなかなか収まりません。
つい考えてしまうのです。
切り替えがうまくできないため、 自分の中で混じり合い、ぐるぐると渦を巻きます。
気分転換になればと始めた創作活動ですが、思うような作品は書けません。すると、初めの意気込みは萎んでしまいます。
それどころか、SNSの付き合いもあって、似たような悩みや迷いが尽きません。
そうした鬱屈を、今度は仕事場へ持ち込んでしまい逆効果。どうすればよいのでしょう。
ワクワクを選べ。苦悩は無視か削除。なんてアドバイス、なかなか実行できません。
そこで、役割ごとの自分を外へ出してみました。ゲームのキャラです。そしてプレイヤーとなって彼らを背後から操ります。
これはなかなか──
☆☆☆
「外へ出すってびっくりな発想ね」
『だって中にいると葛藤があるんだ』
「わかるわ。食べたいな~やめとけ~」
『自分を責めて後悔して。苦しいんだ』
「外にいるなら、消さなくていいのね」
『消そうとするから抵抗するんだよ』
「でも消せちゃった人もいるんでしょ?」
『ムリ。消えたフリで潜伏するもん』
「え~じゃあ、悟った人ってウソ?」
『そいつ騙されてんのさ。滑稽だぜ』
「けど、本出してサロンもやってるわ」
『商売成り立ってんだからいんじゃね』
「需要と供給のバランス。そんな時代か」
『外に頼るんじゃなく自分を外へ出すの』
「発想の転換だわ。コロンブスの卵ね」
『あ。スクランブルエッグが食べたいな』
☆☆☆
五人目のわたしは
異界にある
他界した後の
世界にいるのだ
死んだ後によいこらしょと
どこか他の場所へ
逝くわけではない
五人目のわたしは
いつもここにあるのだ
ここにはすべて
揃っている
看取ったはずの懐かしい魂がいる
いつでもどこでも逢えるのだ
いや
いつも今
どこでもここ
わたしは今ここにある
☆☆☆
お読み頂きありがとうございます!