法律と法則と
公園の散歩である
爽やかな秋晴れ
紅葉ハラハラ
隣を歩く孫──
孫と一緒に歩くわたし?
夢にしては明晰すぎる
孫どころか子もないわたし
ボケ始めた孤老の妄想なのか
そもそも人生すべて
夢でも見ているようだ──
☆☆☆
こんにちは!
フジミドリです♡
【癒や詩絵物語】シーズン2
私は道術家です。日々の暮らしから、気づきと理解を得て自由自在になってきました。
詩と物語が浮かびます。旧知の朔川揺さんは柴犬の絵を描いてくれました。
ご覧になって、癒される方がお一人でもいらっしゃるなら嬉しいご縁です。
では早速──
☆☆☆
「おじいちゃん」
『なんだね』
「いいの?あれって」
『ああ、自転車か』
公園を出てからの帰り道。ゆるゆると歩道を進むわたしたちの横を、中年らしき女性の操る自転車が勢いよく走り抜いていった。
ひやりとする。
「だってあのカンバンさ」
『書いてあるな』
「おりるんだよね」
『たーしかに確かに』
孫の指さす先に高さ2mほどのポールが立っている。据えられた看板は、危険だから自転車を降りて押すよう日本語で警告していた。
「なんでまもらないの?」
『うーん。なんでかなぁ』
「いけないことだよね」
『うむ。いけないことだ』
わたしは迷う。教育を受け始めたばかり歳。規則を守るように躾られているはずだ。何をどう伝えればいいだろう。
「つかまらないの?」
『警察かぁ』
「あっちはさ」
『うむ。確かに』
白いセダンが止まっていた。その後ろに赤色灯が点滅するパトカー。おそらく信号無視で咎められたのだろう。
「自転車はにげてクルマはつかまって」
『…………たーしかに確かに』
「よのなか、りふじんだね」
『( ̄▽ ̄)』
一瞬、全身が硬直する。それから、頭の中で言葉が渦巻いた。心は思いに乱れている。
『どこで覚えた、そんな言葉』
「うーん……わかんない」
『あはは~確かに理不尽だ!』
この子は何を考えているのだろう。わたしがどう諭すかで、これからの人生に少なからず影響があるかもしれない。
『わしはやらんよ。ああいうの』
「うん。ボクもだね。やらないな」
『ならばこれでいいのだろうよ』
「そっか。これでいいんだね」
☆☆☆
人生は全て決まっている
変えることができない
歩道を自転車で走る人
恐怖から憎悪する人
交通違反で捕まる不運
法律遵守で恨まれる職務
決まっていて変えられない
だからこのままでよい
霊魂が前世で理解した通り
映し出されているのだ
人が作った法律は不完全
人が運用するから不公平
宇宙の法則は完全完璧
そして絶対だから
この世に顕われた現象を眺めつつ
どう感じて理解に繋げていくか
理解の深さだけが
次の人生を創っていく
☆☆☆
お読み頂きありがとうございます!