生まれた意味を求めて
オギャーと息を吐いて始まり
静かに息を吸って終わる
生まれて生きて
死んで逝く
始めは吐き
終わりで吸う
息を引き取ると言い表す
吐くと吸うとの狭間で
生まれた意味を
悟れるか──
☆☆☆
こんにちは!
フジミドリです♡
新シリーズは【癒や詩絵物語】
道術家の私が、見聞した現象から感じたままを千字ほどの詩と物語へ編み、朔川揺さんの柴絵に添えました。
創作の背景など、別サイトで揺さんとお喋りしつつ公開しております。
おつき合い頂けましたら嬉しいご縁です。
では早速──
☆☆☆
西暦2020年代の太陽系第三惑星である。
文明は一見進歩したようでありつつ、奇妙なことに人生の意味、つまりどうして生まれたのかという目的が見失われていた。
地球人の大半は人生の意味を知らないのだ。親が知らなければ子は道に迷う。迷った子がいずれ親になり、そしてまた──
病気と老齢を厭い、若さと健康ばかり追い求め、迫り来る死の不安に怯えていた。
企業はひたすら競争。果てない闘争。国同士も損得で取引。民の利など考えなかった。
豊かな暮らし、才能が活かせる自己実現を、という誘惑でSNSは賑わう。失敗者があっての成功だから、大多数は夢破れ負けるのに。
負けたと思えば幻想世界へ逃げ込む。
刹那の娯楽に身を委ね、人生の意味など探ることなく、いずれ朦朧と混濁して──
☆☆☆
『人生は映画だね。始まったら終わりまで止まらないのさ。いつか必ず死んじまう。けど終わりまで決まってるんだよ』
『人生が変えられると思えば、何とかしようと悩んで苦しむ。決まってると悟れば、ハラハラしながら観てるだけさ』
『ん。待てよ。そっか。同じ映画だって監督や俳優と観客じゃ、見え方は違ってくるな』
『魂が前世の理解で作った映画──』
『どうしてこんな映画にしたんだろうとか、次はあんな映画がいいとか、あれこれ考えられる。そこに生まれた意味があるのさ』
☆☆☆
わたしが生まれた時
父と母は喜んでくれた
古びた白黒写真の中で
泣き声を上げている赤ん坊
父と母は満面の笑顔
こんなに喜んでくれたんだ……
そして時が流れ
父と母を見送る息子は
こみあげる別れの涙を呑む
父と母が眠るように
静かな笑顔で
旅立った
きっと
心地よい世界が
待っているだろう
☆☆☆
お読み頂きありがとうございます!
次も是非いらして下さい☆
ではまた💚
ありがとうございます🎊