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#123 選ばれる発注者になるために

僕は発注者という立場で設計業務や工事発注をしています。その中で最近切に感じていることがあります。

発注者は選ばれているということです。


発注者は、工事や業務の受注者を、技術力と価格の両面から公平に評価・選定しています。形の上では、発注者は受注者を選んでいます。

しかし、業界を取り巻く環境は大きく変化しており、この「選ぶ側」という認識自体を見直す必要があると考えています。


なぜなら、建設業界は現在、深刻な人手不足と物価高に直面する一方で、需要は著しく増加しているからです。災害復旧工事など突発的な需要に加え、慢性的なインフラ施設の老朽化に伴う更新工事も今後さらに増える一方です。

この需要過多の状況下では、むしろ発注者が「選ばれる側」へと立場が逆転していることを認識する必要があります。入札に参加してもらえることすら貴重な状況となっており、継続的な業務委託を受けてもらえることは更に有難いことです。

このような状況に対応するため、発注者として以下のような取り組みが重要だと考えています。

  • 現場条件を正確に反映した設計図書の作成

  • 柔軟な変更対応

  • 評価基準の適切な見直し

  • 受注しやすい環境づくり

  • 形式上の書類の廃止

従来の「発注者優位」という考え方から脱却し、「選ばれる発注者」となるための努力を怠れば、事業の円滑な遂行に支障をきたす可能性があります。時代の変化に応じた意識改革と実務改善が、今まさに求められているのです。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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