
#80 効率偏重で、重要だけど緊急でないことを疎かにしていませんか?
皆さんお疲れ様です。
今日は「効率偏重で『重要だけど緊急でないもの』を疎かにしてはいけないよ」というテーマでお届けします。
効率偏重で仕事が薄っぺらく感じる
昨今の働き方改革や長時間労働の是正の流れで、短い時間で効率よく成果を出すことが重要視されています。
この流れに対して、結構賛否がありますよね。
僕は、どちらかといえば働き方改革には賛成の方ですが、これに異を唱えている人の意見もわからなくもないかなと思っています。
最近感じているのは、如何に早く右から左に流すかを求められて、仕事そのものが薄っぺらくなってきていること。これに危機感を覚えています。
重要だけど緊急でないものに時間が回せない
よく、仕事の優先順位を考える時に、仕事を緊急性と重要性の2軸で4象限に分けて考えますよね。
業務改善では、まず初めに「緊急でも重要でもないもの」がいなくなります。
次にいなくなるべきは、一般的には「重要でなく緊急なもの」とされています。
そして、緊急性はともかく、重要なものが残るわけです。要は、重要なものには時間を割きなさいということですね。
しかしながら、緊急性の高いものに時間を取られ、いつの間にか「重要だけど緊急でないもの」が後回しになってしまっている。これが僕と僕の周りの人を見たときの現実です。
特に、目先に目立った成果が発生しないので、やらなくても今は困らない。ゆえに、削られがちです。時間が無いからやらないと理由を作れてしまう。
うわべの仕事で成長を感じられない
「重要だけど緊急でないもの」として、よく自己成長につながる勉強などが挙げられます。僕がいる土木建設業界で言えば、基準書や指針を読み込んだり、論文を読んだり書いたり、長期的にみてプラスになることです。謂わば自己投資。これが緊急なものに時間のパイを奪われれば、自己投資が減り、個々の成長が止まります。
土木建設業界では、技術者不足や技術継承が長らく問題に挙げられています。正直なところ、技術習得にかけられる時間が減らされてしまったから、当然にも思います。
今のままでは先輩技術者に追いつけない
自分の組織を見渡すと、管理職世代、めちゃくちゃ技術論詳しいです。今の20〜30代が今のまま年を重ねて管理職世代になったとき、今の管理職世代ほどの技術者にはなれないでしょう。
今の管理職世代は、若い頃からたくさんの時間を技術習得に費やしてきて、今があるのです。差がつくのは当然です。
間違いに気づけない恐怖
これが、自分だけが困るならまだ良いのですが、事態はもっと深刻。
僕らのような行政期間は、設計計算をコンサルタントに委託することがほとんどです。当然、コンサルタントですから、各種基準に精通していて適切な解答をしてくれる方がほとんどです。
ですが、中には間違った理解のまま仕事を進めてしまう方もおられるのです。
僕は斜面の安定計算なら社内でもかなり詳しい方です。幸運にも、この技術を習得できる環境に数年間身を置くことができました。なので、この分野であれば、大抵の間違いには気づけます。
過去数回、間違った値の使い方や解析の考え方をしている人に出会いました。これも、自分が詳しい分野だから気づけたのであって、そうでなければ気づけません。
そして、間違いに気づかぬまま報告書を受け取って、工事発注して、構造物を作ってしまうことだってあるのです。
時間をかけただけ差がつく
「重要だけど緊急でないもの」に、以前よりも時間をかけにくくなりました。その分、そこに時間を割くことができれば、周りとの差をつけることができるところでもあります。一方、何もしなければどんどん差をつけられることにもなります。
少しでも時間を確保できるよう、時間の使い方を工夫していきましょう。できることは2つあると考えています。
時間をブロックする
「重要だけど緊急でないもの」に充てる時間を先に決めてしまうこと。残りの時間で、緊急を要するものに取り組みます。パーキンソンの法則にあるように、時間はあればあるほど目の前の仕事に費やしてしまうもの。大事なものに費やす時間を先に確保しましょう。
短時間でも習慣化する
必ずしも、がっつり時間をかける必要はありません。毎日5分でもいいので、時間を作って継続しましょう。僕は学会誌が届いたら、最初の論文のはじめにと終わりにだけは読むようにします。成長のためのツールはそこら中にあふれています。
未来の自分のために時間を使おう
効率偏重で、早く成果を出すことが求められていますが、「重要だけど緊急でないもの」はそもそも目先に成果が出るものではありません。小さな積み重ねによって、数年後の未来に結果が出るもの。
時間が無いからと蔑ろにしてしまえば、未来の自分が困ります。
だからこそ、効率!効率!と目先の成果だけを追うのではなく、将来を見据えた自己投資は確実に進めていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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