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2017年7月の記事一覧
西荻窪の森【掌編小説】
そもそもの始まりは幼稚園児の持っていたどんぐりだった。
どこかの遠足で持ち帰ってきた木の実が、小さな手のひらからこぼれ、街中の公園にぽとりと落ちた。
百年経って森が出来た。
東京23区の西の端の杉並区のそのまた端に大きなケヤキの森。
それは公園の範囲を超えて、住宅地を飲み込んでいった。
恐るべきスピード。毎日毎日、新しい木が地面から生えてくる。
アスファルトを破ったり、家を持ち上げたり
そもそもの始まりは幼稚園児の持っていたどんぐりだった。
どこかの遠足で持ち帰ってきた木の実が、小さな手のひらからこぼれ、街中の公園にぽとりと落ちた。
百年経って森が出来た。
東京23区の西の端の杉並区のそのまた端に大きなケヤキの森。
それは公園の範囲を超えて、住宅地を飲み込んでいった。
恐るべきスピード。毎日毎日、新しい木が地面から生えてくる。
アスファルトを破ったり、家を持ち上げたり