![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50144781/rectangle_large_type_2_f83ef6c3d291cb24a64e7346aca83466.png?width=1200)
やる気が先か、パフォーマンスが先か
こんにちは、Gallup社認定ストレングスコーチであり、英会話講師でもあるさちこです。突然ですが、質問です。
みなさんは、
「やる気があるからパフォーマンスが上がる」と思いますか?
それとも、
「パフォーマンスが上がるからやる気が出る」と思いますか?
先日、ストレングスコーチ仲間との交流会で、ふとした雑談の中で出てきた話題で、その後も私の頭の中でずっと残っている問いでした。
ストレングスコーチとして、個人や企業に勤める会社員の方の課題やゴールにともに取り組み、また小中学生の英会話講師として、日々彼らの英語力向上に関わっています。そして、2児の母として、日々の子育てでも直面するこの問い。
どんな場面であっても、よくにじみ出てくる疑問。
「なんで、私・僕、これをやってるんだろう、
そんなに好きでもないのに」
「どうせ、頑張ったって、
結果変わらないんだし、意味ある?
こんな場面に直面した時、さて、パフォーマンスから入るのがいいのか、やる気の方から入ればいいのか。
コーチとして、親として、英会話講師として、それぞれの立場や視点から、思うことは様々です。今日はこの混ざり合った想いを、少し言語化して整理しておきたいと思います。
ストレングスコーチとして
ストレングスコーチとして、この問いを考えた場合、「資質」「強み」を起点に捉えるようにしています。
【資質と強みとは】
「自分の無意識の思考・行動のパターン」のことを、上位資質と呼びます。この資質が、ポジティブな結果を生み出しているとき、私たちは、強みと呼んでいます。
「資質=強み」ではなく「資質➡強み」です。
この理論とわたし自身の経験から言うと、
① 上位資質を通して、自分のことを客観的に理解・認識。「この資質、こんな形で強みで使えていたのか、自分。やるね!」と受け止める
② 強みを活かせるスキルや環境など、鍛えあげる練習の場を取りに行く
③ 高確率で結果・パフォーマンスを出すことができる(=強み度アップ)
④ ①~③の繰り返しを経験することで、自信につながり、やる気が出る(=強みとしての使い方を習得する)
⑤ 「これが自分の勝ちパターン」と確信することができ、やる気を持って取り組むので、結果・パフォーマンスを継続して出すことができる(=強みとして常に使うことができる)
となります。と、考えると、この問いの答えは、
「パフォーマンスが上がるから、やる気がでる。
そして、やる気が出るから、パフォーマンスが継続できる」
このサイクルに入るためにも、
まずはパフォーマンスを上げるための対策
(=上位資質を理解・認識し、受け止め、
活かすためのアクションを講じる)をすることが非常に重要。
というようになるのかなと思います。
実際、上記②のステップは、半信半疑でやることも多く、一人で②のステップに移るのは、なかなか難しいところもあると思います(どんなスキル・環境が必要なのかわかっていたら、そもそも困っていません)そのためにも、ストレングスコーチや上司・メンターなど、伴走できる第3者の存在が重要ですし、それを実践できる安全な場も不可欠です。
ですが、1つ言い切れることは、強みに基づいて②をする場合、必ず③につなげることができます。時間や労力は人それそれですが、必ず、です。
親として
親としては、ストレングスコーチの時とは少し違う気がします。私情が大きく関与してくるからかもしれません。
私個人の見解ですが、子どもが何かに取り組むときの、大きな要素は「~したい」というところが大きく、これがある場合はパフォーマンスにつながる努力をすることができると思いますが、ない場合は、つなげていく先がないので、「その子の可能性をある程度予測して、本人が興味を持ったり、結果が出ると推測されるもの」を、押し付けるのではなく、提示してあげることが大切になってくるのかなと思っています。
(私の目から見えていないだけで、普段のその子の行動の中にすでに、興味が表れていることがある。そちらにも目を向けて、育むことも大切なのだということも理解しています。が、時に本人の興味というより、外からの刺激によるものであることも多く、そのあたりの判断は難しいところです)
とはいえ、提示するといってもそんなに多くの選択肢を親だといっても持っているわけでもなく、自信の経験や、兄弟・友人の影響くらいになってしまいます。ポテンシャルもあって、ある程度のパフォーマンスは出すものの、本人の「やって楽しい!うまくなりたい」という気がない以上、やる気にはつながりにくく、結果、ある程度のパフォーマンスは頭打ちになってしまう。(=やればできる子。その「やる」が出てこない状態)
なので、親としてこの問いを考えた時、
「パフォーマンスが出ると、やる気もそこそこでるが、
そのやる気が本人の導火線に火をつけない限りは、
パフォーマンスは思うように上がらず、やる気は右肩下がりに。
やっぱり、やる気があることの方が、
継続的に見た時のパフォーマンスとしては、
上がるのかもしれない。」
本人のやる気の導火線に火をつける方法は、
やっぱり親としては、感情的になってしまうので、難しい。
でした。親ができることは、思った以上に限られている気がしました。
英会話講師として
英会話学校に通う子供たちは、基本的に興味があるので来ているのですが、学校や他の習い事など、忙しい中通っていることもあり、すでに疲れていたり、集中力が続かなかったりが続き、結果的にやる気もパフォーマンスも下がっていくということも少なくありません。
そんな中、講師として、心がけていること。
英語力を身に着けるのはもちろんですが、その時に感じたその子の成長や良かったポイントをタイムリーに伝え続けることにフォーカスしています。
例えば、
「前回の単語テストよりも、わかる単語が増えてきているよ」
「みんなが躊躇する中、トップバッターで発表できたことはすごいこと」
「そのポイントに気を付けてリスニングできているのは、大事だね」
などです。言い換えると、「頑張りを見ているよ」というのを言葉で伝えることを大切にしています。
その子の何気ない「頑張り」が「認めらえた」という感覚が、「もっとできるようになりたい」という気持ちにつながり、次第にレッスンに積極的に参加するようになったり、読めなかった単語が読めるようになったり、リスニング力が確実についてきて、結果としてテストの点数もじわじわと上がってくることが多い気がしています。
というわけで、講師としてこの問いを考えた時には、
「やる気がある場合は、そのやる気を育てて、
パフォーマンスにつなげる関わり方をする。
やる気があまりない場合は、
本人も何気ないパフォーマンス(=頑張り)の芽を
タイムリーに伝えることで、その子のやる気につなげ、
パフォーマンスが上がるまで、信じて伝え続け、受け止め続ける。
そして、レッスン全体を通して、
彼らからパフォーマンスを引き出すことに注力する」
「ただ、どのタイミングでやる気につながって
パフォーマンスにつながるのかは、その子次第なので、
1カ月後か数カ月後か、1年後かはわからない。
なので、講師としてできることは、
そのタイミングが来るまで支えていける場を作ること」
かなと感じています。
まとめ
3つの立場から、問いの答えを私なりに考えてみて見えたこと。それは、
短期的には、結果が出るという意味で
パフォーマンスが先かもしれないが、
それがやる気につながらない場合、継続しない。
やる気があっても、パフォーマンスが上がらなければ、
やる気もなくなり、もちろんパフォーマンスも上がらない。
継続性を加味したとき、
「サポーター」「安全な実践の場」「フィードバック」が重要になり、
パフォーマンス・やる気どちらにフォーカスするかは、
それぞれの状況やニーズによって変化する。
その状況やニーズについては、
「パフォーマンスを上げていこう」という時、
「何のために上げていきたい?」、
「それは短期的or長期的」、
「パフォーマンスが上がったら、自分や周りはどんな状態になっている?」など、引き出していくことで、パフォーマンスとやる気、
どちらにフォーカスすべきかが見えてくるのかな。
そして、
「やる気出せよ」という言葉ほど、やる気が出ないということを、
しっかり自覚しておくことが大切。
(そんな言葉で出るやる気は、すでに出ているはずである)
ですね。あまり、明確な答えは出ませんでしたが、それ以外に重要な要素を言語化できたことはよかったかなと思います。少し、これを意識して、コーチとして、親として、英会話講師として、取り組んでいってみようかなと思います。
読んでいただいた方の、少しでも参考になれば幸いです。