夜のだれかの岸辺
木村紅子さんの 夜のだれかの岸辺
わたしは単行本ではなく
群像に掲載されたものを読んだ
タイトルからの連想で
なんとなく優しい物語を予想していた
夜一人で漂う孤独な心が
たどり着く岸辺 ~ 的な
文の感じは好きだ
わたしの好きな感じの文章で
描写も愉しんで読めたけれど
何故だか好きになれない
まず、大きな物語の流れが二つあり
どちらか一つにして
短編二つ書いてくれたほうが、
と思ったのと
やはり
主人公が嫌いなのだ
自分勝手で傲慢な考え方感じ方
お金をもらって
楽なバイトしているのに
ペット扱い、とか
イヤならやめてきちんと働けばいい
傷ついた記憶の詰まった古都?
もしかしたら自分が
誰かを傷つけたかもしれないのに?
「こごえる水の話は、
体の奥深くに沁み込んだまま」
なのに沿岸の海の幸を楽しむことはできて
最後の文章も蛇足?と思えた
いつか、他にはいってみたい街はいくらでもあって、
べつに、気にならない。
気にならないなら、話す(書く)なよ、
と、思ってしまった。