『ちいさなメリーゴーランド』
休日の朝、
息子が持ってきた絵本を読んでいると、
宿題をしているはずの娘も自然とやってくる。
1945年頃のニューヨークのサリバン・ストリートにやってきた
メリーゴーランドのお話。
読み終えると、背表紙の裏に写真があった。
なぜか二人。
息子が「この人は誰?」と聞く。
「この本を書いた人と、それを日本語に訳してくれた人だよ。
英語のままだと読めないでしょ。
それを日本語にしてくれる人がいるんだよ。
翻訳者っていうお仕事があるんだよ。」
すると今度は娘が
「じゃあ、日本語を変える人もいるの?」と聞く。
「そうだよ。日本の本も世界で読みたい人がいるからね。」
それにしても、本を書いた人の写真はよくあるけれど
訳者さんと写った写真を載せているものは
初めて見たかもしれない。
二人で写真を撮った経緯は書かれていないけれど、
子どもたちは意外と本の隅々まで見ていて、
おはなしが終わっても、こうして繋がっていく物語があるんだなと感じた。
子どもたちが去った後、一人でまた最後のページに戻る。
この絵本は作者マーシャ・ブラウンのデビュー作だったそう。
日本語版を出版するにあたり、解説文を寄せていて、
訳者のこみやさんもかかれているとおり、
このデビュー作の解説が最後のお仕事になったとのこと。
もし自分だったら、デビュー作が何十年経った先に
異国の地で翻訳されることになり、もう一度その当時の事に思いを馳せ
その解説を書くことができたというのは自分へのプレゼントのような
なかなか素敵なことだなぁと思う。
『ちいさなメリーゴーランド』
マーシャ・ブラウン 作 こみやゆう 訳 瑞雲社
実は今回この絵本を図書館で借りてみたのは
前回読んだ『コレットとわがまま王女』がとても面白くて
(こちらは図書館で借りた後で購入した)
その訳者さんが今回と同じ「こみやゆうさん」だったこと。
作者のルイス・スロボドキンの他の作品も続々と
借りて読んでいるところだけれど、
ひょっとして、訳者さんが自分が訳したい絵本を選ぶこともあるとしたら
こみやゆうさんが訳した本はどれも面白いのかもしれないな、
と思ったから。
面白いお話だから訳す。
訳し方が素晴らしいから面白い。
という、好循環が生まれるのかもしれないなぁと。
今回の作者のマーシャ・ブラウン、プロフィールを読んでまたびっくり。
誰しも小さい頃一度は読んだことがあるだろう
「三びきのやぎのがらがらどん」の作者でもあった。
子どもの絵本にこんなに発見があるとは驚き!
大人になってからもいろんな角度から楽しめ、
絵本の旅をしているような面白い感覚です。
翻訳者さんに初めに興味を持ったのは下の記事を読んでから。
がまくんかえるくんシリーズが好きな方なら読んでもらいたいくらい
素敵なインタビューでした♪ ↓