「秋は夕暮れ」イマソラ俳句より秋の三句☆初心者の視点②
たとえば月を見て、
昔の人もこうして夜空に浮かぶ月を眺めていたんだろうなぁ
と思うことはあっても、
夕暮れの雲を見て、昔の人もこうして・・・
なんて思ったことはなかった。
だけど今は
秋の夕暮れ時の雲の美しさにとても感動している。
もう何色と表現して良いのか分からないくらいのグラデーション。
すごく感動しているのに、この美しさ、
なかなか言葉で表すのは難しいなぁ
まして俳句でどう表現してよいものか・・・
と思っていたのだけれど、
清少納言も枕草子で「秋は夕暮れ」といっていたのを思い出し、
なるほど、つまりそれが季語、
「秋の空」「秋の夕焼け」「秋の雲」・・・
ということなんだな、と腑に落ちた。
俳句を始める時に思った素朴な疑問。
まず初心者の第一歩は「季語」の力に気がつくことなのかなと。
「秋」と言ってもそれはカレンダーの月日を指しているのではなく、
「秋」という情景を表しているということ。
その季語にそれぞれの人が思い浮かべる美しい景色や、
それに付随する心情にまで想像を膨らませていくことが出来る。
そしてやっと、昔の人も夕暮れの空を見て、
美しさ、あるいは、淋しさを感じていたんだなぁと改めて気づく。
雲の向こう側から夕陽に照らされると、
まるで雲が金色の糸で縁取られているような光景。
昼間の空から夕暮れの空へ溶けていくグラデーション。
すべてを真っ赤に照らす夕焼け。
また日中、どれだけ雲が厚くても、やはり秋の空は高く、
向こう側にある空の青さを映していることにも気がついた。
雲の厚みの違いによる色合いの変化がここにも生まれる。
ずーっと遥か昔から続いてきただろう景色。
どれだけ辺りが騒がしくなっても、空は変わらない。
□
朝活ツイート#イマソラ 俳句より秋の三句です♪
「秋の田やカーラジオからビートルズ」
(あきのたやカーラジオからビートルズ) 季語:秋の田
田舎道。通り過ぎる景色の中で、稲刈りが終わり土を耕した田んぼで、トラクターに乗ったままおじさんが休憩しているのが見えた。
目をつぶっているようにも見えたから、うたた寝をしていたのかもしれない。
カーラジオからは「Let It Be」が流れていた。
(追記)推敲句
「秋の田やカーラジオから Let It Be」
*
「電球の切れた看板月の暈」
(でんきゅうのきれたかんばんつきのかさ) 季語:月の暈
全く意味のないことだけれど、つい続きを考えてしまう、一文字だけ消えている看板。どの文字を当てはめてみてもしっくりこないカタカナの名前。
やっぱり答えのないパズルは面白くなくて、でも諦めるまでもなく、すぐに車窓から消えていく。
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「カラカラと色葉舞い立つ大通り」
(カラカラといろはまいたつおおどおり) 季語:色葉
前を走る車と一緒にカラカラと小気味良い音を立てて、目の前を落ち葉が色鮮やかに舞い立つ美しさ。目にも耳にも美しいとはこのことかと。
たった数十秒の景色を俳句にして日記のように残せば、いつでも蘇る景色がある。
ありがとうございました♪
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