あの夏を思い出す今日の夕暮れ【曲からチャレンジ】~若者のすべて~(4)
君はきっと今も綺麗なんだろうな
こんなに暑いのに
ここに君はいない
最初から僕の片思いだった。
終わりゆく夏を惜しむかのように毎年夏の最後に開催される花火大会。
その花火大会に一緒に行けたのは今思い出しても奇跡だったと思う。
なんであの時、一緒に行ってくれたんだろう。
別に軽いタイプでもなかったのに。
キラキラと、今にもメロディが流れてきそうな君の瞳。
瞳の奥にはオルゴールでも入っているんじゃないかと思うほど。
そんなわけないけど、でも僕はあっけないほど簡単に恋に落ちた。
「なんでそんなに綺麗な目をしてるの?その目で見つめるの、ずるいよ・・・」
そう言った僕に
君は少し驚いたように瞳を大きくしたかと思うと、
悪戯っぽく笑った。
あの時、君の瞳が輝いて見えたのは
花火のきらめきが映りこんでいたのか、
僕の恋心が映りこんでいたのか。
それともまだ君が想う誰かへの恋心か・・・。
どちらにしても
今も誰かの恋心が君の瞳に映りこんで
キラキラと輝いているんだろうな。
何年経っても忘れられないのは、
あの日の花火なのか、君の綺麗な瞳なのかどちらだろう。
こんなに暑い日は
もし君にまた会えたらって考えてしまう。
今年は花火があるのか、ないのか、なんて関係ない。
同じ空を見ているだろうか。
運命任せにするのはそろそろやめにしようか。
まだ夏は終わっていないのだから。
◇
この曲を知ったのは、Bank Bandで桜井さんが歌っていたから。
曲にまつわる何の思い出もないのに、
あたかもとても大切な、忘れられない思い出があるかのような曲が
いくつかあります。
決して多くはないけれど、
この『若者のすべて』はその一つになりました。
こちらは本家、フジファブリック『若者のすべて』
なんて真っすぐに届いてくる声。
なんて真っすぐに届いてくる歌。
志村さん(Vo/G)の歌声はもう聴けないことも同時に知った。
それでも、
こうして今も誰かが見つけるたびに、
その聴く人の心に響く音楽。
************************☆彡
ピリカさんの「曲からチャレンジ」参加しています♪