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[星4]『コヴェナント/約束の救出』は男の熱い友情だ【感想記事】#9

どうもこんにちわ。今日はU-NEXTで配信されている映画「コヴェナント/約束の救出」の感想を書きたいと思う。
ネタバレ注意なので、これから見ようと考えている人は注意いただきたい。
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あらすじ

https://www.grtc-movie.jp/より引用

2018年、アフガニスタン。タリバンの武器や爆弾の隠し場所を探す部隊を率いる米軍のジョン・キンリー曹長は、アフガン人通訳として非常に優秀だが簡単には人の指図を受けないアーメッドを雇う。通訳には報酬としてアメリカへの移住ビザが約束されていた。部隊は爆発物製工場を突き止めるが、タリバンの司令官に大量の兵を送り込まれ、キンリーとアーメッド以外は全員殺される。キンリーも腕と足に銃弾を受け瀕死の状態となるが、身を潜めていたアーメッドに救出される。アーメッドはキンリーを運びながら、ひたすら山の中を100キロ進み続け、遂に米軍の偵察隊に遭遇する。7週間後、回復したキンリーは妻子の待つアメリカへ帰るが、アーメッドと家族の渡米が叶わないばかりか、タリバンに狙われ行方不明だと知って愕然とする。アーメッドを助けると決意したキンリーは、自力でアフガニスタンへ戻る——。

https://www.grtc-movie.jp/#storyより引用

ということで、タリバンとアメリカ軍が睨みを利かせているアフガニスタンの地で、米国軍人とアフガン人通訳がタリバンから逃走するお話です。

戦火交わるアフガニスタンの地

舞台となるのは2018年の米国軍が在留するアフガニスタンである。読者の皆様もご存じのとおり、2021年に米国軍がアフガニスタンから撤退したことにより、タリバンが実効支配している。
2018年のアフガニスタンでは、治安維持活動を務める米国軍と破壊活動を行うタリバンがやりあっていた時代であった。そんな緊張感ある危険な舞台を題材としている。

通訳の役割

アフガニスタンでは英語でコミュニケーションをとることが難しいため、現地民とのコンタクトは現地で雇われた通訳が行う。

https://www.grtc-movie.jp/より引用

本作でも、アフガン人通訳としてアーメッドが雇われることとなった。通訳はアメリカに味方していることでタリバンに命を狙われるが、通訳には報酬としてアメリカへの移住ビザが約束されている。

監督:ガイ・リッチー

本作の監督は私の好きなガイ・リッチー監督である。この作品のほかには、「シャーロックホームズ」「コードネームU.N.C.L.E」「アラジン」「ジェントルメン」など数々の作品を手掛けている。アクション・エンターテインメントを得意とし、私は彼の作品のガンアクションがかなり好きだ。

映画だからと油断するなかれ

部隊全滅

そんなこといっても映画だから限度があるだろうと思われるかもしれないが、油断してはいけない。主人公のジョン・キンリーは、部隊を率いてタリバンの爆弾工場を探しに行くことになる。工場を発見することはできたものの、ジョンとアーメッド以外の舞台のメンバーは、全員殺されてしまう
ぽっとでのキャラクターではなく、中盤まで主人公たちと行動していたのにである。私には当時のタリバンがどんなものだかわからないのだが、これがリアルに起きていたのなら、相当な極限状態であっただろう。

全力逃走

https://www.grtc-movie.jp/より引用

もはや形勢不利となった、ジョンとアーメッドは、その場から逃げることを選択する(当然だ)。しかし、タリバンの爆弾工場から米軍基地までは途方もない距離で、後方からは多数のタリバン兵が追ってくる始末。二人は全力で追手から逃げることになる。
そんな中、ジョンがタリバンの襲撃により、昏睡状態に陥ってしまう。アーメッドは襲撃を退けたものの、手負いのジョンを連れて米軍基地を目指すこととなる。

約束の救出

ジョンが目が覚めるとそこは米国であった。タリバンから逃げ切ったことを知るジョンであったが、アーメッドはいまだにアフガニスタンでタリバンから命を狙われているという。今すぐビザを発行してアーメッドを救わなければ、彼とその家族は殺されてしまう。
ジョンは彼らの救出のために、再びアフガニスタンの地に戻ることを決意する。

男の友情

アーメッドという男

アーメッドは非常に気難しい男である。口下手で他人から誤解されやすい性格で、ジョンの舞台に紹介されるときも、優秀だがなんのある男といわれている。しかし、能力は優れたものがあり、現地民との交渉や待ち伏せの察知などチームへ貢献していた。
そんなアーメッドが、タリバンから追われていて今すぐにでも殺されそうな状況で、ジョンを見捨てないというのが熱い。特に昏睡状態になった後でも、手押し車を使ってまで逃げるのだ。

途中、アーメッドが一人涙を流すシーンがある。これまでアーメッドとは、口数は少ない優秀な男だと思ったが、その印象が一変した。アーメッドも普通の人間であった。決して、映画に出てくるような無敵のスーパーヒーローではないんだと訴えていたように思える。

ジョンという男

ジョンは無茶をしがちであるが、冷静な判断ができる男である。チームを率いるだけあり、判断力に優れ、時にはアーメッドの急な要望に応えることもあった。正直アーメッドとジョンの関係というのは、逃亡以前は良好であったとはいえない。しかし、アーメッドが命がけで自分を助けてくれたと知ると、彼をアフガニスタンから脱出させようとビザ獲得に励み自ら救出に行く。
ジョンにも家族はいるが、それを差し置いても義理に報いるというかっこいい男なのだ。

残酷な世界

あっけない幕切れ

幕切れはとてもあっけないものだ。それまで銃でドンパチしていたのに、急に上空から人感センサーを搭載した爆撃機がやってきて、タリバン兵を蹂躙するのである。映画としては、こんな終わりでいいのか。と思ったもののリアルの戦闘というのは、このようなものだと伝えたかったのだと思う。ああ無常である。

通訳の現状

最期の最期に驚きの真実が知らされる。米国軍のアフガン撤退後、アーメッドのように米軍の通訳として働いた人々が、在留ビザの約束を反故にされ、タリバンに報復として命を狙われているという。つまりジョンのいないアーメッドがたくさんいるのである。日本では全く報道されることのない衝撃の事実である。

まとめ

ということで、本日は「コヴェナント/約束の救出」の感想を書いた。ガイ・リッチー作品としてはアクションが少し物足りないように思えたが、ストーリーもよく、社会的なメーッセージ性も素晴らしかった。ぜひみてほしい。
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