一週間3000kmドライブ旅行記
片道1000キロ
2018年夏、当時大学四年生だった私は片道1000キロドライブをした。日本一周とかそんなスケールの大きなものではなかったが、それでも山あり谷ありだった。嘘、全てがめちゃんこ楽しかった。
大学生当時、私は部活をしていた。体育会空手道部だった。その年、夏休みの合宿がなんと鹿児島で行われることになった。大学生活も最後の年だし、ちょっと金かけてアホなことしてみたいな。そう思ったのがきっかけだった。私は鹿児島まで車で行くことにしたのだ。大学は茨城県の筑波大学だったが、合宿のタイミングが三重県の実家に帰省しているタイミングだったため、三重県から出発することにした。ナビの計算によると、片道1,000キロ。そんな距離走ったことなかった。楽しみが過ぎた。一応当初の予定では、一日500~600キロくらい走って2日に分けて鹿児島まで行く予定だった。この予定があっという間に崩れ去るなんて思いもよらなかった。
車は日産マーチK11型中期、1997年式で自分と同い年の車だ。下の写真は友達に撮ってもらった写真。うん、いい感じ
出発~一日目
オイルも交換し、洗車も済ませ、部活の荷物も車に詰め込んで出発だ。三重県の実家を、日が昇るかどうかの時間に出発した。その時の走行距離、146,614km
さっさと高速に乗ってしまい、ひたすら鹿児島へ向けてグイグイ走るマーチ。特に大きな渋滞もなくスムーズにどんどん進んでいく。大阪兵庫あたりを抜けてしまえばもう快適。片側二車線道路でもスイスイ通れる高速道路。長距離走るには良かったですね。
はっきり言って、一日目はなにもありませんでした。というのも、結局1-2時間に一度くらい休憩はとってたんですけど、なんだかんだ日が落ちても走ってたら熊本まで言っちゃいまして。本当は初日は山口辺りまで行けたら上等かなと思っていました。なのに旅程のほぼ全部を一日で終わらせてしまうという暴挙。楽しい~ってハンドル握っていたらいつの間にか目標の山口を越え、福岡も抜けてしまった。ついには鹿児島の隣県にまで到達してしまうという暴挙。嬉しい誤算。
ことわっておくと、かっ飛ばしてたわけでも他の車を煽り散らしてたわけでもないです。基本左車線を走り、100キロ(またはその場所の制限速度)でキープ、追い越すときだけ右車線に入るといういたって普通の運転でした。長距離運転するときは変にかっ飛ばすよりも、基本に忠実でそれをキープしている方が安全に早く確実に着けますからね。どうせかっ飛ばしてもその疲れを取るためにSAで休憩する分でプラマイゼロですから。
まあそんなこんなで一日目は熊本まで行きました。夕飯は個人経営のそば屋さんで、ざるそばとカツ丼を頬張りました。色々グルメがあったんですけど、なんと愚かなことか、そういう通りを過ぎてしまったのです。土地勘ゼロの土地で飯にありつくのは至難の業になることがわかりました。が、たまたま入ったそば屋さんは大当たりも大当たりでした。おめでとう。
あ、あと、熊本城にせっかくなら寄っていこうかと思ったんですけど、既に閉館時間過ぎてました。ドンマイ自分。
その後、大きな道の駅をみつけ、そのまま車中泊。一日目は終了です。
二日目、鹿児島入り
一日目で熊本まで来てしまったので、そこからは合宿先の鹿児島まで向かうだけです。車中泊先から合宿先までなんと150キロ。近すぎてビビりました。そんな近所まで来てたのかと。歩いても行けんじゃんこんな距離。そう、三重から熊本まで移動したせいで150キロの感覚がバグりました。
そのまま下道で鹿児島へ向かって走りました。山道を走ること一時間くらい。途中の山道でこんな看板も見つけました。レトロな雰囲気が最高に良い…。
そしてそのまま合宿先へ向かう途中、「曾木の滝」と書いてある看板をみつけました。どうやら観光名所のようです。そのときの時間、朝の7時半頃。時間も余裕あるしと思って行ってみました。すると…。
東洋のナイアガラってなんやねん。ナイアガラの滝を舐めくさっとんのとちゃうんか???と半分馬鹿にした気分で曾木の滝に向かいました。行く途中でハーレー集団とすれ違ったので、手を振りました。振り返してくれました。ありがとう。
内心ちょっと馬鹿にしつつも東洋のナイアガラこと、曾木の滝に到着しました。
一瞬でも馬鹿にした私が悪かったです。大迫力でした。私の写真技術ではこれが精いっぱいですが、確かに東洋のナイアガラと呼ぶにふさわしい滝だと思いますこれ。巨大な滝にでかい川、全てがビッグスケールでした。朝早かったおかげか観光客もそこまで多くなく、快適に楽しめました。曾木の滝神社があったり、お土産屋さんもあったりして、滝だけじゃない観光スポットでした。ここオススメです。
そして、曾木の滝に満足したので今度は曾木の滝温泉に向かうことにしました。曾木の滝温泉自体はのんびりとした空気が流れたゆったり銭湯だなって感じでした。特筆すべきは、曾木の滝から曾木の滝温泉に向かう道です。とりあえず以下の動画をご覧ください。
木々の間を抜けると一面に広がる青空と原っぱ。わざわざ二度通りました。あまりにも綺麗だったので。自動車を運転していると、横を向けないので絶景を楽しむことが難しいかと思います。しかし、この道は真正面に広がります。運転しながらでも楽しめる絶景スポットといったところです。
曾木の滝で観光し、温泉で汗を流したので合宿所の下見に行きました。翌日からの部活の合宿、一週間過ごす宿の確認をしたらまた暇になりました。時間は昼前。午後丸々どう潰そうか。とりあえず、弁当屋さんで弁当を買い、その辺のコインランドリーで洗濯しながら食べて考えました。そうだ、桜島行こう。合宿先から桜島まで大体一時間。余裕やん。長淵剛の桜島を流しながら桜島へ向かいました。
燃えて上がるは オハラハー さ!く!ら!じ!まああ~~~~!!
大迫力でした。少し漂う硫黄の匂い、至る所に積もっている火山灰。そうかこれが火山か。この日は天気も良かったため、とても綺麗に見えました。出航時間が自分の予定が合わず、この日は桜島フェリーには乗りませんでした。二枚目は帰り道のPAみたいなところで撮った、木々の間から見える桜島です。空も海も見渡せました。
桜島は麓から見るのも良かったけど、展望所まで登って見る方が大迫力でした。展望所には双眼鏡が置いてあり、町を一望することも出来ました。海も山も楽しめる楽しい場所でした。
さあ桜島も堪能して夕飯の場所を探しました。しかし、大きなミスをしていました。鹿児島市内を離れてしまっていたのです。どこを走っていたのかさっぱりわかりません。とにかく街灯もない畑と民家しかない道を走っていました。時間は大体19時。チェーン店ならまだまだ空いている時間だ。しかし、ド田舎はそう甘くはなかった。店がないし、あっても既に閉店時間だったりする。このままだと飢え死にする…。車を止めてはナビを合わせ、また走らせては閉店後のお店にたどり着き徒に過ぎていく時間。もうだめだ…。そう思った次の瞬間、救世主が現れた。イオンモールだ。21時まで営業しているイオンモールがあるそこそこ大通りを見つけることに成功したのだ。イオンモールへの入店時間、20:20頃。ラストオーダーが過ぎていないお店が一件だけあった。さっさと食べて帰るから許して!と思いながらラストオーダー直前のお店に入り、焼き魚の定食を食べなんとか閉店10分前に退店。九死に一生を得た気分だった。
そしてそのまま車中泊できそうな道の駅を探し就寝。次の日から合宿だ。
3~8日目、合宿
やってまいりました夏合宿当日。スタートは午後から。とりあえず朝一で営業している温泉を探して山道を奔走しました。が、やっぱりやってるかやってないのかわからなかったので、ググって探しました。一件良さそうなのヒット!さあ向かおう!行った先がこちら。
「ラムネ温泉 千寿の里」という温泉です。その辺の温泉を検索しても割と上位に出てくるし良い感じのところなんだろうなと思いながら向かいました。ナビの地図でこの辺を曲がったところか~と確認する。しかし、実際に待ち受けていた道は…。
Googleマップの写真を引用しますがこんな感じで、もっと細い道でした。車一台通るのがやっとの細い道でした。ええ、初見では通り過ぎました。しかもここ、もうちょっと先に進むとかなり急な上り坂でした。一速ベタ踏みみたいな登り方しました。1000㏄の非力ちゃんなもので。そんなこんながありつつも登っていった先は広々とした駐車場があって、奥に宿泊施設っぽいものと温泉がありました。この温泉に関する写真は撮っていませんでしたが、軍鶏がいました。あと、世話するオーナーのおっちゃんも。
温泉自体は屋内風呂と露天風呂の二種類。露天風呂はぬるいコーナーと熱いコーナーがありました。一つの浴槽の真ん中に仕切を置いてコーナー分けがされてありました。この仕切りも完全に両者を隔てているものではなく、多少混じるような仕組みでした。火山の天然温泉だったからでしょうか、熱いコーナーの露天風呂は人間の入る温度じゃねえ!みたいな熱さでした。ぬるいコーナーの熱いコーナー寄りが丁度いいお湯加減でした。おススメ温泉です。
と、午前中は温泉で過ごし、その日の午後から土曜日まで合宿をしました。筋☆肉☆痛でした。途中に中休みの日があったのでその日は一日中観光でした。行先は、桜島→池田湖→長崎鼻でした。桜島は既に行っているので割愛。雨が降ってしまってマーチがドロドロになってしまって悲しかったです。はい。そしてちゃんと桜島フェリー乗りました。
車もフェリー乗れます最高です。
そして、池田湖はこちら。
ボンネットは気にしないでください。当時の自分のセンスです。無加工スマホ撮影の写真です。綺麗な湖でした。なんかイッシーくんとかいう巨大生物がいるとかいないとか。お土産で売っていたカツオの生節が美味しかったです。お土産屋さん一押しの品物でした。削り節に使うあの鰹の塊が乾燥していない燻製(?)状態のやつです。プレーン、しょうゆ味、味噌味とありました。味噌味がおすすめです。
ここまで割とテキトーな説明でしたが、全ては長崎鼻のフリです。長崎鼻という名前ですが、鹿児島です。
山、湖と来て今度は海です。これもスマホ無加工です。めちゃくちゃ綺麗じゃないですか?しかもこの海、磯の先まで行けてしまうのです。通路っぽいものも用意されているのですが、基本岩々を抜けていく感じです。落ちたら結構波の強い海なので注意が必要です。でも、この岩の先端まで行くことができるんです。強い。
後輩に撮られました。磯も海もいい感じでしたよこれマジで。何の脈絡もない話をしますが、昼に食べたざぼんラーメン美味しかったです。鹿児島名物なのかな?
合宿終了、岡山へ
一週間に渡る夏合宿が終了し、帰路につきます。しかし、そのまますっ飛んで帰るようなことはしませんでした。高校の時の後輩が岡山にいたので、会いに行きました。そこで岡山の観光スポットを聞くと、なんと香川との返答。何を言っているんだこいつは…と思ったらなんと岡山から香川まで一時間とかそこらで行けてしまうみたいでビックリ。瀬戸大橋を渡って、香川までうどん食べに行きました。うどんだけ食べて帰ってきました。香川のうどん美味しかったです。旅行終わってうどん恋しくなって〇亀製麺に入っても物足りないレベルでした。
そしてその足で倉敷へ。デニムの街。景観の綺麗な街。いつもの癖でろくに写真を撮ってきていません。そのため写真はありません。デニム生地のセンスとか、デニム生地のリラックマのぬいぐるみとかありました。あとは般若心経グッズとかありました。ハイセンスなお土産が買える街でもあると思うので是非。
帰宅~その後
結局道の駅やSAなどで車中泊した回数は合計四泊。見事に車内で快適に眠れる人になってしまいました。本当に長距離ドライバーの素質あるかもしれん。待遇さえ良ければやります。マジで。ただ、待遇良ければです。給与、休日、福利厚生、運行スケジュールとかね。
なんやかんやあって、三重県の実家に帰りました。そしてその翌日筑波に向けてまた出発。帰りは1,500キロドライブでした。おかげで走行距離はこんな感じになりました。
149,658キロ。往復分+観光の走行分です。3000キロを一週間で走るという暴挙。マーチもよく耐えてくれたわ。ありがとうございました。
つくばに帰ってから、大事件が起きました。食中毒です。恐らく原因は合宿中に食べた鶏刺しです。調べたところ一週間ほどの潜伏期間を経て発症するみたいです。一週間ほどろくな食事ができなかったため、治ってからバイトに行くと、「痩せた?」いや、やつれたんです。鹿児島は楽しいです。でもくれぐれも鶏刺しには気を付けましょう。
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