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【映画】「ラストマイル」を観たら、格差の現実に打ちひしがれて涙が全く出なかった。
公開されてから、ずっと観に行きたいと思っていた「ラストマイル」をついに鑑賞した。
元々、野木 亜紀子さんの脚本が好きになったきっかけは「重版出来!」からだった。それまで野木さんの脚本のドラマを知らず知らず観ていたが、「誰が脚本を書いてるんだろう」と思ったのは「重版出来!」からだった。
そこから、「アンナチュラル」や「MIU404」も観て、野木さんの“人が生きて死ぬ”ということを描いているドラマや映画好きになった。
今回の「ラストマイル」も例に漏れず、野木さんらしいストーリーだなと思った。
終わり方や後味的に賛否があるみたいだが、事件の真相よりも日本の働き方や低賃金についての取り上げが辛かった。
一番最初にお客様のためと言いながら、売上至上主義の企業。
その企業の派遣や下請けで働く人々。
搾取する側とされる側。
多分、この映画を観ていて、多くの人が好きになったであろう人物は佐野親子だろうなぁと思った。
父は昔ながらの日本人の勤勉さと、配達の仕事に誇りを持っている。
息子は勤めていた家電メーカーの会社が倒産し、父と同じ配達の仕事をしているが、仕事内容も賃金的にも魅力を感じられずにいる。
でも一生懸命に生きてる親子。
搾取される側の人間。
この二人を観ていて「あ、現実だ」と感じて、すごくいいシーンでも涙がでなかった。
現実というシビアなものに関して、寂しいとか苦しいとか感じるより、呆然とする自分がいた。
自分も搾取される側だからだろうか。
とにかくこの映画は「働いている人々」が登場する。
「働く」というのはどういうことなのか。
ずっとそんなことを考えながら観ていた。
エレナの言った言葉が残っている。
「毎日どっかで人がたくさん死んでいるのに、今さら騒いでバカみたい」
結局、私たちは自分の近しい人が亡くならないと「死」というものがリアルに感じられない。
人間はそういう風に創られているのかもしれない。
あとは、アンナチュラルやMIU404の登場キャラクターがお馴染みのBGMと共に出てきているのが嬉しかった。
ストーリー的にはアンナチュラルが好きなんだけど、一人の人間としてはMIU404の伊吹が好きなんだよなぁ。
明るくてはつらつとしているけど、ちゃんと寂しさを感じて理解できる・しようとする人。
また、野木さんが書くキャラクターたちが活躍する世界線を観てみたい。
また次もあると信じて。