映画感想文「とりつくしま」亡くなった人の思いを優しく包み込むスタンスが心地よい
キョンキョンはやっばり凄い。
本当にちょこっとなんだけど重要な役で登場。こういうメジャーじゃないけど良い作品にネームバリューある彼女が出ることは貢献になる。かつ、さすがの存在感であった。小泉今日子のスター性を改めて痛感した。
原作は作家東直子の小説。それを娘の東かおりが監督・脚本という映画。
亡くなったあと、この世に未練があるなら、モノに宿って後に残した人たちを見守ることができる。そんなことを提示された人々が何かを選んでいく話。
夫を残して逝った若夫婦の妻。何もわからないままに亡くなった遊び盛りの少年。息子の晴れ舞台の前に別れを告げることになった母親。
それぞれがどんな風に残した人々と折り合いをつけていくのか。いや、つかない場合もあるのだが。
そんな様を見ながら、自分ならどうするかなと思案させられる。
ホラーでもミステリーでもなく、ほんわかと温かい口調で人々の思いを優しく包み込む作品。正解を出すわけでもなく、そんな第三者的な観察口調が心地よい。
かなりおすすめ。思わず原作をポチった。読むのが楽しみである。