映画感想文「ラブ・アクチュアリー」落ち込んだ時に観たくなる絆創膏みたいな映画
立ち上がれない。
そんな時がある。本当に2年に1回あるないか。精神的に大きなダメージを受けた時だ。
比喩ではない。最寄駅に辿り着いた会社帰り。ベンチに座り込んだきり、立ち上がれない。
何が大打撃か、それは人によって異なる。
だから「え、そんな些細なことで?」というひと言は飲み込んで欲しい。
もう、何もかもが嫌になる。人生が色褪せて見える。
自分の存在を消したくなる。
そんな時、決まって観るのはこれである。
まず、くすりと笑う程度の明るさ。そう、完全にコメディだと、カンに触るし苛立つから。
そして群像劇であること。誰の人生からも距離を置きたい。例え創作であったとしても、ひとりの物語は重すぎるから。
そして3つ目。最後まであらすじを見ずとも途中離脱できる、緩さ。
ほんのりとハッピーになれる、薄い砂糖水のような甘さ。求めているのはそれなのだ。
今夜はこれを観ながら、少し高価なお肉を料理してゆったり過ごす。デザートにはいつもは贅沢で手が出ない国産さくらんぼ。
明日には元気になる、きっと。