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映画感想文「デュオ 1/2のピアニスト」どんな不幸が襲おうとも、あなたのやりたいを貫けという応援歌

お涙頂戴の実話物かな、と思った。

しかし、そうではなく。想定外に良かった。

実在するフランス人ピアニストの姉妹をモデルにした映画。両親の期待を受け幼い頃から数々のコンクールを制してきたクレールとジャンヌ。ふたりの夢はともにソリストになること。長じて名門の音楽学校に入学し共にソリストを目指すが、思いもよらぬ事態が襲う。

絶望の淵から這い上がり、2人で補い合い1人ぶんのピアノを奏でる姉妹の物語。

もうピアノは二度と弾けないでしょう。ふたりでひとり分の旋律を奏でるなんて無理に決まってるでしょう。そんな常識をしなやかに覆していくふたり。偉業もふたりだからできたんだよなと、1人ではないことの心強さを噛み締める。

ナンバーワンにこだわった人生を送った水泳選手の父。自分を犠牲にして家族に娘たちに尽くしてきた母。家族の期待を一身に背負いピアノに人生を捧げた娘たち。それぞれの背景が丁寧に描かれ、胸に迫る。

人生には突然不幸が襲う。それでも、ナンバー1になれなくても好きなことは続けられる。私は何者なのか何をしたいのか、結局人生で大切なことはそれだけ。

そんな思いが詰め込まれており、なかなか見応えあった。

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