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【通勤電車の詩 vol.99】隣の芝生は青く見える

電車の窓から農家のおじいさんを見た。
腰を曲げて作物のお世話をしている。
のんびり仕事してそうで、いいなぁ、と思う。

おじいさんは、目の前を行き過ぎる電車をどんな風に見ているのだろうか。
サラリーマンは朝からあくせく働かなければならないし、たいへんだなぁ、なんて思っているのだろうか。

農家は農家の辛さってものがあるんだろうな。
作物の出来は天候に左右されるし、毎年一定の収穫が期待できるわけじゃない。
美味しい野菜を作るためには、そのお世話にどれだけ手がかかることだろう。
電車から見てるようなのんびりさは決してないんだろうな。

案外、おじいさんの方も電車の中のサラリーマンを見て、
「エアコンの効いた部屋でずっと仕事ができて羨ましいなぁ」
って思っているかもしれない。


「通勤電車の詩」連載ラスト1話を残すのみとなりました。
名残り惜しいし、感慨深い。

yuriparsley

「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。