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#35 靄の向こう側に待つ世界【尾瀬】【登山】 / Time of Sprout

人は、どんな時に兆しを掴んで、次の扉を開くのか。

扉を開いたとき、
「まだ早かった」と地獄を見れば、自信過剰だったと言える。
「こんな処まで来ていたんだ」と驚けば、謙虚だったと言える。
そして、謙虚過剰であれば、何もしないまま人生を流れることになる。

決めるのは自分しかいないとしたら、どう判断すれば良いのか。

朝靄の向こうの雄大な山が、鮮やかに見えていた。


尾瀬に行ってきました

さて、お天気に恵まれた先の週末、尾瀬に行ってきました。

体力づくりの一環として、最初に目指していたのが尾瀬だったのですが、なかなかお天気とタイミングが合わず。

その間、コツコツと体力づくりをしてきたため、
体力的に一番優しい、「山小屋に1泊して尾瀬ヶ原の平地を10kmずつ歩く」という当初の計画は今や楽にこなせる行程となっていました。

そのため、プラン修正の上、尾瀬を歩きました。

今回歩いた、1泊2日のルート(見晴の山小屋泊)

1日目:鳩待峠(標高1591m)〜中原山(1969m)〜アヤメ平〜竜宮〜見晴
2日目:見晴(標高1420m)〜尾瀬ヶ原〜山ノ鼻〜???〜鳩待峠

1日目

戸倉〜鳩待峠

戸倉で乗り合いタクシーに乗り換え、鳩待峠に着いたのが、朝の9:40頃。
さすがの晴天の連休とだけあって、賑わっていました。

尾瀬ヶ原方面から帰ってきてハイタッチしている人。
尾瀬ヶ原方面へ次々と向かっていく人。
かき氷を満喫している人。
陽気な連休の雰囲気に包まれています。

鳩待峠にある地図看板

鳩待峠〜アヤメ平〜竜宮〜見晴

私は混雑を避けて、尾瀬ヶ原方面への木道へは向かわず、アヤメ平へ向かう山道に入っていきます。

だ〜れもいない…

連休だというのに、狙い以上に人の気配がありません。

避暑も期待していた尾瀬ですが、やはり夏。陽射しが強烈で暑いです。遮るもののない尾瀬ヶ原を、この時間帯から歩くのは大変だったかも。

しかし、ゆるやかに標高を上げていくと…

気持ちいい〜!

一気に開けた開放感。
吹き抜ける涼しい風。
白くフワフワと浮かぶワタスゲの高揚感。
空に近づいた美しい世界。

ここにも誰もいません。

横田代から望む至仏山とニッコウキスゲ

近景も遠景も360°美しい世界に囲まれています。

時間がお昼に近づくにつれ、チラホラとすれ違う人も。

ここがアヤメ平。燧ヶ岳が見えます。

アヤメ平でお昼休憩にしました。

道中に見渡せる深い緑に息を飲む
富士見田代?から見る燧ヶ岳

この沼のあたりに分岐点があり、ここから尾瀬ヶ原へ降りようと思います。

わりと急峻な下りですが、
葉のコントラストが強すぎて見えません(笑)

2000m近いところから1400mまで下るため、下に降りていくほど涼しさを失い、夏の熱気に呑み込まれていきます。

ここは尾瀬ヶ原の竜宮

尾瀬ヶ原へ降りて…

燧ヶ岳の麓にある見晴地区

本日泊まる、見晴地区へ到着しました!
ここまで12kmのアップダウンでしたが、程よく快適な道のりで大満足です。

歩いた後は…

至仏山を眺めながらのビール(2杯目)、最高!

山小屋ですが、お風呂にザブンと入れて、相部屋ではなく個室で、ご飯も美味しく、ビールも美味しく、とても快適で、これまた大満足。

明日は暑さと混雑を避けて、朝早くから尾瀬ヶ原を歩きます。

でも、ゆっくり、じっくり、のんびり回るには暑すぎるし、
そうすると、午前中の早いうちに予定を消化してしまうんですよね…。
それだと物足りないかもしれない…と感じる1日の終わりでした。

日没頃の見晴地区

1日目の歩数記録: 23,205歩

2日目

尾瀬ヶ原を歩く

早朝5:40頃の見晴地区と燧ヶ岳

寒いかと思いきや、半袖で過ごせる涼しい朝。今日も暑くなりそうです。

朝食を美味しくいただき、バックパックをまとめて、朝7:00に出発。

正面には至仏山

至仏山の麓にある山ノ鼻までは尾瀬ヶ原をまっすぐ歩いて6kmの道のり。
その間中ずっと、正面には至仏山、振り返れば燧ヶ岳。2つの百名山に挟まれた稀有な場所。

くるくる回って双方を眺めずには居られません。
いろんな意味で転落注意です^^;

たゆたう蓮の葉とアヤメ
緑色の草を舞台に、キラキラと光り輝く白い花の美しさ
ブーケみたいに咲いていた花
逆さ燧ヶ岳を、じっくりと堪能した朝

山ノ鼻、そして…

さて、1時間半強で尾瀬ヶ原を通り抜けて、山ノ鼻に到着しました。
ここで休憩を入れながら、目に入るのは…

朝9:00を前に完売したアイスクリーム

そう、下山禁止の情報にビビり躊躇した、至仏山…!

山の鼻地区の地図看板
森林限界までは、ギブアップも出来るようだ

ビビりで慎重すぎる私だけれど、道中や山小屋で人とお話している内に、至仏山を目指して歩いている内に、すっかり最後の気持ちは固まりました。

本気で体力がなかったけど、本気でヤバイと思って、鍛えたんだもの…。
体力・筋力的には無理なく登れるはず。

平地を歩くだけでは物足りないと感じた、あれこそが兆しのはずだから。

そして、次の扉を開く。

熊の情報に、やはりビビりながら、いざ至仏山登山へ

靄の向こう側に待つ世界

noteの彼方此方に、北極星を探し求める話を書いたけれども、もしかしたら、それも、至仏山に登るか否かで逡巡していた自分と同じなのかもしれない。

ただ登ってみればいいのに、そう簡単に登ろうとしない。

ピントがズレているわね

登ってみると、森林限界まではあっと言う間で、

ここまで来たら、もう戻れない

先へ、

基本的に登りがずっと続く

もっと先へ、

一部鎖場もあったが、登ってみると、意外と鎖を頼らずに登れる

振り返ると、
そこには…

いつも燧ヶ岳が見える

狭くて周囲に迷惑をかけないか心配だった登り専用の1本道は、皆んなが同じ目標を目指して登っている、優しい雰囲気の登山コースでした。

「あんなところから歩いてきたんだね!」

そう言われてハッとしました。
今朝は燧ヶ岳の麓にいたので、あの遠くに見える場所から、ずっと歩いてきたのか…と。

そう思うと、尚更この景色に、ジーンと来ます。

本当に、こんなに体力がついたんだなぁ…。

ひっそりと咲く小さな花にも、
ここではたくさんの人が目を留める

至仏山に登ってみる自信がなかったから、
遠く離れた燧ヶ岳の麓に宿を取りました。

最初から登るつもりだったら、
至仏山の麓の山ノ鼻に宿を取っていたでしょう。

あともう少し

そうしたら…

ついに手が届いた山頂

今と同じ景色は見えていなかったかもしれません

やっとここまで来れた

目の前に広がっていたのは、
もはや、今日歩いてきた道だけではありませんでした。

どこで見つけたのかも覚えていない

どうして、もっと器用に答えを掴みとれないんだろう
と思うことはたくさんあります

主役を決められないまま、カシャっと1枚

だけど…

至仏山→小至仏山へ向かう道中

凸凹した道に面白さを見出すから、人間って謎です。

こんな感覚はいつぶりだろうか

もう言葉はいらない
いえーい
鳩待峠寄りの登山道

双方向通行ができる、鳩待峠寄りの登山道の方がよく整備されていました。

ただし、人通りが多い分、標高の高い場所にある蛇紋岩はズルズルと滑りやすくなっていて、なるべく腕の力で支えながら降りました。

これで見納め、かな?

それでも、さすがに足は痛くなりましたが、
最近の癖なのか、下界に降りるにつれて、急いでもいないのにペースが早く、次々と道を譲っていただく状態に…。

なんだよ、めちゃくちゃ体力あるじゃないか…。

鳩待峠にゴール

午前9:00に登り始めて、午後15:15に下山しました。

やはり下界は暑いので、かき氷を美味しく食べました。

2日目の歩行記録:28,559歩

長丁場お付き合いありがとうございました。


Time of Sprout
季節は変わりゆくから
波を掴んで踊ろう
















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