本棚から1冊抜き取る。
「考現学入門」今和次郎
師曰く、「パロディ学問」。しかし僕は卒論で参考文献として活用した。正直、何を引用したかとかは覚えていない。坂口恭平を初めて知った時のような衝撃=変な大人…‼、と静かな興奮を得たくらい。
パロディ学問と評されるが僕は読み物として楽しいと思う。後世に風俗を残すという点ではとても価値があるのじゃないだろうか。
昨今の旅行記マンガエッセイの先駆けでは、と勝手に思っている。
青幻社からは「今和次郎採集講義」という2011‐2012年にかけて行われた展覧会の図録も出版されている。フルカラーなのに資料が白黒なので、ページの活気だしくらいしか色の意味がない気がします。
これを参考文献のひとつとした僕の卒論は、あまりに学術的見地から離れていたため、教授より「これじゃあ卒業散文だね」との言葉を享け賜わる。
卒業はできた。
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