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日刊うたうたい。

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短歌らしきものを綴ってまとめていきます。 毎日七首、誰かの一週間を支えるうたになりますように。
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#一次創作

月曜日の歌 5週目

月曜日の歌 5週目

100グラム前後の紙の束魅せる
手のひらの上 無限の世界

お財布と変えの下着と携帯と
いつもの文庫をカバンに入れて

「今買うの?すぐに文庫も買うくせに」
「ハードカバーは、別物カウント」

大切な1冊胸に生きていく
この身一つで生きてはいけない

特別な儀式 寝る前 頭を悩ませる
今日の最後に読む本はなに?

美しく生きる理由にはならねども
死ねない理由の未完の大作

ことのは 紡ぐ人と 紐解

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土曜日の歌 5週目

土曜日の歌 5週目

一番に見られ 見る場所 指先の
伸びた爪を 美しく塗る

ごく普通 地味め平日ローテーション
土日に纏う 本当の自分

ケアも無駄 死んだ細胞と言うけれど
なら何故みんな執着してるの?

食べたもの見たもので人は変わるらしい
貴方で私はどれほど変わるか

握りしめ 震える拳 殴るじゃなく
自分のリンパを流すために

鍛えるは 向かい風に倒れずに
追い風に乗り 走り出すため

無理やりに昨日の空気

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金曜日の歌 5週目

金曜日の歌 5週目

箱根路を吹き抜ける風 吸い込んで
味方につけて 行く五十五里

病める日も健やかなる日もこの脚の
行けるとこまで行くだけですから

数秒間 枯れる気力を振り絞り
背を押し叫ぶ 頑張れの声

山の神 二十のなかの一人だけ
山の女神に愛された者

来る人と 諦めなかった待つ人を
別つ音と 乾いた襷

箱根山 神の道を駆け下りて
都で待つる 仲間の元へ

涙 汗 沁みる襷をそれぞれの
胸に道行く若人らよ

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木曜日の歌 5週目

木曜日の歌 5週目

箱根路の 凍った空気を駆け抜けて
今年も我が家に 正月が来た

近況を 年に一度 伝え合う
これから一年 また会わぬひと

よろしくと 声をかけ合う人の波
君の手のひら そっと握るよ

初詣 神様よりも君に会うために
早起き罰当たりな僕

松の葉の先に凍った朝露に
光る初日を 飲み込んだひと

お雑煮もおせちの中身も違うけど
二人でだったら楽しいかもね

一日の夜に疲れて寝る君の
初めての夢のさ

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年末年始の歌

年末年始の歌

「来年は毎日掃除するからな」
「去年も言ったよ 窓拭きながら」

待つ子らへポチ袋とピン札と
用意し始まる帰省支度

道中の混雑予想 手土産で
増える袋を計算に入れ

実の中のさらに小さなみかん見て
ぼくみたいだと笑う幼子

薄皮に栄養があるという母と
食いにくいだろとちまちま剥く父

武道館 実家に コミケ最終日
それぞれ過ごす この大晦日

走り去る月を追いかけ駆け抜けた
僕から僕へ襷をわた

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木曜日の歌 4週目

木曜日の歌 4週目

指につく 長い髪の毛 梳かす手を
ふわりぱちぱち 包むカミナリ

濡れた子を とっ捕まえて くるみ巻く
お風呂上がりの 親の愛情

焼き芋の 紙袋 手に歩く子と
手繋ぎ帰る冬 並木道

適齢期 クリスマスケーキというけれど
今日のケーキも 美味しいもので

全員の好物いっぱいもちよって
みんなで褒めよう 一年おつかれ!

君のじゃない マフラーまいて 始発待つ
世界で一番 寒い場所にいる

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火曜日の歌 3週目

火曜日の歌 3週目

世界中 息を潜めて 眠るイヴ
サンタとともに 夜は巡る

鈴の音を鳴らして君がやってくる
大人になって 迎えるよ イヴ

箱を持つ 帰宅ラッシュの 大人たち
すれ違う みな どこかのサンタ

ベッドにも フトンにもくる クリスマス
橋の下にも来るクリスマス

体のいい言い訳みたいに クリスマス
使ってキミを誘ってみる日

さぁお退き あっという間に 大晦日
国を跨いで 冬支度する

連作「クリスマ

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月曜日の歌 3週目

月曜日の歌 3週目

剥き出しの 危険な毒を 晒すよう
あざやかな赤 覗かせる舌

長い影 瞳の星を 落とし見る
既にわたしの手の上と知れ

瞬きの刹那を 永遠にする魔法
瞼の上に広がる宇宙

ざわめきも どよめきさえも 跳ね除けて
纏う風さえ 味方につけて

虹色に輝くエオスの指先が
今日も私の世界を変える

薔薇色の頬を作る 朝一番
おはよう自分 今日もよろしく

悪いけどあなたの台詞は聞こえない
これはあなた

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日曜日の歌 3週目

日曜日の歌 3週目

誰が為の 我が命かと 問われれば
主の歩む 運命の為なり
【忠義(sincerity)】

我が道が 茨の道だと言うのなら
斬り拓こうぞ 未来の為に
【忍耐(patience)】

握る手のぬくもり要らぬと言うのなら
抱きしめましょう その心ごと
【慈愛(kindness)】

幾千の 先人築く この世界
見渡すための ハシゴを探して
【勤勉(diligence)】

歩み寄り 許すことは出来ず

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土曜日の歌 3週目

土曜日の歌 3週目

ハリボテも貼り続ければ ホンモノに
なればしないが 慣れはするさ
【虚栄(inanis gloria)】

その瞳 とっても好きで 大嫌い
私以外を見つめる 貴方
【嫉妬(invidia)】

働いて 祈らず働き 働いて
あなたの生きる 意味とはなんだ?
【怠惰(acedia)】

消し炭に しても尚まだ 燃え盛る
貴方のことを 灰にするまで
【憤怒(ira)】

両の手じゃ 足りないとでも言うの

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金曜日の歌 3週目

金曜日の歌 3週目

早くない? まだクリスマス 来てないよ
しめ縄並ぶ 冬のスーパー

いいこと いやなこと多き年ですが
すべて消すには 少し惜しいね

めくるめく 日々を捲ってカレンダー
さようならまであと数日間

別れ際 またねに加えて もう一つ
良いお年をが響く週末

鈍行と特急乗り継ぎ くる人の
好物作り 待っている僕

出迎える 君の笑顔を 浮かべては
手土産増える 下りの列車

かわりゆく 街並み追って

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火曜日の歌 2週目

火曜日の歌 2週目

降りるべき駅を通りすぎさって
隣の座席 にいたのは誰

泣いた日も 負けずに通い続けたね
在りし日の君よ また会う日まで

君のまつ 駅に初めて降り立った
おんなじ顔した 君がたってた

突然の片道3時間半を
静かに急ぐ 郷里へのみち

1000円とちょっとで行ける 世界には
わたしを知る人 誰も居なくて

涙乗せ 絶望乗せて どこまでも
レールの先まで 君をのせて

間違えて 特快に乗ったその

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月曜日の歌 2週目

月曜日の歌 2週目

夕焼けと サンタクロースの電飾と
ケーキのいちご すきな赤色

はじめてのみかんにはしゃぐ幼子の
やわらかな実と 橙のゆび

一面の夏の黄色に飛び込んで
はしゃぐ声が遠く聞こえる

通勤もデートも趣味も買い物も
全部乗せるよ みどりの電車

変わりゆくセカイを生きる ぼくたちの
青嵐 背に駆けるアオハル

「藍より」を「愛より」と書いたきみだから
藍より深く 愛しているよ

自嘲する 「おじさ

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日曜日の歌 2週目

日曜日の歌 2週目

怪獣の足跡ちょうど どまんなか
アンタがいたら 良いなと思うよ

日曜日さえも 私を苦しめる
道行く人皆 幸せに見え

バスタブに沈む五体を見下ろして
どこにいけるか どこにもいけず

真っ白なシーツの上に君を置き
沈むとこまで沈んでみよう

泣いている俺を だれかが見下ろして
「おとななのに」と 俺を殺す

目の前のコイツも殴ればしぬのにな
そんなことする 気もないくせに

泣いたって どうしょ

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