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メメント盛蔵
2020年1月6日 22:23
100グラム前後の紙の束魅せる手のひらの上 無限の世界お財布と変えの下着と携帯といつもの文庫をカバンに入れて「今買うの?すぐに文庫も買うくせに」「ハードカバーは、別物カウント」大切な1冊胸に生きていくこの身一つで生きてはいけない特別な儀式 寝る前 頭を悩ませる今日の最後に読む本はなに?美しく生きる理由にはならねども死ねない理由の未完の大作ことのは 紡ぐ人と 紐解
2020年1月4日 22:44
一番に見られ 見る場所 指先の伸びた爪を 美しく塗るごく普通 地味め平日ローテーション 土日に纏う 本当の自分ケアも無駄 死んだ細胞と言うけれどなら何故みんな執着してるの?食べたもの見たもので人は変わるらしい貴方で私はどれほど変わるか握りしめ 震える拳 殴るじゃなく自分のリンパを流すために鍛えるは 向かい風に倒れずに追い風に乗り 走り出すため無理やりに昨日の空気
2020年1月3日 22:10
箱根路を吹き抜ける風 吸い込んで味方につけて 行く五十五里病める日も健やかなる日もこの脚の行けるとこまで行くだけですから数秒間 枯れる気力を振り絞り背を押し叫ぶ 頑張れの声山の神 二十のなかの一人だけ山の女神に愛された者来る人と 諦めなかった待つ人を別つ音と 乾いた襷箱根山 神の道を駆け下りて都で待つる 仲間の元へ涙 汗 沁みる襷をそれぞれの胸に道行く若人らよ
2020年1月2日 22:58
箱根路の 凍った空気を駆け抜けて 今年も我が家に 正月が来た近況を 年に一度 伝え合うこれから一年 また会わぬひとよろしくと 声をかけ合う人の波君の手のひら そっと握るよ初詣 神様よりも君に会うために早起き罰当たりな僕松の葉の先に凍った朝露に光る初日を 飲み込んだひとお雑煮もおせちの中身も違うけど二人でだったら楽しいかもね一日の夜に疲れて寝る君の初めての夢のさ
2019年12月31日 10:44
「来年は毎日掃除するからな」「去年も言ったよ 窓拭きながら」待つ子らへポチ袋とピン札と用意し始まる帰省支度道中の混雑予想 手土産で増える袋を計算に入れ実の中のさらに小さなみかん見てぼくみたいだと笑う幼子薄皮に栄養があるという母と食いにくいだろとちまちま剥く父武道館 実家に コミケ最終日 それぞれ過ごす この大晦日走り去る月を追いかけ駆け抜けた僕から僕へ襷をわた
2019年12月26日 20:47
指につく 長い髪の毛 梳かす手をふわりぱちぱち 包むカミナリ濡れた子を とっ捕まえて くるみ巻くお風呂上がりの 親の愛情 焼き芋の 紙袋 手に歩く子と手繋ぎ帰る冬 並木道適齢期 クリスマスケーキというけれど今日のケーキも 美味しいもので全員の好物いっぱいもちよってみんなで褒めよう 一年おつかれ!君のじゃない マフラーまいて 始発待つ世界で一番 寒い場所にいる
2019年12月24日 20:38
世界中 息を潜めて 眠るイヴサンタとともに 夜は巡る鈴の音を鳴らして君がやってくる大人になって 迎えるよ イヴ箱を持つ 帰宅ラッシュの 大人たちすれ違う みな どこかのサンタベッドにも フトンにもくる クリスマス橋の下にも来るクリスマス体のいい言い訳みたいに クリスマス使ってキミを誘ってみる日さぁお退き あっという間に 大晦日国を跨いで 冬支度する連作「クリスマ
2019年12月23日 23:00
剥き出しの 危険な毒を 晒すようあざやかな赤 覗かせる舌 長い影 瞳の星を 落とし見る既にわたしの手の上と知れ瞬きの刹那を 永遠にする魔法瞼の上に広がる宇宙ざわめきも どよめきさえも 跳ね除けて纏う風さえ 味方につけて虹色に輝くエオスの指先が今日も私の世界を変える薔薇色の頬を作る 朝一番おはよう自分 今日もよろしく悪いけどあなたの台詞は聞こえないこれはあなた
2019年12月22日 23:59
誰が為の 我が命かと 問われれば主の歩む 運命の為なり【忠義(sincerity)】我が道が 茨の道だと言うのなら斬り拓こうぞ 未来の為に【忍耐(patience)】握る手のぬくもり要らぬと言うのなら抱きしめましょう その心ごと【慈愛(kindness)】幾千の 先人築く この世界見渡すための ハシゴを探して【勤勉(diligence)】 歩み寄り 許すことは出来ず
2019年12月21日 23:58
ハリボテも貼り続ければ ホンモノになればしないが 慣れはするさ【虚栄(inanis gloria)】その瞳 とっても好きで 大嫌い私以外を見つめる 貴方【嫉妬(invidia)】働いて 祈らず働き 働いてあなたの生きる 意味とはなんだ?【怠惰(acedia)】消し炭に しても尚まだ 燃え盛る貴方のことを 灰にするまで【憤怒(ira)】両の手じゃ 足りないとでも言うの
2019年12月20日 22:29
早くない? まだクリスマス 来てないよしめ縄並ぶ 冬のスーパーいいこと いやなこと多き年ですがすべて消すには 少し惜しいねめくるめく 日々を捲ってカレンダーさようならまであと数日間別れ際 またねに加えて もう一つ良いお年をが響く週末鈍行と特急乗り継ぎ くる人の好物作り 待っている僕出迎える 君の笑顔を 浮かべては手土産増える 下りの列車かわりゆく 街並み追って
2019年12月17日 19:28
降りるべき駅を通りすぎさって隣の座席 にいたのは誰泣いた日も 負けずに通い続けたね在りし日の君よ また会う日まで君のまつ 駅に初めて降り立ったおんなじ顔した 君がたってた突然の片道3時間半を 静かに急ぐ 郷里へのみち1000円とちょっとで行ける 世界にはわたしを知る人 誰も居なくて涙乗せ 絶望乗せて どこまでもレールの先まで 君をのせて間違えて 特快に乗ったその
2019年12月16日 19:33
夕焼けと サンタクロースの電飾とケーキのいちご すきな赤色はじめてのみかんにはしゃぐ幼子のやわらかな実と 橙のゆび 一面の夏の黄色に飛び込んではしゃぐ声が遠く聞こえる通勤もデートも趣味も買い物も全部乗せるよ みどりの電車変わりゆくセカイを生きる ぼくたちの青嵐 背に駆けるアオハル「藍より」を「愛より」と書いたきみだから藍より深く 愛しているよ自嘲する 「おじさ
2019年12月15日 15:01
怪獣の足跡ちょうど どまんなかアンタがいたら 良いなと思うよ日曜日さえも 私を苦しめる道行く人皆 幸せに見えバスタブに沈む五体を見下ろしてどこにいけるか どこにもいけず真っ白なシーツの上に君を置き沈むとこまで沈んでみよう泣いている俺を だれかが見下ろして「おとななのに」と 俺を殺す目の前のコイツも殴ればしぬのになそんなことする 気もないくせに泣いたって どうしょ