2024.01読書記録【5冊】
2024年がスタートしました。
この冬は暖冬かな~と油断してると急に寒くなったりするので困ります。
セントラルヒーター求。
今月は何とか読めた分を紹介していきます。
沈黙のパレード/東野圭吾
積読の下の方にあったので、いい加減読まないとと思い選択。
本当は映画公開当時に読もうと思っていたんですが、あっという間に時間が経っていました。
個人的に久しぶりのガリレオで、今作は東野圭吾作品の中でもかなり好きな部類に入ります。
丁寧な下敷き描写といいますか、超有名作品が元ネタとなっており、そのアピールがあるのは親切設計だと思いました。
ハウダニットとフーダニットを同時に走らせて、ここまで盛り上げる手腕に感動しました。
湯川先生も、警察官に転職したほうがいいのでは?と思うくらいの活躍ぶりでした笑
群像劇的なミステリの中で、昨今の私刑執行ムーブメントについて描かれたんだろうなとも思いました。
他の人の感想も読みたい一冊です。
invert 城塚翡翠倒叙集/相沢沙呼
文庫になっていたのを書店で発見して、すぐ買いました。
このためにドラマも見ずにいたので...。
(ドラマでは次作が1話だけ組み込まれているみたいなので、それも文庫化待ちです)
前作で彼女の≪霊媒っぷり≫にクラクラきたので、彼女の正体が分かったうえで読む倒叙にはまた他作品と違う面白みがありました。
お膳立てされた舞台を観ている感覚で、犯人が翻弄されたり狼狽えている様を見るのは面白かったですね。
倒叙ならではの驚きもあり、おそらく作者の考えるミステリ論もあり、読者の心理をよく分かってるなぁと感心してしまいました。
私は驚きも好きだし、ぎっしり論理が詰め込まれてるのも好きですよ!
むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。/青柳碧人
日本昔話シリーズのほうですね。
シリーズも終わりに近づいているようです。
勝手にネタ切れを心配してたので、うまく終われることにちょっと安心しました。
お気に入りは『七回目のおむすびころりん』です。
タイムリープものに苦手意識があったのですが、これは読みやすくて面白かったです。
急にでっかい文字が出てくるのがあまりにマヌケで、ちょっと笑いながら読んでました。
元ネタになったであろうあの作品も読んでみたいと思いました。
で、たぶんみんな好きなのは『猿六とぶんぶく交換犯罪』。
ストーリーというより小ネタが...笑
今回、昔話が伝わっていく様子についても触れられていたのが興味深かったです。
夏期限定トロピカルパフェ事件/米澤穂信
祝アニメ化決定!ということで、真冬なのに夏期限定です。
ちょっと古典部シリーズと小市民シリーズに苦手意識がある中、何とか読めたのがよかったです。
脳内アニメーションっぽくしたのが功を奏しました。
過去の経験から小市民的でいたい二人と、そうさせてくれない日常と。
そこに謎があったらどんな環境でも解くのが当たり前!という探偵がわんさかいるミステリ界で、解きたくない探偵役というのも異色で好きです。
たぶん他の作品にもいるんでしょうけど、この二人は深刻に悩み抜いているのがかなり印象的です。
小佐内さんのなかに底知れぬ魔力みたいなものが眠っているんだろうなと感じた一冊でした。
余談ですが、これを読んだ後にスーパーでシャルロットが売られているのを見つけ、すぐに買って食べました。
美味しかったです。
読む前は名前すら知らなかったので、少しケーキの知識が増えて得した気持ちになりました。
罪の余白/芦沢央
やはり彼女はポスト湊かなえ。
湿度の高さが異常でした。
空気中の湿度・ジメジメ感ではなく、傷口が膿んでいるようなグジュグジュ感......嫌な感覚ですね。
昔、膝を擦りむくたびに消毒を怠って膿をつくっていたのを思い出しました。
登場人物の一人が、こういう高校生がほんとにいるのかと思うくらい陰湿な子でした。
フィクションでよかったです、ほんとに。
もう一人の子も嫌なやつですが、同情する気持ちのほうが強かったですね。
とりわけ学校はぼっちには厳しい場所ですから、仲間を見つけないと寂しい奴だと思われて嫌だという気持ちはよく分かりました。
たいして好きじゃなかった同級生でも、つるんでないと不安だった時期はありましたから...。
同僚の彼女には共感できる部分が結構あり、ともに強く生きような...と連帯意識みたいなものを持ってしまいました。
ミステリの部分が少ないのでイヤミスにはならなそうだけど、鬱小説には含まれそうな、そんな感じでした。
精神的に健康なタイミングで読むのをおすすめします。
1月まとめでした。
次に読書できるのはいつになるかな...…?
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