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2024.06読書記録【3冊】

今月は『模倣犯』/宮部みゆき をずーっと読んでたので、その感想紹介をサラッとしようと思います!
ネタバレもかなり含まれていますのでご注意ください。

模倣犯(一)~(三)までを読んで

Xでひろたつさんという方が紹介していたのを機に読んでみようと思いました。
宮部みゆきの大長編ものは『ソロモンの偽証』『ブレイブ・ストーリー』以来。
とにかく胸糞なお話ということで、気合入れて読んでいました。

宮部みゆき作品の好きなところは、骨太・複雑・重く苦しい雰囲気が多いところ。
描写の細かさと奥深さも好きで、光景が目に浮かぶからこそ、読んでるこちらの感情もはっきり喚起されるのがたまらないなと思っております。
(一)の時点では模倣犯より愉快犯という表現が正しいのでは?と疑問を抱くほど、犯人たちが遊びのように殺人を楽しんでいる様を見て辟易していました。
ここまで倫理観に欠けた犯罪者がいてたまるか、と。
鞠子ちゃんの遺骨が見つかり、有馬さんが彼女の成長を回想しているところで、幼い彼女の可愛らしさと日々を取り戻せない残酷さにボロボロ泣いてしまいました。
正直、小説を読んでいて「犯人が許せない、憎い」という気持ちで泣くのは初めての経験だったので、自分でもびっくりしました。

ここまで人の心を弄び散々馬鹿にしてボロボロにするなんて、どんな奴らが犯人なんだろう、と思ったところで(二)に続きます。
犯人たちの過去、事件を起こす経緯を描き加害者側を見ていく構成。
そこで見えたのは、加害者・被害者共に家庭環境がよくない場合が多く、コンプレックスや鬱屈としたやり場のない感情を消化できずに過ごしているということ。
愛着障害というべきか、親子関係が上手くいかずに暴力や犯罪に走る・被害を受けることになり、環境がそうさせてしまうのかという救いのなさを感じます。
そこで理性や秩序を持って成長するのが大人と言えるけど、心の内に子どもの部分を抱えたまま年齢だけ重ねてしまった彼らには、もはやどうすることもできないというか......。
胸糞は変わりませんが、ちょっとやるせなさを感じた展開となりました。

(三)もまだ過去編、事故が起きるまでの経緯。
真犯人二人はどのように犯罪を重ねていったのか、歪な関係性も含めて面白く読みました。
途中からは、高井和明のヒーローものとして読んでいました。
別荘で浩美にボコボコにされて血にまみれながらも根気強く彼を説得し続ける様に、ヒロアカのデクを重ねて見ていました。
(ということは浩美は勝己......?笑)
ピース・浩美からはグズでノロマというイメージを持たれていたものの、芯の強さと心の優しさを持ち合わせた立派な青年に育っていたということ、ちゃんと分かってよかったです。
ここまで描かれておきながら、ピースの人物像やバックボーンが断片的にしか見えてこないのが怖い。
いつはっきりするのか、そこも見どころだなと思います。
ちゃんと捕まってほしい。


できれば6月中に全部読み切りたかったんですが、大ボリュームを前に屈してしまいました...…
今月また引き続き読んで、感想を書きたいと思います!

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