Search Inside Yourself
Googleのチャンディメンタンさんが書いた「Search inside yourself」
今までの本は、自信をつけるには、やるしかねえ!という根性論しかなかった。でも、この本は、科学的に定義から実践方法まで、丁寧に解説されているので個人的におすすめです。
ダニエル・ゴールマンは自己認識を、
「自分の内面の状態、好み、資質、直感を知ること」と定義している
自己認識はEQの鍵となる、なぜなら自己認識は情動のプロセスに理性(大脳新皮質)を引き入れるからである。もし、怒りそうになっても、自己認識を持っていれば「私は大人だから、怒るわけにはいけない」となるだろう。
ということで、自己認識は自分をコントロールできるようになるために欠かせないステップである。
自己認識の能力
自己認識の領域には3つの情動的能力がある。
情動の自覚:自分の情動とその影響に気づくこと
正確な自己査定:自分の長所と限界を知ること
自信;自分の価値と能力を強く実感すること
実際に、ファイナンシャル・アドバイザーに情動の自覚を教えたところ、収入が増えたそうだ。本来完ぺきな人なんていない。だから、正確な自己査定が出来れば、私たちは限界があるにもかかわらず成功しやすくなる。(source:The Emotionally Intelligent Workplace)
自信は強大な力だ。ノーマンフィッシャーはこう説明している。
自信はうぬぼれとは違う。本当に自身があれば、人はエゴに関して柔軟になる。必要なときにはエゴを活かせるが、他人に関してなら必要に応じてエゴを抑えることもできる。それができなくても、気づくことができる。自分に対して認めることができる。自己非難をせずに自分の限界に気づくのには、深い自信を必要とする。
自己効力感は職務遂行能力と正の相関があり、管理職の能力でもある。
情動の自覚から自信へ
自信はセミナーや一晩ではつかない。自信は、深い自己認識と自分に対する赤裸々なまでの正直さからしか生まれない。
エンジニア的に考えると、
自分の失敗モードと復元モードの2つを理解すれば自信につながる。
システムを完璧に理解し、それがどんな風に故障するからを正確に知っていれば、それがどんなときに故障しないかも知っていることになる。それは、システムが不完全であると知りながら、どう調整すれば故障のあとシステムが復元するかも正確に知っていれば、故障したときにさえ自信を持っていられる。
ステップ
1.情動の自覚
・自分の情動を明瞭に捉える
・自分を第三者の視点から眺められる
・情動経験について客観的になれる
2.正確な自己査定
・自分の長所と短所について正直になれる
・自分の優先事項と目標がはっきりしている
・ありのままの自分がしっくり来る
3.自信となる
例えば、プレゼンの場面であれば、自分のエゴをユーモアをもって扱い、私の自己などどうでもいいほどエゴを縮ませつつ、大御所の前でも対等の立場で何の気兼ねもなくものを言えるだけの大きさを保たせるのだ。
それから、自分の長所と限界も思い出す。自分の長所である分野にだけ価値を付加することに集中する。
また、自分にとっての失敗モードと復元モードの対策をたてる。英語が苦手なら、深呼吸し、微笑み、マインドフルな状態を保ち、ときどきつまずいても気にしなければいい。こういった、自己認識に基づく対策を総動員することで大舞台でも自信を持てる。
持続可能な自身に必要なこの種の深い自己認識や自分に対する赤裸々なまでの正直さを持つのは自分に対して隠すものが一切ないということである。
最も神聖な志についても、最大の邪な欲望についても、自分に対して正直になれる。人生における最優先事項を知り、何が自分にとって重要で、何が重要でないかがわかる。
やがて、ありのままの自分でいることがしっくり来るようになる。自分に関して、対処できないことがなくなる。これが、自信の基礎だ。
情動の自覚を強める方法を説明する。
情動認識を育むボディスキャン
ジョン・カバット・ジンのMBSR講座の核心となる練習がボディスキャンだ。
とても単純で、一瞬一瞬の注意を体にむける。大切なのは注意であって感覚ではない。
頭のてっぺんから足先までをスキャンする。その中で、情動を探してスキャンする。情動が見つかったらその情動にだけ注意を向けます。
今度は、いまにいることをポジティブに幸せと感じること。自分が最大限に力を発揮して生産的か。自身を感じたときの記憶を蘇らせます。次に、そのときの体の変化に注意します。
これを繰り返します。
ジャーナリング(正確な自己査定)
ジャーナリングとは自分に向けて書くことで自己発見をする練習だ。明瞭に認知できていない自我を発見するためのエクササイズである。
ルールは3分間で話題を決めて書く。「私が今感じているのは。」と言った風に何を書こうかでなく、ただ書くことだ。ひたすら紙に書く。
ジャーナリングは思考と情動を対象とする。エンジニア的には表示内容とみなして、ここの流れを紙にそのまま表示させる。これにはいろいろな研究成果がでているので、とりあえずやってみよう。
・今感じているのは
・今意識しているのは
・私にやる気を起こさせるのは
・私にインスピレーションを与えるものは
・今日やってみたいのは
・私の心を傷つけるのは
・こうだったらいいなと思っているのは
・他の人達は などなど
これより正確な自己査定の仕方を紹介する。
自己査定のためのジャーナリング
導入
難しい状況にポジティブに対応し、結果にとても満足できた例を思い出し、2分間それについて考えます。よくやったと感じながら、共通のパターンや関連を見出します。
30秒休憩します
ジャーナル
話題について考えます。
・私を愉快にしてくれるのは
・私の長所は
導入
今度は、難しい状況に対応し、結果が不満足だった例を1つ、2分間考えてください。共通や関連を探します
そして、30秒休憩して心をリラックスさせます。
ジャーナル
・私を苛立たせるのは
・私の短所は
紙に書き出したものをしばらく見て、自分に向けてのメッセージを読み取りましょう。
私の情動は私ではない
自己認識を深めると私たちは自分の情動ではないと気づくだろう。
私たちは、自分の情動が自分だと思っている。しかし、このエクササイズを重ねれば、微妙ながら重要な変化に気づく。
情動は自分が感じるものに過ぎず、自分ではないのだと思える。情動は自分の経験するものにかわる。これが重要だ。
なぜなら、自分の情動を克服できることを示唆しているからだ。怒りを感じるのが、筋トレのあとの筋肉痛と似ていることに気づく。ただの生理現象であり、自分の影響が及ぶ。癒やすことができる。何時間化すれば薄らいでいく。突き詰めれば、怒っているのは私の核をなす存在ではないので、私は制御できる。禅には、私たちの心の核はそらであり、私たちの情動は単なる雲の流れであり、表れては消える。この考えを持っていれば、自分の中に変化が生まれる。