(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
気候変動の理解と傑出した人間の思考プロセスを知れる有難い一冊。
SDGsやカーボン・ニュートラルの話題に伴い、再び注目度が増している「気候変動」というテーマ。
様々なワードが飛び交う中で、全体像や問題の本質を捉えるのが難しい中、気候変動の理解の一助としてはこれ以上ない素晴らしい内容でした。
マイクロソフトの創業者・元経営者であり、現在は自身の財団で世界の様々な問題と向き合っているビル・ゲイツ氏。
彼が財団の活動を通じ、貧困の改善を取り組む中で、気候変動の問題の大きさを知り、様々な調査・分析をした結果が、本書にはまとめられています。
この五一〇億トンという温室効果ガスをゼロに出来るか否かが、今後の世界の命運を変えると。
排出量が五一〇億トンに至った背景には、経済・社会の発展があります。
それ自体は素晴らしい恩恵を人類に与えたことを認めた上で、この先の未来のため、新たな生活・仕事のスタイルが求められると、強く主張します(たとえ、それがどんなに困難だとしても)。
1つ目に書かれている通り、人間の活動のほぼすべてが関係していること、そして、短期的な視点に立つと温室効果削減が成長を阻む理由になることが、この問題の難しさを際立たせています。
しかし、このまま気候変動が進めば、人類がこの星で生きることすら困難になる、とビル・ゲイツさんは警告しています。
気候変動のテーマは、農業に関わる者として人ごとではありません。
実際、気温や降雨量・降雪量は、この10年で肌感覚で分かるほど変わり…
そして、同様に、温室効果ガスを排出する者としての立場も理解する必要があります。化学肥料や燃料の利用等々の影響は少なくなく、将来、間違いなく政治の介入が入ることが間違いありません。
本書を通じ、気候変動の全体観を知れるだけでも有難いのですが、加えて、ビル・ゲイツさんの思考・行動様式の節々に触れることも、本書の価値を底上げしています。
さらっと書かれている節々に、彼が超一流のビジネスマンであることが垣間見れます。コンピューターサイエンスの最前線にいたので、当たり前ですが、数時と構造化のレベルが際立っています…
ある大きな領域の問題解決しようとすれば、ビジネスだけでなく、経済・政治・社会レイヤーを巻き込むことも然り。
農業という大きな領域と向き合う者として、内実ともに、少しでもこのレベルに近づけるようやっていくしかない。
P.S.
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