(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
イノベータのアイデアの源泉は何か。再現性のあるアイデア創造方法を解き明かすため、そのことに本気で向き合った筆者らによる渾身の内容。
名著『イノベーションのジレンマ』の著者クレイトン・クリステンセン教授らによる本書、『イノベーションのDNA』。
2012年に一度刊行されたものが、約10年の時を経て新版改訂されました。改めて本書を再読したのですが、将来の示唆に溢れています。
クリステンセン教授の『イノベーション~』シリーズは、組織におけるイノベーションの創造方法に主眼が置かれていましたが、本作では、イノベータ個人に着目し、彼らのイノベーションの源泉・スキルセットがテーマとなっています。
(『イノベーションジレンマ 増補改訂版』)
ジェフ・ベゾスさん(Amazon)やイーロン・マスクさん(Tesla)、A・G・ラフリーさん(P&G)をはじめ、実績のあるイノベータに直接調査を行った結果、破壊的イノベータのスキルとして、下の5つを挙げられました。
アイデアの創出は、1つ目の関連づける力をいかに駆使することができるか。
しかしながら、その土台には、2~5つ目の質問力、観察力、人脈力、実験力のスキルにより、イノベータや組織が新しく幅広い知識を得られるかが不可欠だと言及します。
本書で印象的な部分は、著名な起業家・経営者であっても、上記5つのスキルの全てが世界トップクラスではないことです。つまり、イノベーションの能力を高めたい人は、5つのスキルのうちでどれが自分のDNAに刻み込まれているかを考え、その能力を高めることを目指すのが望ましいと。
自分で言うと、強みは関連づける力、次点で観察力と質問力である一方で、おそらく人脈力と実験力は人並みでしかありません。
しかし、イノベータとして足りない力を卑下する必要はなく、組織で補えばよいこと、(自らの能力を理解し)それらを組み合わせ独自の発見方法を磨けばよいことは、今後の大きな道標となります。
また、関連づけについては、下の内容には思わず膝を打ちました。
(ビル・ゲイツさんも推薦した)知の幅広さをテーマした下の本『RANGE』でも述べられていたことが、改めて強調されていました。
本を仕事の一部として読むようになって7~8年。
知覚できる世界が広く深くなった実感はあります。しかし、既知の情報と新知の情報が組み合わさり、新たな世界に繋がるのは、まだまだ偶発的に起こるレベルに留まります。
アイデア創造力。この力の必要性を感じ、足掻き始めて2年目(振り返ってみると、ちょうど一年前にもクリステンセン教授の本を)。
アイデア創造力を体得できるには、あと何年かかるのだろうか。
本書の最後は、イノベーションには「樫の木が必要になるまえにどんぐりを植える勇気をもつ」必要があると言う言葉で締められます。きっとそれは、企業の成長だけでなく、組織・個人の成長においても然りなはず。
振り返れば、論理的思考力も、その力の無さを痛感し、打ちのめされ、そこから体得するまでは4年ほどの月日が必要でした。
アイデア創造力のような自分自身の能力開発を含め、あと何年かかろうとも、それに確証がなかろうと、(どんな事柄でも)僅かでも可能性があるのであれば、樫の木のどんぐりを植え続けていこう。
P.S.
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