(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
当代随一の経営者の軌跡と原則。それに触れられる良本。
世界最大のECサイト、アマゾン。その創業者であり、世界屈指の億万長者・経営者となったジェフ・ベゾスさん。
前回のスティーブ・ジョブズ氏の自評伝を書いた、ウォルター・アイザックソンさんは、これまでレオナルド・ダ・ヴィンチやアルバート・アインシュタインという天才的な頭脳の持ち主を対象に偉人伝を描いてきました。
その彼が、現在生きている人物の中、これらの偉人に並びうる存在としているのが、今回取り上げるジェフ・ベゾスさんとなります。
本書には、その人生の軌跡、そして、アマゾンを導き続けてきた経営の原理原則が描かれています。
結論から言うと、上記の5つがアマゾン社の重要な原理原則となりました。
「顧客至上主義」に並ぶ、アマゾンの特徴であり、個人的に最も刺さったのが、”長期がすべて”という「ロングターム思考」。
長期思考だからこそ、長年売上額に対して希薄な利益しか出さないような多大なインフラへの初期投資。長期思考だからこそ、膨大な失敗を厭わないイノベーションへの挑戦。
投資家をはじめ、周りの様々なステークホルダーからの批判意見があったにも関わらず、はるか彼方を見据えて、これ等を行い続けたアマゾン。その結果として、今世界を制する企業の一角になったのは疑いがありません。
さらに、アマゾンがアマゾンたる部分は、長期を見据えつつ、毎日が「Dαy1」、「はじまりの日(創業日)」という熱気と活気を維持する文化を作り、実行し続けていることです。
彼がアマゾンに続いて創業した民間の宇宙開発企業ブルーオリジンの企業ロゴにはラテン語で「Gradatim Ferociter」とあります。それが示す意味は、「一歩ずつ、猛烈に」。
1万年先を見据え、長期目標を追求しつつ、その歩みは、一歩ずつ、猛烈に。
これはもう…実践できたら強いに決まっています。
それを実行し続けたのが、アマゾンであり、ジェフ・ベゾスさんであったことを、改めて、本書からまざまざと見せつけられます。
(その人としてのエネルギー値がどれほどのものかは、彼のインタビュー動画から垣間見ることができます)
“常に全力疾走だ”、”全力疾走で走り続ける”。
ベゾスさんと同様のことを言っているのが、京セラの創業者であり名誉会長の稲盛和夫さんでした。ベゾスさん然り、稲盛さん然り、この境地に至るには、これほどの基準が必要になると。
はるかかなたの時間軸を見据える。
その上で、毎日をはじまりの日として生きる。
あ…!両極端にある時間軸を同居させるとはこう言うことなのか…!
それを実現されている人の内面・行動に加え、上記のように組織として実現するための仕組みも、本書から知ることができます。
はるか彼方と今この一瞬を同居させる。今まで全くイメージを持つことが出来なかったけれど、ようやく少しだけ解像度を上げられて良かった。千里の道も一歩から。その一歩ずつは猛烈にと。
P.S.
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