(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
デザイン≠アート≠センス≠クリエイティビティ。
そのことが分かる1冊。
電通のコピーライターとして経験を積み、ハーバード大学デザイン大学院にて都市デザイン学修士を修めた建築家の著者。
その経験による視点から、日本人が誤解しがちな「デザイン思考」を解説し、活かす方法を紹介した1冊になります。
建築を含め、何かを作る・生み出すということは、課題を特定し、解を導くこと。それこそがデザインだと述べます。
故に、スタイリングとも、(自己実現の形となる)アートとも、デザインは一線を画すものだと。
興味深い視点はこちら。
デザイン思考は、0→1向けの思考法のようなイメージを持っていましたが、専門の方からすれば、それも誤解だと。デザイン思考の本懐は、PDCAを幾度となく回すことによる改善(磨き上げ)にあると言います。
だからこそ、1→10の力になるデザイン思考を抑えた上で、0→1の思考は、別途習得する必要性を強調します。
改めて、五常・アンド・カンパニーの慎泰俊さんの言葉に唸ります。
問題解決能力(論理的思考力)がビジネス界を折檻し、少し前まではデザイン思考がその地位に名乗りあげていました。
この何年か、デザイン思考を生かし、顧客の課題解決の切り口を変え、新たな価値を創出した例が、何件か頭に浮かびます。しかしながら、周りを見渡しても、まだデザイン思考を武器にまで昇華している組織・個人は限られているようにも思えます。
何となくは頭では分かるけれど、身体知までは昇華できていない思考法。
この世界には、まだまだ自分の及ばない分野が多いことに感謝しつつ、自分も、組織も、そのケイパビリティを伸ばし続けられるよう進んでいきたいなあ。
P.S.
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