(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
中国最古の王朝、殷。それよりも以前の神話時代から南宋までの歴史を一冊にまとめた『十八史略』。
太公望や諸葛孔明をはじめとする多彩な人物達。彼らの逸話から様々な悲喜劇まで、戦略性やリーダーシップの事例集としても、中国の歴史・文化集としても必見の内容でした。
本書の魅力の一つは、各王朝の盛衰から、その失敗要因を教訓として残していることのように思えます。
編纂者(曾先之)がこの歴史書を残すにあたり、様々な国家の失敗要因を後世に知ってほしいという想いが滲み出ています。
これこそ、歴史読本の価値というか。世の中では、成功事例・方法が取り上げられがちですが、失敗事例・要因は同じかそれ以上に、現実の世界で生き抜く上では参考になる点が多く感じます。
(同様の点で、日本軍の敗因を分析した野中郁次郎さんの『失敗の本質』は本当に名著)
また、中国の歴史・文化を知る上で印象深かったのは、中国という国は、その歴史の中で様々な国家運営方法を用いていたことを学び直せたことです。
王道と覇道、血縁主義と実力主義。相反すらする方法が、その長い歴史の中で、揺れながら、交わりながら、取り入れられていたこと。
何千年という長い歴史観を持って物事を見ると、万物は流転し、変化が絶えないことを、改めて思い知らされます。
本書と同様に、講談社学術文庫から出版されている中国の古典、『呂氏春秋』、『戦国策』も一読の価値がある内容でした。
なお、これらの3冊を読むにあたり、中国の歴史の流れを少しでも知っておくことは、内容の理解の助けになります(その点では、YouTubeの「オカモトの歴史実況中継」は、とても面白く、参考になりました!)。
ロシアの劇作家、小説家チェーホフはそう言い残したそうです。
本書のように歴史の荒波に耐えた古典を読むと、より一層これを感じます。
海外ではビル・ゲイツさん、国内でも孫正義さんや柳井正さん等、傑出した成果を出した経営者は猛烈な読書家、と言われる例は枚挙にいとまがありません。
そうであるならば、(自分のような人間はなおさら、)書物を食らうように読み、消化し、自らの一部にすることを続けていこう。
P.S.
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