見出し画像

週末読書メモ11. 『マッキンゼーをつくった男 マービン・バウワー』

(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)

信念こそが、未来を変える。そう思わざるを得ない一冊でした。


本書は、経営コンサルティングという職業を世に生み出し・確立した男、マービン・バウワーさんの人物伝となります。彼の職業人生は、自らの信念とそれに基づく規律を貫いたものでした。

世の中に無い職業を作り出す、それがどれほど困難に溢れるものかは筆舌に尽くし難いです…

理解も、共感も無い世界で、突き進み続けなければならない身であったことは想像に固くありません。


マービン・バウワーさんは、その卓越した先見性から、経営コンサルティングのニーズ、そして、その職業に求められる要件を見抜かれていました。

必要なことが見えていた以上、あとはやり切れるか否か。

マービン・バウワーさんは、自身の行動と言葉で、信念を体現し、伝達し続けました。その度合いは、並々ならぬものがあります(成績優秀なパートナーでも、倫理規範に反していれば即解雇、一新入社員に対し、服装レベルで関与、等々)。

同時期、他にも経営コンサルティング会社が勃興した中で、マッキンゼーが生き残り・傑出した所以は、その信念と徹底であったのだろう、と思わされます。


また、マービン・バウワーさんは、今ない未来の実現には、今ない人を作り出さなければない必要性を心から理解されていました。

そのため、倫理規範・行動様式を膨大な文章で残したそうです(大前研一さんは社員育成用に300ページ以上の文章を作成したという逸話がありますが、その上司であったマービン・バウワーさんは一体どれ程の文章を残していたのだろうか…)。

本書では、その例がいくつか掲載されており、非常に参考になります。

※例1「リーダーシップの6つの要素とは」
1. 顧客の利益を最優先する
2. つねに耳を傾ける
3. 事実に立脚する
4. 行動に結びつける
5. 各人に最善を尽くさせる
6. 職業倫理を徹底させる

※例2「意思決定とその実行のための一つの方法」
1. 決定すべきかどうかを決定する
2. 状況を把握する
3. 問題を考え抜く
4. 実行方法を決める
5. 役割分担を決める
6. 見守る

(※上の内容に加え、本の中では更に細かい補足があります)


物事を動かすのに必要なのは、戦略や兵站はもちろんのこと、それ以上に人の信念の強さだと(未来を変えようとするのであれば、なおさら)。

マービン・バウワーさんが何度も口にしていたという言葉に、「なりたいものになれるかどうかの半分は、固い決意で決まる(リンカーン大統領)」があるそうです。

信念からしか変革は始まらず、そして、信念が変革の結果を左右する。その事が心に刻まれる一冊でした。


※本書と同様に、『マッキンゼー 経営の本質 ー 意思と仕組み』も良かったです。『マッキンゼーをつくった男 ー マービン・バウワー』では、傑出した人物が"何を考えていたか"が知れますが、こちらの本では、"いかに行動していたか"を知ることができます。


【本の抜粋】
マービン・バウワーは、偉大な指導者であり偉大な教師である。

マービン・バウワーをマービン・バウワーたらしめているのは、その強い信念と高潔な人格である。

マッキンゼーには社員はいない。いるのはメンバーであり、個人の尊厳を持って働く同僚である。私たちに事業計画はない。あるのは大志である。私たちは規則ではなく価値を重んじる。

企業の意思決定者がつねに「かくあるべし」という揺るぎない価値観に従って決定を下す限り、その企業は磐石の基盤に支えられた組織となり、一人のトップに頼る企業ではなくなる。

マービンは、エイブラハム・リンカーン大統領のエピソードをよく口にした。若かりし頃弁護士だったリンカーンは、あるとき弁護士になるにはどうしたらいいかと訊ねられて、「なりたいものになれるかどうかの半分は、固い決意で決まる」と答えたという。

クライアントとチームを組んで問題解決に取り組むとき、マービン・バウワーが決まって経営者に言うことがある。リーダーとして、何かを変える勇気を社員に与えなさいということだ。

人を育て、育てた人に任せるには、そのために多大な時間と資金を投資しなければならない。育てる側の人間には尊敬と信頼に値する高潔な人格が求められる。そしてまた、組織内のリーダー役がみなその役割を自認しなければならない。

P.S.
農業インターン・副業・プロボノ大募集!

学年や年齢、農業経験の有無は問いません!
インターン・副業・プロボノに興味のある方は、ぜひご応募ください!
農業界の未来を、共に切り拓いていきませんか?

【①インターン】

【②副業・プロボノ】

※個別対応のため、TwitterのDMでお問合せください(下はイメージ)。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集