(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
『ビジョナリー・カンパニー』シリーズの集大成。
帯に書かれた謳い文句、”偉大な企業をつくる「地図」を手に入れよう”。まさに「地図」であり、「コンパス」のような一冊でした。
本書は、『ビジョナリー・カンパニー』①から④に続く、シリーズ最新作。
一作目、偉大な企業の永続の源泉を「基本理念」にあると解説した『ビジョナリー・カンパニー ー 時代を超える生存の原則』。
二作目、飛躍する企業とその経営者の特徴を解説した『ビジョナリー・カンパニー② ー 飛躍の法則』。
三作目、偉大な企業の衰退の真実を解説した『ビジョナリー・カンパニー③ ー 衰退の五段階』。
四作目、不確実でカオスな環境でも勝ち抜く企業とその経営者の特徴を解説した『ビジョナリー・カンパニー④ ー 自分の意思で偉大になる』。
そして、本作『ビジョナリー・カンパニーZERO ー ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる』。
本書の紹介文では、スタートアップや中小企業が偉大になる方法を解説したとありますが、内容としては、これまでの集大成となっています。
中小企業が世界レベルの偉大な企業になるため、「リーダーシップ・スタイル」、「ビジョン」、「戦略」、「イノベーション」、「戦術の卓越さ」という5つの観点から、やるべきこと・実現できることが記されています。
いやはや、凄過ぎた。いったい何箇所に線を引いたのだろう。
本書および『ビジョナリー・カンパニー』シリーズでは、即効性のある小手先のテクニックではなく、原理原則レベルのことが記されています。
金言だらけの内容の中でも、最も素晴らしかったのは、筆者のこれまでの研究から導き出された最も本質的な概念を選りすぐり、体系化した「偉大な会社を動かすもの ザ・マップ」と呼ばれるフレームワークです。
独自の言い回し・例えが多く、本書を精読し、内容を理解する必要がありますが、知っているか否かで天地の差が付いてしまうほどのものです…
『ビジョナリー・カンパニー』シリーズを全て読んで感じたことは、偉大な企業になるには、組織、そして、そのリーダーが、偉大な存在になる必要性が一貫して説かれていることです。
“偉大な存在”という極めて抽象的なあり方について、どんな要素が必要なのか、そして、どれほどのレベルで必要なのか、これらのことを知れたことが最大の収穫でした。
(※より詳細な内容は、下の記事に分かりやすく要約されていました)
余談ですが、本書で驚いたことは、ファーストリテイリングの柳井正さんが、その膨大な成功と挫折に基づき書いた『経営者になるためのノート』にある内容と、非常に似通っていたことです。
お二人のこれまでの過程は異なるにも関わらず、上記をはじめとし、同じ原理原則に到達していることに、感動すら覚えました。
どの内容も決して真新しいものではないわけで、経営も人間が行う営みである以上、その原理原則自体は、古今東西変わらないものなんだろなあ。
だからこそ、やれるか否か、どれほどの基準でやれるかの二点に尽きると。
本書でも、リーダーの思想行動というあり方を磨くことが、偉大な企業になれる(可能性を生む)必要条件だと言っています。
あり方レベルを変えていくには、極めて長い月日が必要である以上、何者でも無い時からどれ程積み重ねられるか、か…
結局、近道や抜け道はなく。やるっきゃない!
P.S.
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