(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
世界は移り変わり続ける。そんなことが思い返される1冊でした。
昨年度の話題作のひとつ『Humankind』。
ホッブズのいう「万人の万人に対する闘争」からはじまり、性悪説よりの世界観でヒエラルキー社会を築いてきた近現代。
そんな時代に対し、人間の生来の本質、そして、これからの世界に対して、一石を投じた内容となります。
筆者ルトガー・ブレグマンさんも、人間は清濁併せ吞む複雑な存在であることを認めます。その上で、善き存在でいられることを信じ、それが前提となる社会の方が望ましいのではと。
その背景としてあるのは、近現代世界の成長の根幹となった資本主義・実力主義社会における功罪。
その詳細は、マイケル・サンデルさんの著書『実力も運のうち』に譲るとして、本作の筆者も同様の問題提起をします。
現代世界特有の分断や歪み。
それを解消する手段こそ、人間性を肯定的なものだという前提のもとに、企業や社会のシステムを進化させること、そう述べます。
本書の中では、政治分野・企業分野ともに、「冷笑から参加へ」、「両極化から信頼へ」変えた実例が紹介されています。
(企業側の例では、数年前に話題になった「ティール組織」を)
様々な考察が載せられている本書の中でも、特に示唆が大きかったのは、一個人としての処方箋です。
世界の分断が深い問題となっている理由は、相手の世界を知らないこと、そして、受け入れられないことが大きいです。
それを打ち解かす鍵が、この抜粋の中にあるように思えてなりません。
本書の内容は、先史時代から近現代、そして未来にまで。
現代の性悪説寄りなシステムも含め、歴史を対局的に捉えると、ある時代の常識やシステムは、一過性のものでしかないことが再確認します。
その上で、現在は過渡期だと。
一気には変わらない。しかし、うねりを起こしながら、確実に変わっていくことも、また世界の理です。
偏見と頑迷さと狭量さを越え、これからの世界を生きていきたいなあ。
P.S.
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