(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
「目的」から逆算するのではなく、「手段」からスタートするのはどうだろうか?と。コペルニクス的転回のような考え方を知れる一冊。
一般的には、何を進める・変える際、達したい目的からスタートせよ、という意見を耳にします。本書では、「これを達成するためには、何をすれば良いか」を問う立場をコーゼーションと表現しています。
それに対するのが、本書のタイトルにもあるエフェクチュエーション。熟練した起業家を分析した結果、必ずしも目的からスタートしたわけでは無かったと。所与の手段からスタートすることでも、意味のある結果を紡ぎ出せる、と筆者は提言します。
数あるイノベーション論の中でも、エフェクチュエーションの最大の特徴は、手段に重点を置くこと。
多くのイノベーション論だと、アイデアを含むインプットの源泉を広げることや、試行錯誤することに重点が置かれています。この理論でもそれを大切にしつつ、まずは手元の手段から始めようと。
その上で、この理論を活かすための5つの原則も示されています。
エフェクチュエーションという定義自体も示唆に富む上で、②~⑤の原則が興味深く。②と③は、いかに資源(手段)を多く使うか・増やすかということであり、④と⑤でいかに結果へ繋げるかを示してるように思えます。
(個人的に刺さったのは②「許容可能な損失」の原則。『適応戦略』の中で取り上げられている「パリチンスキーの原則」と合わせて、胸に残ります)
この本を読みながら、(過去にも触れましたが…)言語化し、定義する大切さが身に沁みます。
エフェクチュエーションしかり、5つの原則しかり、ふわっと頭の中にある状態ではなく、言語・概念として捉えられること。そうすることで、抽象と具体の世界を行き来し、更には敷衍化されられると。
とはいえ、重要なのは下記の内容だろうなあ。
(手段から始める)エフェクチュエーションは、(目的から始める)コーゼーションと対立するものではなく、あくまで一つの方法でしかないことも強調されています。
この数週間、改めて戦略を学び直している中で、感じることは、世の中に溢れる理論というのは、全て一戦略・戦術でしか無いということ。
それは、まるで将棋や囲碁の一戦法と同じように(だからこそ、それをいかに実践で使い分けられるか、使いこなせるかの方が大事)。
けれども、引き出しの広さや深さが、自分を支えてくれるのも確かで。
新たな視点を得られると同時に、これからも学ぶこと、考えること、実行することを続けていきたいと思わせられる一冊です。
P.S.
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