(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
「私たちが一ドル節約するたびに、他社との競争で一歩先んじることになる。それこそ、私たちが目指していることである」。
世界一の売上を叩き出す企業の強さが、ここに込められています。
石油も、自動車をも超え、売上高世界一となった小売業の覇者、ウォルマート社(その売上額はなんと約50兆円/年)。
本書は、その創業者である、サム・ウォルトンの自伝となります。
会社の売上高・個人の資産も世界一となった上で、これである。
一体誰が、古ぼけた小型トラックに乗り、散髪は町の床屋ですませるような人間が、世界一の億万長者と分かるのだろう。
もちろん、人並み以上には豊かな暮らしはしていたものの、彼の死後も名実ともに世界トップ企業であり続けられているのは、度を外れた欲望や野心を戒め続け、企業としては1ドルレベルで突き詰めたからこそです。
絶えず新しいことに挑戦し続けたこと、全ての仲間達とパートナーシップを築くことに腐心したこと、そして何よりも顧客第一主義であったこと。
これらの経営指針が、ウォルマートの強さの根底であったことも疑いがありません。しかし、20世紀最高峰の経営者であり商人であったサム・ウォルトンの凄みは、冒頭にあった金銭感覚、哲学が、他の人間から突き抜けていることのように思えます。
彼の哲学に、日本でも稲盛和夫さんとKDDIを創業したイー・モバイル会長の千本倖生さんの下の言葉を思い出します。
なんという…襟を正されます。
本書の内容、サム・ウォルトンの哲学は、前回取り上げたアマゾン社のジェフ・べゾス氏も大いに参考にしたと言われています。
アマゾン社の経費の倹約ぶりも有名で、創業時はオフィス用の机は自作を求めたという逸話もあり(その中でも、サム・ウォルトンの哲学と同じく、従業員への給料だけは惜しまないというのも、示唆があります)。
「あと0.1パーセントだけ、0.1円だけ、と、粘れるか」か。
何兆、何十兆という企業にして、いやだからこそ、この言葉。
その背中は随分と先にあるけれど、この考え方・企業文化は、自分が関わる会社の大事な価値観にしていきたい。
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