(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
「進化パターンの百科事典」。帯にある濱口秀司さんの書評の通りの一冊。
デザイン学、建築学、言語学、生物学と幅広い分野に精通する筆者(幅広い分野に知がまたがっているからこそ、この本が書けたようにも感じます)。
筆者が提唱する「進化思考」。
それは、"生物の進化と同じく「変異と適応」を繰り返すことで、誰もが創造性を諦めることなく発揮できるようになる思考法"、と述べられています。
正直、利用難易度は極めて高いです笑。ですが、創造性を発揮するにあたって、ヒントが散りばめられています。
本書の魅力は、大きく2つ。
1つは、進化と思考の構造を説明していること。
もう1つは、進化の手段となる「変異と適応」を体系化していること。
前者については、突き詰めると、変異と適応の両方を行き来した先に、進化・創造があることが、解説されています。
この捉え方は、昨今の左脳的な論理思考の限界を述べた『右脳思考(内田和成)』や『直感と論理をつなぐ思考法(佐宗邦威)』に通じるものがあるように感じます。
しいていうと、右脳と左脳、変異と適応を、”十分すぎる”程に往復する必要性が強調されている点に、進化思考の肝があるように感じます。
そして、後者の進化の体系化については、ここまでビジネス書の中で書かれるのを見たことが無いであり、必見です。
これは、チェックリストとして、繰り返し見返したい。
変異の9つは、かの有名なオズボーンのチェックリストのように、アイデアを捻り出すためのツールになり得るかと思います。
そして、適応の4つは、言われてみると当たり前ですが、とても良い。
ミクロ(解剖)とマクロ(生態)、過去(系統)と未来(予測)の4点から物事を捉えようとするアプローチとなります。
本書の結論に、全てを統合した「創造性の五原則」が記されていました。
冒頭、進化論をはじめとする生物学から入っているため、異質な印象を与えるものの、最終的に導かれる結論は、至極王道。
ということは、結局、どれほどのレベルで実現できるかだなあ(上記の変異(HOW)の9つとかはまさにで、言うは易し行う難し)。
きっと、進化も、成長も、膨大な試みを積み重ねるしかなく。
しかしながら、正しい方向で努力するための強力な"道具"と積み重ねの先に創造があるという"希望"を得られる、そんな一冊でした。
変異、解剖、系統、生態、そして、予測。頭にこの枠組みを持ち続けよう。
P.S.
農業インターン・副業・プロボノ大募集!
学年や年齢、農業経験の有無は問いません!
インターン・副業・プロボノに興味のある方は、ぜひご応募ください!
農業界の未来を、共に切り拓いていきませんか?
【①インターン】
【②副業・プロボノ】
※個別対応のため、TwitterのDMでお問合せください(下はイメージ)。