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私たちはいつも「改善」を買っている

私たちは、どうして商品・サービスを購入するのでしょうか?

意外と事業をやっている方やマーケッターなど、お客さんのことを常に考える必要がある方でもこの「顧客心理」を深く考えられていない方が多いかと思います。例えば、「その商品がいいから買う」「お客さんが必要だから買う」「需要と供給」と答えるだけではとても浅い分析になってしまいます。

顧客心理を考える上で、最も大事なことがあります。

今日は、そのお客さん含め私たちがいつも買っているある1つのことをお伝えします。

「改善を買う」とは

まず結論からお伝えしますと、

私たちはいつも「改善」を買っています!

この「改善を買う」とは、どういったことでしょうか。

例えば、美容室。本来美容室は、「髪を切る」というのが目的にあります。しかしお客さんは、髪を切るという行為を求めているわけではなく、髪を切った後の生活を求めているのです。髪を切ることで「不潔さが改善される」「美しさが改善されてさらに綺麗になる」「邪魔だった髪のボリュームがなくなり生活が改善された」など、改善された未来を求めているのです。

ドリルのが欲しいのではない、穴が欲しいのだ

よくこの言葉を聞いたことがあるかと思います。これもまさに「改善を買う」の一例と同じで、お客さんはドリル自体を買いたいわけではないのです。お客さんは、「壁に穴を開ける」ということを求めており、ドリル自体に価値はなく、穴が開いた壁に価値を感じるのです。そのため、実際はドリルではなく、スコップでも鉛筆でもなんでもいいので、穴が開けられればいいのです。しかし、その中でも綺麗かつすぐに穴を開けられるのであれば、ドリルがその中で最も優位性が高くなります。

ただし、あくまでお客さんは「ドリル」ではなく、「穴(=穴が開けられた改善された未来)」を買っているということを忘れてはいけません。

お客さんは「改善」を買っている。

これを理解するだけでも、今後のビジネス戦略やマーケティング戦略が大きく変わります。

またこれを理解することで、お客さんに対しての「伝え方(=営業)」も変わってきます。

「改善された未来」を見せる

商品・サービスを売るとき、性能や品質ばかりに目が行きがちです。しかし先ほども述べたように、お客さんは商品を買っているわけではなく、「改善」を買っているのです。つまり、商品・サービスを売るときも、商品を売るのではなく、「改善」を売るべきなのです。

「改善を売る」

これは、言い換えると「改善された未来」を見せるということにもなります。

改善された未来を見せるとは、どういったことか。

これには色々な例があり、その中でも代表的な二つをお伝えします。

〈ビリーズブートキャンプ〉

一時期大流行した「ビリーズブートキャンプ」。これは、ビリーと呼ばれる隊長の元で、太っている女性がみんなで軍隊式のダイエット運動をして、筋肉質で痩せた体を作るというコンセプトで大人気になったダイエットトレーニングです。どうしてそこまで大人気になったか、要因は色々ありますが、中でも商品・サービスの見せ方がとても上手でした。

CMや広告で、現状「太っている女性」がおり、肥満で悩んでいるとき、「ビリーズブートキャンプ」いうプログラムを見つける。そして「ブートキャンプ」に入隊し、鍛えていくうちに、筋肉質で痩せた綺麗な体を手に入れた姿を見せる。つまり「改善された未来」を見せているのです。
〈Sony MP3 VS Apple iPodの戦い〉

「音楽を聴く」今では、iPhoneやスマホで音楽を聴いてます。しかしちょっと前までは「iPod」で聴いていたと思います。僕もiPod Classicを愛用していました。あんな小さい端末に512GBのも曲が入れられる、当時は「すげー!」としか言いよがなかったです。

ただし実は、iPodが普及される前にMP3も存在しており、その中でも国産でもっとも有名だったのが、Sonnyでした。当時実は、Appleが音楽業界に参入する前、AppleはSonnyとパートナーシップを結ぼうとしていました。しかしSonnyは断り、Appleはであれば自分たちで新しく作っちゃおうということでiPodを作りました。

元々当時Sonnyは、MP3を販売していたが、こだわりが強くMP3の規格も世界基準のものを採用せずに自社独自のものを採用していました。Sonnyは、常に機能の改良や改善に注力しており、広告なども機能の説明ばかりをしていました。

その2年後、AppleがMP3に変わる「iPod」を発売しました。また発表の方法もAppleらしく「1,500曲をポケットに」だけを全面的に打ち出し、機能の説明などは自分でHP見てスタンスでした。この「1,500曲をポケットに」、僕も一時期MP3を使っていましたが、MP3は正直20〜30曲が限界でした。ギガ数の問題もあるかもしれないが、当時は結構高かった記憶があります。

でも、Appleはその曲数を「1,500曲」も入れられ、かつポケットに収まるサイズにしたことで、一気に売上台数を伸ばし、Sonnyに圧勝しました。この「1,500曲をポケットに」こそが生活の改善を売っているとても良い例になります。

まとめ

「私たちはいつも改善を買っている」
「改善された未来を見せる=改善された未来を売る」

マーケティングも広告も考え方一つで「顧客心理」に響くか響かないかが分かれます。「その商品はお客さんの生活をどのように改善させるのか」「改善された未来は素晴らしいものになるのか」など、常に「改善」という言葉をもって分析・施策を行うことが大事です。

ぜひこの機会に自社の戦略を「改善」視点で見直してみてください!

少しでも役に立ったと思えましたら、ぜひ「いいね」「コメント」いただけると嬉しいです!

りゅうた

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木村りゅうた @ 株式会社ニュークラウド
こんにちは。 株式会社ニュークラウドの代表「木村」です。 noteでは、主に「ビジネス」について書いています。 みなさんのサポートと応援により、クリエイティブな活動が続けられています。 本当にありがとうございます。 これからも応援のほど、よろしくお願いいたします😊

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