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Resilience(レジリエンス):よくわからないビジネス用語選①

ビジネスのコミュニケーションで意外と時間をとられるのが、

「この言葉、どういう意味だっけ?」

という質問。

完璧に仕上がったプレゼン資料。何回もイメトレして、社内またはお客さんにプレゼンした時に、このような質問うけたことないでしょうか?

資料作った方からすると、

「いや、正直、そこ本質じゃないんだけどな・・・」

と思うときはありますが、意外と本質をついた質問だと思います。

聞き手にとって、単語の意味がわからなければプレゼンされても意味がつながっていかず、全体のストーリーがわからなくなってしまうので、どういう意味でその言葉を使っているのか?ということを聞くのはまっとうな姿勢だと思います。

一方で、人によって言葉の受け取り方には違いがあるので、「どういう意味か?」という議論は紛糾する(時間がかかる)こともよくあります。

早く仕事終えたいときとかやりたくない議論ですね。

より効率的に、聞き手に伝えたいことを理解してもらうためには、

コミュニケーションにおいて使っている言葉を定義する

ことが必要になります。

「言葉を定義する」ということは、辞書に載っている意味をベースにしつつ、

「いまお話ししている文脈において、この言葉の意味はXXXです」

ということを明確に宣言することです。

とくに英語圏のビジネス用語がそのまま日本に伝わった言葉は、理解しているいるつもりでも、意外とその意味をよくわかっていなかったりします。

また、訳語が定着していない言葉をそのまま漢字にしても意味がよくわからなかったります。

この記事では、おもに外来語についてビジネスで使われているけどよくわからない用語の意味を考えます。

今回は「Resilience(レジリエンス)」。


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Resilience(レジリエンス)

この言葉、英語圏で経済状況を表すときやレポートなどでよく目にする機会はあるのですが、日本語にはなっていないですね。

英語圏経済とつながっている今日、海外の状況を説明するときにレジリエンスという言葉をどう説明するかで困るケースがありそうです。

レジリエンスの語源

ラテン語の「resilire」から派生していると言われます。「resilire」は、

跳ね返る
反発する

という意味で、これが今日におけるレジリエンスの基本的な意味になっています。

外部からなにかしら自分たちに影響するものがあったときに、その影響をいったんは受けるものの元の状態に戻す力

と日本語では説明できると思います。イメージで例えれば、

  • お客さんとの会議で、最初はさんざんダメ出しされて雰囲気すごく悪くなりがらも、会議が進む中で徐々に信頼を勝ち取っていって、最後は和気あいあいと会議をまとめられる(=最初やられるが最後には立て直す)ビジネスパーソンの底力

  • 腕立て伏せまたはベンチプレスをしたときに、一度さがってから「んんんー!」と押し上げるときの力のこと

(※)その他、何かわかりやすいものあればコメントください

ビジネスシーンでの使われ方

日本語には100%そのままあてはまる言葉はないので、

レジリエンス(そのまま)
回復力
復元力
耐久力
頑健性

などと訳されるケースが多いようです。

日本での表現「頑健性」、という言葉で統一して使用されている米系戦略コンサルさん見たことはあります。

どう表現すればいいか、壁打ちと考察

嫁さんとちょっと会話をしてみて壁打ちしようとしたのですが、ほぼ相手をしてもらえなかったので、一人でもできる日経さんの記事・ChatGPTで壁打ち修行をしてみました。

🔽日経さんの米国消費に関する記事見出し

<金利にらみの米国株、下がる「耐久力」

なるほど。金利上昇のスピードが落ちた一方で、株価の戻りが弱いということを表現しているな、これ。文脈的に現地の表現ではResilienceって表現されてるはず。

・・・ん?株価が戻る力が耐久力?

耐久力という言葉が違和感があったので、ChatGPTに聞いてみました。

🔽ChatGPTとの会話

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Resilienceを耐久力と訳しても大丈夫?ChatGPTとの会話

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なるほど。文脈によっては、ということですね。さらに気になったので、

ChatGPTは耐久力よりも「耐ショック性」、回復力」を推奨

なるほど。ショックがあって、そこから回復する、というニュアンスが必要なんですねーーー

そうこうしているうちに、記事のタイトルに変化が!

🔽日経さんの米国消費に関する記事見出し(更新後)

<金利にらみの米国株、下がる「ショック耐性」

うん、これの方がいいですね。

外部からなにかしら自分たちに影響するものがあったときに、その影響をいったんは受けるものの元の状態に戻す力

ということと、「ショック耐性」という言葉の意味があっている。

ビジネスシーンではResilience(レジリエンス)をどう表現すればいいか

わたしの見解としては以下のとおりです。

🔽Resilience(レジリエンス)の定義

  1. レジリエンスという言葉をそのまま使う

  2. 使う前に、「レジリエンスとは何を意味するか」を資料中に文字に落として定義する

  3. 定義する内容としては、「外部からなにかしら自分たちに影響するものがあったときに、その影響をいったんは受けるものの元の状態に戻す力。ショック耐性。」

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