【カープ#84】7/10(日) 中日7-0広島【観戦振り返り】
【概要】
〈中日〉
チーム:6カードぶり勝ち越し
柳 裕也:6勝目|6月5日以来の勝利
阿部 寿樹:先制タイムリーツーベース
ライデル・マルティネス:18セーブ目|27試合連続無失点
清水 達也:18ホールド目|チームトップ
〈広島〉
チーム:難敵・柳裕也|適時打0、対戦防御率0.66
中﨑 翔太:中崎劇場、無事閉幕|一死三塁→無失点
秋山 翔吾:2試合連続無安打
秋山 翔吾:右翼からレーザービーム|移籍後初捕殺
持丸 泰輝:プロ初盗塁阻止
【結果】
〈先発投手・対戦成績〉
〈スタメン〉
〈スコア〉
〈打者成績〉
〈投手成績〉
〈その他成績〉
【着眼】
<1回表&2回表>秋山&崇司の好守備でノムスケを助ける
この試合、ノムスケは久々の一軍登板。
もう一つ言えば、登板予定日は雨の影響で流れて、今日の試合に振り替えとなった。
そういう意味では、工夫して調整に臨まないといけなかったと思う。
その影響が出たのか、立ち上がり~序盤は、持ち味のコントロールの良さが影を潜めていて「危ないピッチング」をしていた。
彼には申し訳ないのだが、僕自身「KOされる覚悟を持って見守った方が良いな」と思いながら、投球を見つめていた。
しかし、僕の心配は杞憂となった。
中盤以降は狙ったところにボールを投げ込める確率が高くなったことで、持ち味の打たせて取る投球で「危なげないピッチング」で、見事にゲームメイクしてくれた。
昨日「5~6回を2~3失点にまとめてくれ!」と書いた通り、期待通りのピッチングを、やってくれたのだ。
結果的に負け星が付いてしまったが、十分に仕事を果たしてくれた。
遠藤のコロナの回復具合は分からないが、次回の登板にも繋がる好投だったんじゃないかと思う。
さて。
そんなノムスケの「不安定な序盤戦」を救ってくれたのが、秋山と崇司だ。
要所でファインプレーが飛び出して、失点を防ぐことが出来た。
好守備に助けられたことで、投球にリズムが生まれ、試合を作れた。
僕は見ていてそんなことを感じた。
というわけで、二人のファインプレーを振り返っていこう。
<1|秋山 翔吾:レーザービーム→本塁タッチアウト>
これは初回のピッチング。
岡林の打球が「一塁内野安打」と表示されているが、記録上はヒットであるものの「投内連携ミス」と言われても仕方ないプレーだった。
いわば「拙守」だった。
一二塁間に飛んだゴロをマクブルームが捕球して、ベースカバーに入ったノムスケにボールをトスして一塁アウトを狙ったのだが、間一髪、岡林の走力が上回った。
この時、ノムスケがベースカバーに入ったのが少し遅れた。
遅れたことで、マクブルームのトスも、緩めの送球になった。
その結果、セーフになってしまった。そんなプレーだった。
もちろん、バッターランナーが俊足の選手であり、懸命に走った結果であることも考慮すべきだが、カープ側としては、打ち取っていただけに「アウトにしたかったプレー」だった。
そういう「出したくないランナー」も背負いながら投げていた時に生まれたのが、秋山のレーザービームだ。
アキビームって(笑)
類似記事は沢山あったが、タイトルに釣られて、リンク記事に選んでしまった。狙い通りだな日刊スポーツさん。負けたよ。
初回、1点を先制され、なおも一死一三塁のピンチの場面で、ライト方向にファウルフライが飛んだ。
三塁ランナーの阿部はタッチアップで本塁生還を試みたが「アキビーム」に阻まれて、ホームタッチアウト。
結果的にダブルプレーとなって、ドラゴンズの攻撃を終わらせた。
ノムスケの立ち上がりを攻められてあっぷあっぷしていたところだったので、秋山のファインプレーは、相手のイケイケの流れを堰き止め、カープに流れを持ってくる上で、大きな役割を果たした。
振り返ってみれば、このワンプレーが、ロースコアの接戦をつくったようにも思われる。
「シーズン最多安打の216本を放ったバットマン」という触れ込みで紹介されることが多かったが、守備でも多大な貢献をしてくれると、カープファンの胸を躍らせるプレーでもあっただろう。
”走攻守3拍子揃った外野手”
鈴木誠也がまさにそんな選手だったが、まさか、秋山翔吾が代わりにやってくることになるとは、ね・・・(笑)
「鈴木誠也の穴を誰かが埋めるんじゃなくて、そもそも埋まらないと受け入れた上で考えよう」
そんなことを何度か言っていた覚えがあるが、秋山が来たとなると、前言撤回も考えねばならないか・・・と、思い始める僕であった。
<2|上本 崇司:前進守備→ジャンピングキャッチ>
これは2回のピッチング。
初回の岡林の一塁内野安打と同様に、投内連携のミスが出た。
特に今回は、タイムリーエラーとなる、痛いミスとなった。
京田が打った打球は、一二塁間、やや強めの打球。
捕球したマクブルームは、一塁から離れた位置に立っていた。
そのため、ベースカバーに入ったノムスケに対して、強めの送球で、アウトを取ろうとした。
結果、悪送球となった。
ノムスケはボールをキャッチすることが出来ず、後方でボールが転々としている間に、二塁ランナーの高橋周平が、ホームまで帰って来た。
2イニング連続で「打ち取った当たりでアウトを取れなかった」という、ピッチャーにとって、ストレスのかかる試合になったことだろう。
そんな中、崇司にビッグプレーが飛び出した。
二死二塁。
セカンドランナーは京田。
これ以上の失点を避けたいカープは、前進守備を敷いた。
バッターの大島は、ノムスケのボールを捉えて、センター方向へ。
前に守っていた崇司の頭上を越えそうな当たりだった。
僕は内心「やられたかっ!」と思いながら見守っていた。
”残念そこは崇司”
落下地点へ「一直線・一目散」に駆け出した崇司は、なんとか打球に追い付いて、ジャンピングキャッチ。
打った大島が思わず苦笑いしてしまうビッグプレーを、本職は内野手の崇司が、魅せてくれた。
今日に限らず、崇司は、守備面でも大きくチームに貢献してくれている。
最近は「規定打席に乗れば打率〇位ですよ」という声を良く耳にするが、崇司の魅力は、バッティングだけではない。
・「チャンスメイク・ポイントゲッター・下位から上位への繋ぎ」
色んな打順に適応する順応力
・「センター・セカンド・ショート・etc」
センターラインを全て平均点以上で守れる守備力
・「積極スイング・積極守備・苦労人」
プレーを見るだけで伝わって来る人柄の良さ、ムードメーカー力
思い付くままにザッと箇条書きにしてみた。
僕が書けていない要素もまだまだ沢山ありそうだ。
そう。
崇司は数え切れない魅力に溢れたプレーヤーなのだ。
ゆえに「オールスターに出て欲しい!」という声が生まれるのも頷ける。
さ、話を戻そう。
初回の秋山のレーザービーム。
2回の崇司のジャンピングキャッチ。
2つのファインプレーが飛び出して、ノムスケは、不安定だった序盤の2イニングを、2失点に食い止めることが出来た。
「2回2失点」と書くと、うーんって感じるかもしれないが、僕が見た限りでは「なんとか2点でまとめられたぞ」というピッチングだった。
ノムスケには申し訳ないが、それぐらい、見ていて不安の残る内容だった。
コントロールが信条のピッチャーだが、投げミスが目立っていた。
甘く入った球をドラゴンズ打線が打ち損じて助けるシーンもあった。
紆余曲折ありながらも、試合が崩れる点差まで広げられることはなかった。
これはひとえに好守備の賜物と言って良いだろう。
結果的に1点差負けという悔しい敗戦になってしまったが「苦手の柳相手に1点差で追いすがって勝利が手に届きそうだった」ということを、僕は喜びたいと思う。
”負けた時に悔しいと感じるのは、勝てる期待を持っていたから”
つまり、敗戦時の悔しさのエネルギーと、勝てそうな期待感のエネルギーは、一致するということ。
そこを理解出来れば「あと一歩のところまで勝利への執念を魅せてくれてありがとう」と素直に感謝出来るようになっていく。
そう思わせてくれた秋山と崇司に、感謝。
<7回表>難敵の柳から無死満塁のチャンスを作るも1点止まり
ココまで守備について述べてきたが、今回は攻撃について。
今シーズン、カープは、中日の右のエースである柳 裕也に苦労している。
それは佐々岡監督の敗戦コメントを見ても良く分かる。
「良く分かる」とか書いちゃったけど、割とふわっとしてんな。
まあ、それも佐々岡監督の魅力だから。
温和な人柄がうかがえると思えば、ニコニコ見れるでしょう。
「覇気がない!」と怒り心頭でコメントしなさんな。
それはさておき。
苦手の柳に対して、ノーアウト満塁のビッグチャンスをつくれた。
それも、カタチの作り方が、また良かった。
・マクブルーム:ヒット
・坂倉 将吾:10球粘ってフォアボール
・小園 海斗:送りバントがドラゴンズのミスを誘ってバントヒット
小園のバントがヒットになった時は、秋山が笑顔で拍手する姿がカメラに映し出された。
それを見て一緒に笑顔になって喜んだカープファンも多いだろう。
僕も、控えめな笑顔を浮かべながら、嬉しそうな表情を眺めていた。
さて。
そんな感じで生まれた「願ってもないチャンス」を、どう活かしていったのか、見て行くとしよう。
<1|堂林 翔太:チャンスボールが来るも大きな犠牲フライ>
まずは堂林。
「堂林 VS 柳」と言えば、あの光景を思い出す人も多いだろう。
「0-0」の投手戦で迎えた6回。
代打で出て来た堂林が一振りで仕留めた。
そのまま「1-0」で逃げ切って勝利をおさめた。
そんなことを想起した僕は、欲張りにも「満塁ホームランでもぶっ放して、ノムスケに勝ち星を付けて、二人でお立ち台上がらないかなあ・・・」なんて思っていた。
今思えば、ビジターゲームだから、堂林しか上がらなさそうだな。
なぜなら「堂林が打つタイミング」だと感じたからだ。
”先発投手に勝ち星が付く時に打ってくれるバッター”
なんか、そんなイメージがある。
今シーズン、そんなことを、2、3回は感じたと思う。
ちなみに、柳から代打ホームランを放った試合もそうだ。
先発投手のアンダーソンに代わって出てきた堂林がホームラン。
先制したことで、アンダーソンに勝ち投手の権利が転がり込んだ。
この時、二人でお立ち台に上がったのだ。
あの再現をやってくれたらいいのになあ、と思ったわけだ。
しかし、僕の欲張りな願望は実らず。
柳が投じたチェンジアップは要求よりも高めに浮いて、それを逃さずカーンと捉えたが、打球はあと一歩伸びず、スタンドではなく、外野手のグラブの中へ。
犠牲フライとなって1点返したわけだが、堂林の表情は冴えなかった。
「1点返せたことは良かったが、あのボール(高めに抜けたチェンジアップ)ならば、ホームランを打つことも出来たんじゃないか」
そういう気持ちが、何とも言えない表情となってあらわれた。
僕はそんなことを感じた。
ちなみに、試合後、堂林はこんなコメントを残している。
これを読んで、僕が思ったのは
犠牲フライという「結果」に満足出来なかった
というよりも
甘い球を完璧に捉え切れなかった「打席内容」に満足出来なかった
そういうことなんじゃないかと受け取った。
仮に、コントロールの良い柳らしい、コーナーを突いたボールを上手く弾き返して、犠牲フライを打つことが出来たのならば、満足そうな表情を浮かべていたのではないか。
あくまで僕の憶測ではあるが、そんな気がしたな。
なので「ナイス最低限」とは思えど「ナイスバッティング」とは思えなかった。
辛口評価になったわけだが、あのバッティングを「ナイス!」と言ってしまうのは、それはそれで、堂林の力量を低く見積もり過ぎている。そんな気がしてしまう。
だからこそ「ナイス最低限」にとどめておくことにしよう。
<2|會澤 翼:柳のコントロールに屈して空振り三振>
”アウトロー・インロー”
柳の真骨頂はこういうピッチングだと思う。
コントロールが良いピッチャーなのは野球ファンなら周知の事実であろうが、特に柳は、高さを間違えない。ココが彼の魅力だ。
コースが真ん中付近に入ったとしても、高さは狙ったところに投げ込めるから、痛打を浴びる確率が高くならない。
アツの打席は、まさにそんな投球を魅せられた。
堂林の犠牲フライに続いて攻め込みたかったが、残念ながら、チャンスボールは来なかった。
悔しいが「柳、ナイスピッチング」と認めざるを得ない。
勝負どころでコントロールミスをしないのは、さすがと言うべきだろう。
<3|松山 竜平:あと一伸び足りずフライアウト>
「う~ん、紙一重!w」
解説の彦野利勝さんは
「バンテリンドームじゃなくてマツダスタジアムなら・・・」
「いや、マツダスタジアムでも、アウトですかねえ~」
などと述べられていたが、果たしてどうだろうか?
ホームゲームのドラゴンズファンに向けた、リップサービス込みのコメントのように聞こえてしまったのだが、それは僕が、カープファンだからだろうか・・・。
だからなのかもしれないな(笑)
堂林の飛球もそうだけど「ナゴドじゃなかったら・・・」と思ってしまう。
そんな野球ファンも沢山いることだろう。
(バンテリンドームって響きに慣れないからナゴドで通してる)
とまあ、このように、惜しい大飛球が2つと、さすが柳という三振1つという結果に終わり、犠牲フライによる1点でチャンスが潰えてしまった。
結果だけを見れば「ノーアウト満塁で1点止まりは拙攻」になるだろう。
だけど「打席内容」に目を向ければ、僕は、拙攻とは思わなかった。
堂林にしろ、松山にしろ、打つべきボールを一振りで捉えて、あわやホームランという打球を飛ばせている。
アツに至っては、打つべきボールが来なかった。
欲を言えば「ファウルで粘って甘い球を待って欲しい」だが、難しかった。
ココは素直に柳を称えようぜ。
「低めの難しいボールには手を出さず、高めに来たボールを仕留める」
迎コーチが試合中の談話で良く語っている言葉。
言葉にすれば当たり前のことのように思うが、打席に立って実践するとなると、なかなか一筋縄ではいかないはず。
それを、ここぞのチャンスの場面で、堂林と松山は体現してくれた。
僕は、この事実に対して、大いにポジらせてもらおうと思う。
二人が好調を維持してくれれば、左右の代打はグッと厚みが増す。
もちろん、堂林はスタメンでも見たい選手なのだけど
「良い場面の代打で出て来て印象に残るバッティングをする」
今シーズンはなんだか、そんなイメージが強い。
なので、個人的には、代打の切り札的存在として、置いておきたい。
代打で出て来て打ってくれたら、チームが乗っていく感じがするからだ。
僕的には、中村健人を、スタメンで我慢強く起用して欲しいんだけどな。
この前、2つの悪送球で、首脳陣に悪いイメージ持たれちゃったかな。
ミスした後の反省や成長力にも期待出来る選手だと思うんだけどな。
いずれも根拠は薄いけども、彼のプレースタイル、ヒーローインタビューでの言葉選びなどを見ていると、なんだか、期待したくなるのだ。
特に、試合の流れを変えるような「スーパー・ファインプレー」を、ルーキーながら、2つや3つは決めているからね。
そんな願望も語りつつ、この話題は、終わりにしよう。
【私見】
ノムスケとマクブルームに投内連携の精度を求めるの、酷じゃない?
画像は、先ほど貼ったのと同じもの。
秋山と崇司のファインプレーの前に起きた投内連携ミスだ。
このプレーを見て、解説の彦野さんは
「(投内連携は)ホントはキャンプ中にやるもんなんですけどね」
と、苦言を呈されていた。
なるほど。
プロ野球OBの方がおっしゃるのならば、そうなんだろう。
そこに異論を唱える気はない。
事実、野村とマクブルームの息は、あまり合っていなかった。
「投内連携の練習が不足している」と指摘されても言い返せないほどには。
だけど、ちょっと待って。
マクブルームに「キャンプ中にもっとやっておかないと」って指摘するのは、どうなんだろうか?
この記事によれば、3月20日から、カープとの練習に合流したと書かれてある。
彼は、コロナ禍の関係で、チームへの合流が遅れた。
キャンプを終えた後に合流して、急ピッチで練習を進めた。
その間、おそらく、投内連携の練習も積んだことだろう。
だけど、時間を割ける猶予は、ほとんどなかったはず。
以上のことから「不十分ながらもベストを尽くした」と思われるのに「練習が足りない」と指摘するのはどうなんだろうと、僕は思ってしまった。
ノムスケにしたってそうだ。
彼は、今シーズン、1軍キャンプではなかった。
2軍キャンプから、地道に練習して、ファームで結果を出して。
腐ることなく、いつかおとずれるかもしれないチャンスを掴むために、準備を欠かさなかった。
その甲斐あって、不調の大瀬良の代役として、白羽の矢が立った。
その次は、遠藤のコロナ感染の代役として、またも白羽の矢が立った。
ノムスケにしろ、今出来ることに精一杯取り組んで、今日、マウンドに上がる権利をもぎ取ったはずだ。
そういうことを思えば、僕は「もっとちゃんとしないと」とは言えない。
ドラゴンズ目線で解説されていた彦野さんには、どうか、そこら辺も汲んでやってはいただけないだろうか、と思った次第。
「しがないカープファンの戯れ言」として流してください。
【P.S.】
彦野さん:「いやな選手が(代走で)出てきましたねえ・・・」
実況:「そうですね~」
「木下選手、今年はちょっと盗塁阻止率を落としてまして」
「3割を切ってるんですよね」
※2021年シーズンは「.426」
・・・
・・・・・
會澤 翼(広)「.042」
実況の人が話してるのを聞いた時に「3割切ってるぐらいあるなら最高じゃん・・・」って思ったカープファン、結構居ると思う。
おあとがよろしいようで・・・。