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"ファンデータを軸にエンタメのアップデート”を目指すNagisaが「バリューズ策定」で見出した、組織づくりの本質〜琉球ウェルネスの組織コンサルティング〜

琉球ウェルネス広報担当のサオリス・ユーフラテスです。2024年8月より、ファンデータを軸に、エンターテインメントのアップデートを目指すNagisa様に、「バリュー策定」をテーマとした経営チーム向けコンサルティングを導入いただきました。

過去に自社でバリュー策定を実施されていたなかで、なぜ琉球ウェルネスに依頼をいただいたのか。その背景や効果は。Nagisa代表の横山 佳幸さんにお話を伺いました。


「ファンデータを軸にエンタメをアップデート」

ーー Nagisaの事業内容について教えてください。

弊社は「ファンデータを軸にエンターテインメントをアップデートしていきたい」という思いを持ち、テクノロジーとリアルの両面でサービスを展開しています。

テクノロジー面では、『FAM』というノーコードのファンクラブ作成システムを提供しています。これは、動画配信やライブ配信、ブログ、オンラインくじといったファンクラブ運営に必要な機能を、誰でも無料で使えるサービスです。

一方でリアルな側面として、『FAM』を通じて得られたファンデータを分析し、イベントやグッズ制作等の企画からデザインまで一環したコンサルティングも行っています。これによって、ファンにとってより価値の高いサービスを届けることができるんです。

現在、250から300ほどのファンクラブが実際に活動していて、約100社の事務所やタレント、クリエイターの方々と一緒に伴走しながら事業を創り上げています。

僕たちが本当にやりたいのは、単純なファンクラブ作成やそのサポートではありません。ファンデータを活用して、DX化とリアルな新しい体験の提供を通じて、エンターテインメントのアップデートを強く推し進めていくことなんです。

ーー琉球ウェルネスとのつながりや、組織コンサルティングサービスを導入された背景について教えてください。

僕と琉球ウェルネスとの最初のつながりは、サイバーエージェントやSTORESの出身である道廣さんとクライアントとして一緒に仕事をさせていただいたことがきっかけでした。道廣さんは常に正直に向き合ってくれる方で、豊富な事業経験をもとに的確なアドバイスをしてくれるんです。そんな道廣さんのことを、一個人としてもビジネスパートナーとしても深く信頼しています。

2023年1月にMBO(マネジメント・バイアウト:経営陣による自社の買収)を実施し、新たなスタートを切り、1年半が経過して事業が成長し、組織が拡大していく中で、会社のバリューを見直そうと考えたんです。実は以前に経営陣で独自にバリュー策定を行った経験があるんですが、残念ながら社内への浸透が思うように進まなかったんです。この苦い経験を踏まえて、今回は自分たちだけで進めるのではなく、信頼できる第三者の力を借りようと考え、道廣さんがいる琉球ウェルネスに相談することにしました。

ーー自社でバリュー策定を行われた際に、うまくいかなかった理由はありますか。

僕が考えるうまくいかなかった理由は、大きくふたつあります。

まずひとつ目は、バリュー策定をトップダウンで進めてしまったことです。本来はボトムアップで取り組もうとしていたんですが、結果的に執行役員やマネジャー陣の関わりが部分的で、十分に巻き込むことができませんでした。そのため、執行役員やマネジャー、さらには現場のメンバーたちにも納得感が生まれず、バリューが十分に浸透しなかったと感じています。

ふたつ目は、バリューを決める際の「軸」や「ノウハウ」を持ち合わせていなかったことです。例えば、5つのバリューを策定したんですが、振り返ってみると5つという数自体が多すぎました。また、それぞれの言葉が長くなりすぎていたり、言葉の定義自体が曖昧だったりと、基本的な部分でつまずいていたように思います。また目の前の課題にばかり意識が行ってしまい、僕らが未来にあるべき姿からの逆算もできていませんでした。


ーー琉球ウェルネスにはどのようなことを期待されていたのですか。

道廣さんは、リクルート、サイバーエージェント、STORESという、僕が目指している会社のロールモデルとなる企業での実務経験をお持ちでした。その実体験に基づいたサポートが期待できると思ったんです。

「ファンデータを軸に、エンターテインメントをアップデートしていく」ことを実現するために、描いているふたつの重要な戦略があります。

ひとつ目は、リクルートやサイバーエージェントのようなコングロマリット(異なる業種や産業に属する複数の企業が経営統合を行い、ひとつの大きな企業グループを形成すること)型の戦略をとり、人材の採用と育成が強いことです。複数の事業を展開していく上で最も重要になるのは「人」です。この二社は、まさに人を軸にしたコングロマリット戦略を緻密に実現している日本を代表する企業です。

ふたつ目は、STORESのようなコンパウンド型の事業戦略です。これは、ファンデータを軸にして、『FAM』というノーコードでファンクラブが開設できるサービスから始まり、周辺領域において新たなサービスを立ち上げマルチプラットフォーム化していく戦略です。例えば、オンラインくじに特化したプラットフォームや、メッセージ、AIのようなプラットフォームというように、様々な事業を展開していく戦略です。

2023年に道廣さんが起業されていたこともあり、タイミングとしてもバリュー再策定のサポートを依頼する上で理想的だと感じました。


"言葉”の共有から"ストーリー”の共有へ

ーーバリュー策定のプロジェクトでは、どのような取り組みをされたのですか。

前回の反省を活かして、まずは「そもそもバリューとは何か」という基本的な部分から琉球ウェルネスとディスカッションしていきました。バリュー策定におけるノウハウや必要な要素について、しっかりと擦り合わせができたことで、スムーズにプロジェクトを進められたと感じています。

会社の歴史を振り返ってみると、前回バリューを策定した際は、漫画事業を中心に様々な事業を展開していました。僕たちのミッションである「構想は、実現を待っている」を体現し、時間とともに会社の事業の形は大きく変化してきたんです。

事業や組織が変わっていくなかで、当然メンバーの入れ替わりもありますし、新しいメンバーも加わってきます。そう考えると、バリューにも賞味期限があるのではないか? この視点に立ち、その期限を5年と想定して、2030年のありたい姿から逆算してバリューを作ることにしました。

具体的な進め方としては、25年2月期に売上が10億を突破し、黒字化する現状から、30年2月期に売上100億、営業利益15億を実現する事業と組織の状態に目線に置き、2つの地点のギャップを琉球ウェルネスと擦り合わせた上で、バリュー策定の全体設計を一緒にディスカッションしながら進めていきました。毎回のミーティングで、琉球ウェルネスがファシリテーターとして議論をまとめてくださり、明確な道筋を持ってバリュー策定を進めることができました。

プロジェクトの流れとしては、8月初旬に経営陣と琉球ウェルネスのメンバーでキックオフを行い、その後は1週間に1回の社内経営会議と、2週間に1回の琉球ウェルネスとの打ち合わせを並行して進めていきました。そして最終的に、10月のキックオフで新しいバリューを社内に共有することができました。


ーーバリュー策定のプロジェクトを終えて、印象に残っていることはありますか。

今振り返ってみると、過去に自社でバリュー策定を行った時は、「バリューを作ること」自体が目的になってしまっていたんです。会社として大切にしたい判断、行動基準を言葉にして、その言葉をバリューとして浸透させようとしていました。でも、言葉だけをいくら伝えても、結局は社内に浸透させることができませんでした。

バリュー策定において本当に重要なのは、「バリューを作ること」ではないんですよね。会社の過去、現在、未来というストーリーを共有した上で、未来から逆算して、なぜバリューが必要なのか、どんなギャップが想定されてバリューを作るのかをメンバーに理解してもらい、納得してもらうことなんです。

3カ月間のバリュー策定プロジェクトは、僕らがどういう会社にしていきたいのか、どういう未来を目指していくのか、そういったストーリーを整理してメンバーに理解してもらうためのプロセスだったんだと、終わった後に感じています。


ーー10月のキックオフでバリューを社内に共有されたそうですね。バリュー共有後に、印象的だったことはありますか。

印象に残っていることは、大きくふたつあります。

ひとつ目は、10月のキックオフで3つのバリューを発表した際の出来事です。その日の半期表彰で、受賞したメンバーのコメントに対して「バリューに沿ってないじゃん」という声が上がって、会場が笑いに包まれたんです。バリューを発表したその日のうちに、メンバーたちがさっそく言葉として使ってくれたことが、すごく嬉しかったですね。これは僕たちが伝えようとしたストーリーをしっかりと理解した上で、バリューが自然と言葉として出てきた瞬間だったと感じています。

もうひとつは、その後の変化です。経営陣やリーダーたちの間で、「それってバリューに沿ってる?」といったツッコミが、日常的に聞かれるようになりました。特に、経営陣だけでなくリーダーたちも自然とバリューを口にしてくれているんです。これは、今回のプロジェクトで目指していた「巻き込み」がうまくいった証なんじゃないかと、手応えを感じているところです。


組織成長の"道しるべ”に

ーー琉球ウェルネスに感じている価値について教えてください。

僕が感じている価値は、大きくふたつあります。

まず一番大きいのは、信頼できる人たちと一緒に取り組めるということです。プロジェクトに参加してくださった道廣さん、佐藤さんは、それぞれが実際にビジネスの最前線での経験を持っています。この実務経験に基づいた知見があるということが、琉球ウェルネスならではの大きな価値だと感じています。

そしてもうひとつは、彼らが持つノウハウを僕たちの課題に合わせてアレンジしてくれる点です。単にノウハウを提供するだけでなく、僕たちの状況や課題としっかりと擦り合わせながら、具体的なフレームワークを提示してくれます。「バリュー策定」という僕たちの課題に対して、一緒に道筋を作りながら伴走してくれることが、琉球ウェルネスの持つ大きな価値なんじゃないかと思っています。


ーー琉球ウェルネスへの期待があれば教えてください。

僕が特に期待しているのは、組織のフェーズごとに起こりうる課題や対処法を可視化して、企業をサポートしてくれることですね。琉球ウェルネスには、組織やビジネスの各フェーズで、どういったフレームワークでビジネスを展開すればいいのかといったノウハウが集まっているように感じています。

将来目指したい姿と現状とのギャップに悩んでいるベンチャー企業の経営者は、多いと思うんです。そういった会社の組織的な課題が解決されることで、優良な企業がどんどん生まれていくのではないでしょうか。そのための伴走者として、琉球ウェルネスには大きな可能性があるんじゃないかと思っています。

僕自身、アントレプレナーとして会社を立ち上げ、M&AやMBOを経験してきましたが、初めて会社を立ち上げた人間にとって、30人、50人、100人、またそれ以上に組織が大きくなっていく過程での組織課題を予見して動くことは、本当に難しいと思います

人数が増えれば増えるほど、コミュニケーションラインは複雑になり、意思決定者や判断者も増えていきます。そうなると必然的に、判断基準や行動基準がブレていくという課題が出てきます。これは組織として避けられない課題なんです。

だからこそ、急激に事業が伸びている企業で組織崩壊を防ぎ、さらなる成長を目指したいと考えている企業には、ぜひ琉球ウェルネスに相談することをおすすめしたいですね。


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