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ICT推進でつまづく原因は絶対にある。ゆえに、つまづきを解消する要因もある。

齢、28歳の7年目教員です。今日も北海道のどこかで子どもたちのためにがんばる教員…であればいいのですが、今年度は巡回をしながら、勤務校のICT推進を担当しています。授業に入るとしてもT2がほとんど。

ICT推進の役目を拝命されたときは気持ちが入っていました。
最初は
「もっと、ICT活用をするよさを知ってほしい」
という思いのもと、色々なことにチャレンジしてきました。正直言えば、「活用することが目的」になっていましたが、1学期の間はそれでOKと考えていました。もちろん資質・能力の育成に結び付く効果的な活用が一番です。ですが、一番最初からそれを求めるのは酷です。先生方の中には、

「活用してみようと思ったけど、うまくいかないから、やっぱり従来通りのやり方がいい。」
「ICTだと、学習のねらいに迫れないし、思ったより時間がかかる。難しいから、やめよう。」
「ICTを使うよさって、なんなの?覚えることだらけで、大変。」

と考える方もいます。新しいことを覚えるのは、とっても大変です。誰でもそうです。誰だって、最初は初心者です。私はサッカーを10年以上続けてきましたが、ついていくのがやっとという状況が長く続きました。それだけ、しんどいなという気持ちがあったことを思い出します。
とはいえ、そういった声を聞くと、どんな気持ちになりますか?嬉しい人はいないでしょう。本当にがんばりたいと思っている人、努力している人からしたら、辛いものです。怒りを覚えることもあるでしょう。

ではIそんな状況で、ICT推進として、何をしますか?
きっとICT通信の発行を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。現に私がそうでした。でも、そもそも
「使えない」「使いたいと思えない」「使いたいが、ゆっくり学べない」
という事情のある方からしたら、ICT通信の中身が難解になってしまいます。それでは、推進できませんよね。

じゃ、あなたはどうなんですか?という指摘があるのは承知の通りです。以下に、職員の振り返りを挙げます。


〇とある県の先生方と教育委員会の方が来られた際の職員の振り返り
・各学年で児童の発達段階に応じたICT活用をされているのが素敵だと思います。
共同編集での活動の難しさを感じていたので、たくさん使って慣れさせていきたいですし、フォームを使ったふりかえりの積み重ねをぜひ参考にしたいです。いろいろな教科で使える可能性を感じました。
・校内の実践発表が何よりも参考になり、使いたい意欲が高まります。(教務主任、理科専科)
個別最適な学びの支援に有効活用できるとわかっていながらもなかなか活用できていないので、必要な場面で使うことができるようにしていきたい。
・(学級)サイトの活用には興味がありますが、そこに割くだけの時間をどう生み出すかが自分の課題かなと思いました。
チャットを使用することで、他の方が考えていることが見える化されて、とても良かった。
5-1のサイト機能を参考に、全校で家庭学習の共有ができたらいいなと考えています。
ふりかえりをスプレッドシートでできるようになりたいです。
5-1のクラスサイトがとても便利だと思う。本人も書いているようにクラスルームは授業で。クラスサイトは連絡用となっていると締切など子供たち自身もわかりやすいし、先生方もまとまっていて良いと思いました。ぜひ、共有できる部分は全校で共有できたら良いなと思います。
・使い勝手が良い、見やすくまとめるなど、考えていけばいろいろと工夫したシート?ができそう。ちょっとずつできるようになりたいと思った。
・各学年のICT活用の実態が分かってよかった。ただ、自分でやるとなると結構ハードルが高いので、いろいろ教えてください。自分でできることが今のところ限られているので、「これをつかったらこんなことができるよ」集みたいなものがあれば、活用しやすくなるのではないかと思う。
・低学年でも、カメラ機能や手書き入力、クラスルームの活用など、ローマ字入力ができなくても子どもたちが出来ることはたくさんあると感じました。どんどん使っていって大人も子どもも少しずつ慣れて使えるようになっていけるようにしたいです。


〇1学期の振り返りアンケートより(生成AIでまとめたものになります)

  1. 授業でのICTツール活用

成果:
•実物投影機、書画カメラ、ミートを使用した授業。
•Zoomを使用した授業。
•CanvaやGoogleスライドで共同編集を行う。
•重要性: 授業の幅が広がり、より多様な学習スタイルに対応できるように。

2. チャット・コミュニケーションの活用
成果:
•チャットを通じた連絡や確認の効率化。
•業務の進行がスムーズに。
•重要性: 教員間のコミュニケーションが円滑化され、連携が強化される。

3. タイピングとドリルの活用
成果:
•タイピングスキルの向上。
•ドリルや付録を活用した学習サポート。
•重要性: 子どもたちがスムーズにデジタルツールを使えるようになる。

4. 授業の振り返りと共有
成果:
•振り返りフォームを使用した授業の振り返り。
•スプレッドシートでの振り返り共有。
•重要性: 教員間での情報共有と授業改善に寄与。

5. その他のICT活用
成果:
•授業進行中の機材トラブルへの対応力向上。
•キーボードタイピングの練習。
•新しいツールや機能の習得(Canva、スプレッドシートなど)。
•重要性: ICTスキル全体の底上げと、より効果的な授業実践のための基盤構築。


ここまで読んでいただけると、
「え、そんなこともやってるんだ」というのがわかってくると思います。ここでは、全て紹介しません。
ただ、正直言うと、ここまで推進できると思っていませんでした。4月は、とても推進していけるような雰囲気ではありませんでした。ですが、現在はいい感じで活用が進んでいます。苦手そうなベテラン教員からも、「教えてほしい」という声をいただきます。

「主任」という立場で困っている方、いらっしゃいませんか?
推進はしたくても、なかなかそれができなくてもどかしいと感じることはありませんか?
当初感じていた期待と夢が、気が付けばプレッシャーとやるせなさ、そして「はやく降りたい」という気持ちに変わっているかもしれません。
そこで、少しでも私の経験が誰かの役に立てばと思います。

長くなってしまったので、今回はここまで。文字ばかりですみません。次回にその具体的な方策と戦略を紹介します。


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