0円不動産時代へ(上) ー 市場とのミスマッチとコミュニティ崩壊の危機
はじめに ー 人口3万人の地方都市の「まちなか」
私が事務所を構える富山県滑川市は人口約3万人強の地方都市である。全国的に知られた施設や観光地は無い。隣接する富山市のベットタウンとして、なんとか人口を維持してきたが、近年、減少へと転じた。しかし、その内情をみてみると、郊外の宅地開発は堅調であり、まちなかの衰退は加速度的に進行している。「都心回帰」や「コンパクトシティ化」が脚光を浴びているが、我が街にその兆しはない。このエッセイでは、私たちが住んでいる街のような人口5万人未満