【スタビリティ•モビリティは陰陽思想?】
【スタビリティ•モビリティは陰陽思想?】
Gray CookとMike BoyleのJoint by Joint理論 によると
各関節にはStability(安定性)の役割の大きい部位とMobiliy の役割が大きい部位が順番に連なっていると述べています。
よくある間違いが(専門家って言われる人も間違った情報を流している場合をよく見ます)、
「各関節はStabilityの関節・部位とMobilityの関節・部位に分かれている」と。
しかし、関節や部位は
○○関節・部位はStabilityだから安定性のトレーニングだけやればいい
とか
○○関節・部位はMobilittyだからどんどん動かしていこう
とかそんな単純ではありません。
各部位は
StabilityとMobilityの両方の役割があります。
それは解剖学的に考えると当たり前のことです。
それについての詳細はだいぶ昔にあげました。
今回はこのStability•Mobilityのコンセプトを
「陰陽思想」の面から考えてみたいと思います。
それにより身体の奥深さを考える
きっかけになればと思っています。
■ Joint by Joint approach
Grayの言葉では
足部、膝部、腰椎・仙腸部、中部・下部頚椎、肩・肩甲帯は緩みやすくなる傾向があるため
Stability(安定性)やモーターコントロール(運動制御)から得られるメリットは大きい可能性がある。
足関節、股関節部、胸郭、上部頚椎、肩関節
は硬くなりやすい傾向があるため
Mobility(可動性)や柔軟性から得られるメリットは大きい可能性がある。
またGaryは
「ポイントは問題がある部位・関節の一つ上と下の部位・関節を明確にするために体系的アプローチをすること」
と述べています。
緩みやすい関節・部位が本当に緩んでいるのか評価し、もしそうであればStabilityやモーターコントロールへのアプローチが必要ですし、
硬くなりやすい関節・部位が本当に硬くなっているか評価し、もしそうであればMobilityや柔軟性へのアプローチが必要になり、
しかもそれをその部位だけではなく
上下の関節・部位も観察しアプローチが必要であればそこも考えるという
“繋がり”(キネティックチェーン)を考えることが重要ということです。
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■ 陰陽思想
話しを東洋に移しましょう。
陰陽思想は、BC1000年頃の中国から発し
あらゆる物事は「陰」と「陽」の2つ
に分かれるとし
それらの調和により全てうまくいくという考え。
陰陽のシンボルマークは有名ですが、それからわかる通り、
「陰」の中に「陽」があり、
「陽」の中に「陰」があり共存しています。
また
「陰」と「陽」は綺麗に真っ二つに
分かれているのではなく
混じり合うようになり、円になって(成り立って)います。
単純な二元論ではなく、共存して混ざり合っているイメージです。
「陰」が女性で「陽」が男性と考えられ
陽は”突き進む”性質で、陰は”受け入れる”性質です。
つまり
「陽」は”動”であり、「陰」は”静”です。
性格でいうと
「陽」の人は積極性があり前向きで
「陰」は人や物事を受け入れる事ができる人とも言えます。
ちなみに、数字にも陰陽があり
奇数が「陽」で、偶数が「陰」
そのため結婚式のご祝儀は
陽の数の金額を包み、不幸の際には
陰の数の金額を包みます。
日本では能の大成者である
世阿弥が父親の観阿弥の話しを
書にした「風姿花伝」で
「陰陽の和合の境界こそが
全ての成就のもとである」
と記しています。
身体で言うと
背中が「陽」で、腹が「陰」であり、
右が「陰」、左が「陽」。
そのため足袋や袴を履く時は
左からだったそうで、
能の基本形である「指し込み」と呼ばれる
歩きは必ず左から始まり、後に歩く「ひらき」では右足から下ります。
茶道でも表千家は、左足から茶席に入り
“裏”千家は、右足からだそうです。
筋肉に注目すると
背中側の筋肉群は「陽」、お腹側の筋肉群は「陰」
どちらが良いとかではなく
伸展筋は“動”であり”突き進み”、屈曲筋肉は”静”
であり”受け入れる”ものです。
そういった意味でも
”腹が据わる”は受け入れる状態であり
”背負う”は突き進む状態と解釈できます。
それが度を過ぎると“背負い過ぎ”、“荷が重く”
なります。
先ほどのシンボルマークに戻ると
背中の「陰」とお腹の「陽」で白と黒に
分かれ、その境目(和合の境界)が
背骨のようにS字になっているのも
面白いところで、その境界が成就のもと。
だから脊椎、仙骨含む中心軸はパフォーマンス向上の基礎と言えます。
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■ 陰陽思想とStability・Mobilityの関係
さてこの陰陽思想の考えとStability・Mobilityの
関係ですが、
Stability(安定性)は静であると言えるので
「陰」
それに対してMobility(可動性)は動である
ため「陽」
つまり
身体の中心近くにあるStabilityのインナーと一般的に呼ばれる筋肉たちは”受け入れる”役割があり、
Mobilityを行うアウターの筋肉は”突き進む”役割があります。
だからこそ、インナーマッスルは
固定して力を”突き”返すのではなく
”受け入れる”力が必要なわけです。
そしてインナーマッスルたちも
動かす役割“も”あり、アウターマッスルも
安定の役割“も”あります。
だから「陽」の中に「陰」があり
「陽」の中に「陰」があるというわけです。
このStabilityとMobilityが共存しており
その和合、バランスが成就のもとであるため
それぞれの部位・関節ももちろん
共存しており、そのバランスが整ったときが
体にとって良い状態であると言えます。
だからこそ
Mobilityのみ、Stabilityのみという考えは
アンバランスになります。
それが”自然”ではないことは理解できるかと
思います。
本日は、陰陽思想から
StabilityとMobilityの話しをしました。
西洋のStability・Mobilityの考えと
東洋の陰陽説が繋がると考えると
面白いですよね。
では、皆さんにとって何か
プラスになることを願って❗️・
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